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フラグとは、回収する為にあるのだ……と知った
第398話:要らないよね?
しおりを挟む久しぶりに街の外へ行き、思いっきり新鮮な空気を吸い込んだ。
風下の惨状は見ないようにして……。
<ぎゅきゅう!>
ヨミの声の後、何か固いものが砕ける音が聞こえた。岩かな?多分。岩だと良いな。
<熱ぃ!兄ちゃん!加減!>
<我の攻撃範囲にいる方が悪いのだよ>
兄弟喧嘩かぁ、平和だよね。
<肉~出るかな~?>
出ても鰐とか蜥蜴だから、俺には調理出来ないからね?テラ。
<シズカもヨミみたいに頭蓋骨砕きたい!>
あぁ、あれは頭蓋骨が砕けた音だったのか。知りたく無かったよ。
背後から聞こえる不穏な会話。
思わず溜息を吐き出した俺は悪くない。
<主殿、ネルが遊んで欲しそうなのじゃ>
ユキに言われて足元を見ると、チョコンとお座りしているネルが俺を見上げていた。
<抱っこ……>
はいはい、喜んで!
ガルムに囲われて、ネルとプーリと戯れる。
ユキは隣でくつろいでいる。
白魔法が得意のユキと、バフ系が得意のネルは、正直言ってうちの戦闘狂には必要無い。
ただでさえオーバーキルだからな。
ガルムに囲われて居るから、見えない。
見えないものは、知らない。
だから今の俺の世界は、モフモフのガルムとユキとモフスベのネルとフワガチのプーリだ。
「プーリは随分大きくなったぁ」
まだ見た目は雛っぽいが、大きさはシズカと同じくらいある。
もうユキでは運べない。
むしろ何故テラが運べるのかが不思議だ。
そう。この大きなプーリを、テラは抱えて飛ぶのだ。
前が見えないだろうに、どこへもぶつからないで。
ムンド曰く、『飛ぶ時は見てないから』だそうだ。
それはムンドだけでは?と思ったが、リルやガルムも高速で走る時は、目で確認していないのだとか。
索敵とかレーダーとか、そういう感覚なのだろうか?
<ぴぴぴぃ>
小さい頃の感覚なのか、プーリがユキの上に登ろうとする。
羽根を広げてえっちらおっちらと、太い脚で登ろうとするのは……微妙に捕獲っぽいとは、言ってはいけないだろうか?
<プーリ、ユキを襲ってるみたいに見えるにゃ>
ネルが正直者でした。
<終わったのだよ>
ガルムの様な足になったリルが寄って来た。
<シズカもね、頑張った!>
うんうん。頑張らなくても良かったのだけどね。
<きゅきゅう!>
はいはい。ヨミちゃんも頑張ったのね。
全身の色が変わってるから、自己主張しなくても大丈夫だよ。
まるで出会った時みたいだよ……。
<プーリもそろそろ参加出来るかもな!>
恐ろしい事を平気で言うムンドの頭を、とりあえず殴っておく。
殴った俺の手の方が傷付きそうな硬さだ。
ん?ヌルンとしたぞ!?
手を見ると、赤くは無い。
赤く無いけど、何かが付いている。
<あ~ボクの吐いた毒が付いてた~>
虹色に輝く透明な粘液は、テラの毒だったようだ。前は紫だったのに、進化したのか?
「……全員、そこの水場で洗って来なさい」
水場と言うか、沼だけどな。
フィールドに毒が流れ込んでも、自然毒では無いので影響は残らないらしい。
その瞬間には影響があるみたいだが、今倒した鰐だか蜥蜴だかの巣だったから大丈夫。
前も思ったが、死体などは消えるのに、血とか毒とかが残るのはなぜだろう。
俺的には要らないのに!!
────────────────
ガルムの足は、赤いのです。
そして毒は、街中では影響出ます←前に召喚しようとして[警告]が出ましたw
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