ほんわりゲームしてます

仲村 嘉高

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フラグとは、回収する為にあるのだ……と知った

第405話:植物系の魔物って

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 アルラウネが器用に蔦を使って、スボッと土から足?を引き抜いた。
 地面に蔦を突き刺して引き抜く様は、ワインのコルク抜きを彷彿ほうふつさせる。
 それにしても、森で会ったのとはサイズというか年齢?も違うから、可愛い印象が強い。
 幼女のフィギュアが動いてるようだ。着色前の。
 森のアルラウネは、モデルサイズのマネキン人形のようだった。


<ア~ルラ~ウネ~>
 さて。そのアルラウネが楽しそうに植木鉢の縁を乗り越えようとしているが、良いのだろうか?
 一応、ペットでも従魔でも無いモンスターだよな。
 いや違うか。
 持ち主が決まっているから街中でしたのだろう。魔物野菜みたいなものか?

「コレは爺さんのになるのか?」
 植木鉢を指差して、元凶だろう爺さんに質問する。
「違うわい。開店祝いでったもんじゃから、店の物じゃ」
 そうか。
「お~い!アルラウネが脱走しようとしてるぞ」
 に聞こえるように大きな声で注意喚起する。

「は?何?アルラウネ!?」
「アルラウネがどうしたのかしら?」
「何が何だって?」

 交代で休憩しているのか、今居るオーナーは紫蘭とクイーンとハイネだ。
 テイマーの紫蘭が居るのは良い事だと思う。うん。
 飛んで来たオーナー三人は、植木鉢を囲んでしゃがみ込み、絶句していた。
 そして1番最初に我に返ったのは紫蘭だ。
「アルラウネとトレントよね?」
 小声でテイムして良いのかしら?それともペットに出来るのなら皆欲しがるかしら?などと呟いている。


<フシュルルー>
 葉っぱがワサワサしながら鳴いた。鳴いたのか?
「この葉っぱは何なんだ?」
 ハイネが葉っぱをつつきながら爺さんに聞く。
 前線で活躍してた人でも知らない魔物モンスターがいるのか!と驚いたが、が道端に居ても気付かずに通り過ぎるよな。特に戦闘職なら、草に興味は示さないだろう。

「それはじゃな、マンドラゴラじゃ!」
 爺さんがドヤ顔で言うが、ちょっと待て。
 マンドラゴラって引き抜くと凄い悲鳴あげて、その声を聞いた者は死ぬだか発狂するだかの、とてもとても不穏な生物だよな!
「マンドラゴラって、ペットにしたりテイムしたり出来るのか?」
「知らん!」
 予想通りの答えが返ってきた。


 マンドラゴラの全身を見たかったが諦めよう。
 神話とかそっち系の本には、マンドラゴラに縄を付けて犬に引き抜かせるってのが多かった。
 人間はその横で耳を塞いでいるイラストを見て、そのくらいの防衛で大丈夫なのか?と疑問に思った記憶がある。それならば犬に引き抜かせないで、耳栓で問題無いだろうとも思ったな。

 犬か。犬……ガルム?
 ガルムならマンドラゴラを引き抜いても、全然大丈夫そうだよな。
 むしろ引き抜かれたマンドラゴラが驚いて、気絶しそうだ。
 リルでも良いか。いや、駄目か。
 リルは引き抜いた後にマンドラゴラで遊びだしそうだ。
 その前に、引き抜いたら駄目だよな!
 他人様ひとさまのものだからな。


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