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可愛いを独り占めするのは、心苦しく思います……ので
第372話:ペットのお家での日常
しおりを挟むドーロとヨミのファッションショー!!
カラフル兎(金)のドーロと、アルミラージ(変異種)のヨミの兎二匹。
ドーロは頭に飾りを付けていて、ヨミの角を模している。
ヨミもドーロの飾りと似ているフェロニエールを付けているので、並ぶと親子のようだ。
いや、イベントでヨミから発生したのがドーロだから、本当に親子と呼んで良いのかもしれない。
「可愛いね~!ヨミちゃんもドーロちゃんも」
二匹の衣装を作成した綺羅が、声掛けをしながら撮影している。
ヨミは前に貰った水色のポンチョで、ドーロのは似ているけど微妙に違うデザインのピンクのポンチョだ。
ドーロサイズの服の作成など神業!と思っていたら、ヨミサイズで作ったのを縮小する事が出来るらしい。それはそれで凄いな。
今度、目の前でやって貰おう。
「ああぁ、やっぱり残せば良かった」
(Pピンク)と(Pイエロー)を手に載せて頬擦りしているのは斗苫斗的だ。
店舗を持っておらず、クランにも所属していない斗苫斗的は、カラフル兎を手元に残すのを断念したのだとか。
「可愛いよぉ、ペットの家を作れば残せたのかなぁ……でも昼間は、カラフル兎が危険だもんな。自力で身を守れないよなぁ」
ブツブツ言いながら頬擦りを続ける姿は、ちょっと怖い。
それにしても確か綺羅も爺さんも、店舗しか持っていないからカラフル兎を諦めたと前に言っていたよな。
特に綺羅は無人販売店舗仕様だから、商品は守れてもカラフル兎は盗まれる心配があったのだったか。
ペットを育成出来る環境って、なかなかに難しいのかもしれない。
俺は、ジルドとレイに丸投げしてしまっていた。
<ムンド!もっと急が良い!>
可愛い声が不穏な台詞を吐いているので慌てて視線を向けると、シズカとネルがムンドを滑り台にしてカラフル兎達と遊んでいた。
一緒に遊んでいるのは(銀)と(金)と(白)が多いか?
あ、目立たなかっただけで(黒)や(紺)もいたか。
失敗してコロンと横から転がり落ちるカラフル兎もいるが、そこは綺羅作のクッションが下でしっかりと受け止めている。
普段からこうやって遊んでいるのだろうなぁ。
<君達は、まだ言葉を発せないのか~い?>
き、気が抜ける。
この話し方はピリリか。
ピリリがプーリとオパールとユキと一緒にくつろいでいた。
<鳥は雛から始まるのだから当然なのじゃ>
ユキの説明に、ピリリが『なるほど~』と納得している。
そして俺も納得した。
ピリリやテラは爬虫類か!爬虫類って、孵化してすぐに大人と同じ姿だよな。
テラが部屋の中をフヨフヨと飛んでいる。
ドーロを綺羅に取られて拗ねているのかと思いきや、5センチサイズのリルを抱えて飛んでいた。
<進め!古の竜!>
<了解~!>
あ、こっちを向いた。
<目の前に謎の黒い生物が居るよ~!>
<伝説のヘル・ハウンドかもしれないね。行ってみようか>
地獄の猟犬じゃなく、冥界の番犬だけどな!
まぁ、楽しそうで何よりです。はい。
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カラフル兎の(P)は、パステルの略です。
ヘル・ハウンドとは、ギリシア神話のケルベロス、イギリスのブラックドッグ、アメリカのカデホなど、地獄の猟犬の総称らしいです。
ガルムは北欧神話ですw
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