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フラグとは、回収する為にあるのだ……と知った
第407話:思い込みって……
しおりを挟む胡桃事件から、ムンドが大人しくなった。
プーリに嫌われたと思って、いつも物陰からひっそりと見つめている。
実は、プーリは全然気にしてない。
元々がムンドが積極的に世話をしていたので、自分から近付かないと絡みがないのに、嫌われたと思い込んでムンドが勝手に近付かないだけなのだ。
あの時もプーリが怒ったわけではなく、テラが自分の分も欲しいから、ついでに連れて行っただけだ。
その事にムンドはいつ気付くのだろうか。
リルもガルムも、教えてやる気は無いようだ。
少しは反省した方が良いからだろう。
今までは単独、またはリルやガルムなど限定したものとしか関わってこなかったようだが、これからは沢山と人や従魔やペットと関わっていくからな。
イキッたヤンキーはそろそろ卒業しような、ムンド。
「ムンド~!滑り台になって!」
シズカが隠れているムンドを引っ張り出す。
こういう時、子供って最強だよな。
空気読まないから。
ユキやガルムが微笑ましく見守っているから、セーフなのだろう。
うちの公園の滑り台で良いのでは?と思うのだが、あれはスピードを出して滑り降りる時用らしい。
テラなど、態々硬質化して滑り降りるからな。
ミスリルだから、傷も付かないしよく滑るようだ。
たまに白虎姿のユズコがハマっているが、あれは大き過ぎるからだろう。
なぜ何度も挑戦するのか。
キャラメリゼした胡桃をつまみながら、温かい麦茶を飲む。
温かい麦茶も香ばしくて美味しいのだ!
胡桃ののった蒸しパンもテーブルの上に並んでいる。
「この蒸しパン、現実でも作ってくれないかなぁ」
俺の前で蒸しパンを頬張るリコンスが呟く。
「作るのは出来ても、どうやって渡すんですか」
砕いた胡桃の入ったバニラアイスを食べながら、斗苫斗的が隣のリコンスを残念なモノを見る目で見る。
ここは【ペットカフェ】の特別席。
何が特別かというと、片側のソファが通常より大きいのだ。
理由はガルムをソファにする俺の為。
別に俺が希望したわけではないぞ。
俺の座る席の横で、ずっとガルムがお座りしているのが邪魔なのだそうだ。
俺の執事さんは、他の子達みたいに遊びに行ったりしないからな。
今日の目的は、斗苫斗的のレベル上げの打ち合わせである。
平日の夜に何回かに分けて行くのか、金曜の夜から土日を使って一気にやるのか。
俺はどちらでも大丈夫だからな。
締日前後でなければ、通常30分の残業程度で済むし。
今日の【ペットカフェ】の料理担当は喜亜羅。
胡桃のデザートばかりがテーブルに並んでいるのは、新しいメニューの試作品だから。
そして気に入り過ぎたリコンスが暴走気味。
「シアラ経由で渡してもらうもん」
まぁシアラはリコンスの義姉だからな。
「そもそも手渡せる地域に相手が住んでるか、からですけどね」
「あぁ、そっかぁ。シアラ自体も3県離れてるんだったわ」
全然駄目じゃないか。3県離れたら、それはもう旅行だぞ。
「……馬鹿だ」
思わず呟いた俺は悪く無い。
────────────────
結局、【ペットカフェ】に拾った胡桃や栗や銀杏を持って行ったようです(笑)
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