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可愛いを独り占めするのは、心苦しく思います……ので
第390話:店内を見てみた!
しおりを挟むペットカフェの店内へ入ると、そこは想像とは全然違う世界だった。
可愛いもの好きのココアや、妙にこだわりの強い咲樹が紹介した職人が関わった店なので、男子禁制な雰囲気だと思っていた。
ピンクのレースやフリルがふんだんに使われているか、アールヌーボーなお洒落なのを想像していた。
しかし店内はフリルやリボンなど一切無く、どちらかと言うとナチュラルな落ち着いた雰囲気だ。
店内には四角い四人用や、六人掛けのテーブルが何個か置いてあり、真ん中にはドドーンと大きな丸テーブル。
テーブルの上の中央には螺旋の……滑り台?小さなアスレチックタワーが鎮座している。
ヨミがギリギリ遊べるサイズだ。
ネルは駄目だな。滑り台好きなので、ちょっと可哀想かもしれない。
テーブルは全て角が無く、四角いけどフォルムは丸い。ソファも角が無くて丸っこい印象だ。
これはもしかして、ガルムやリルが通る時に怪我をしないようにの配慮なのか?
通路の幅が広いのも、天井が高いのも、全てうちの大型従魔基準なのだろう。
店内を進むと、膝丈の柵に囲まれた広いスペースがあった。まるで動物園とかにあるふれあい広場のようだ。
「ここが、基本的にカラフル兎が遊ぶスペースよ。そこの階段を上がると、上の通路を伝ってアスレチックタワーまで行けるわ」
天井に通路があるのか!
上を見ると透明な板が何本もあった。兎が落ちないように、凹型になっているらしい。
「お客様はこの中で遊ぶのもありだし、自席に連れて行って遊ぶのもありなのよ」
クイーンが説明すると、違う店の説明に聞こえる。声のせいか口調のせいか、本人の雰囲気か。
接客に出て大丈夫なのか?エロフ。いやエルフだった。
「テーブルの上にペットを乗せるのは禁止!ただし、この上であればOK!」
30×40位の箱?お盆?をハイネに渡された。
ふれあい広場からカラフル兎を自席に連れて行く時にも使うそうだ。
「料理がテーブルにある時は、何があっても絶対に禁止だけどね」
料理人であるファラ。当たり前の主張だよな。
飲み物はセーフなのか。
「今日はお料理は無いけど、実際にやってみましょうよ。ヴィンのお友達を呼んで」
サラッと言ってるけど、そのような予定はありませんでしたよね?喜亜羅さん?
まぁ良いけどな。
同じ『commerce(コマース)』内だし、二つ返事で飛んで来そうだしな、綺羅と爺さんと斗苫斗的。
三人に店の場所をメールした。
お客様が来るまでの間に、転移扉の実装実験をする。
ふれあい広場の奥に、転移扉は設置されている。
転移扉の所には、不動産屋さんが立っていた。
設置するだけでは機能しないからだ。
動作確認兼通行許可登録なので、全匹通さなければいけない。
俺の手首に巻き付いているムンドもちゃんと登録しないとだな。
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