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可愛いを独り占めするのは、心苦しく思います……ので
第397話:立ち位置(笑)
しおりを挟むとても賑わっているペットカフェ。
お店の名前が【ペットカフェ】なのはどうかと思うが、オーナー達の趣味が違い過ぎて決められなかったらしい。
候補を教えてもらったのだが『深淵を覗く瞳』は誰の案だったのだろう?怖くて聞けなかった。
しかもペットカフェに擦りもしてないよな?
ふれあい広場を観察していると、ドーロやアニンやアモンのお飾り付きを連れて行こうとして、玉砕している人が多くいる事に気が付いた。
オーナー達五人のペットの八匹は、やはり人気が高い。可愛く着飾って……まぁ一匹微妙だが……大きい分うちの子達とは違う魅力がある。
何よりも数が違うから、当然の結果だろう。
別に悔しくないぞ?俺にとっては、うちの子が1番だからな!
俺達が現実での食事などで退席している間、従魔達はペットのお家の方へと主に行っていたようだ。
従魔はオマケだからな。
そう。ここは【ペットカフェ】なのだから!
そして、今更だが転移扉の設置時以来、属性オコジョ達は店に行っていない。
まだ人馴れしていないのも有るのだろうが、ペットのお家の行動範囲が増え、正式な仲間入りが出来たのが嬉しいようで、お家の中を探検して回っている。
呼んだら来る気がするのだが、飼い主がユズコにジルドだからな。無理強いする気はない!とか言って断りそうだ。
ペットカフェがオープンして1週間。
ちょこちょこグランハウスへ帰ったり、畑作業をしたりしていたとはいえ、正直、飽きてきた。
毎日満員御礼でオーナー達はウハウハだろうが、ペットの貸主である俺達はただ席に座って見守っているだけ。
遊んでいるのは自分達のペットだし、クランハウスのペットのお家に居るのと大して変わらない。
美味しい料理が食べられるくらいか?
因みにウハウハとは、お金儲けでウハウハなのではなく、可愛いペット達を愛でる仲間が増えてウハウハである。
綺羅・爺さん・斗苫斗的に依頼をしようとして玉砕している客は、ペットを飼っているのだろうか。
元々が有名らしい三人。
ここで働いてるのがおかしいのだからな!
「問題無いみたいだし、もう良いかな?」
食器を下げているココアに声を掛けた。
インベントリに入れて運べば楽なのだが、店らしくしたいからと態と手に持ち運んでいる。
「ん~本当はもうちょっと居て欲しいけど、大丈夫よ。皆【sechs(ゼクス)】関係無く来てくれてるしね!」
確かに、最初こそ【sechs(ゼクス)】ファン?って客も居たが、今は純粋にモフモフを楽しんでいるように見える。
ガルムやリルに熱視線を送っている客はいる気がするが、気付かないフリをしておこう。
紫蘭が火蜥蜴の卵が孵化したら連絡をすると、オーべと約束をしていた。
俺じゃ無いのか!?
まぁID交換してないからしょうがないけどな。
足りなかった魔力は、どうやら客やペットや従魔のお陰で補充出来たようだ。
俺の部屋の魔素が多いのと同じ理屈だな。
リルが親切に説明してくれた。
どうやらリルの立ち位置は、皆のお兄ちゃんのようだ。
……俺を含む。
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