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タマゴはタマゴ 夢見るタマゴ 頑張るタマゴ

第357話:異議は認めん!

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 飛べないし、歩くのも覚束ないプリン。
 移動手段を考えなくてはならない。
 移動手段というか、入れ場所?
 実はテラよりもプリンの方が大きいので、俺のパーカーのフードだと窮屈なのだ。
 テディベアリュックは背開きで、中に入ると簡単に出て来れなくなるので駄目だな。
 あぁ、このテディベアリュックもお役御免か。

「綺羅、このテディベアリュックはどうする?」
 肉を焼いている綺羅に声を掛ける。
 なぜ焼き係?と思ったが、本人が楽しそうだから良いか。
「どうするも何も、あげた物ですから好きにしてください」
 使えとは言わないのか。
 似合う人にあげる……か?
「いくらリコでも、それは無理よ!」
 目が合ったリコンスに速攻で拒否られた。

 あぁ、一人だけ似合いそうな人が思い浮かんだ。
 そしておそらく、喜んで受け取るだろう。
 近々会いに行く必要もある。
 赤毛のおさげ髪の少女?を思い浮かべながら、インベントリにテディベアリュックを仕舞った。


『早く食べろ』『冷めると味が落ちる』『少し醤油が焦げた所が美味いぞ』『熱いうちならバターを足すのも有りだ』『馬鹿野郎、バターで誤魔化さなくても美味いぞ!』『そこは個人の好みだ』

 ジルドが持って来たのは、焼き魔物玉蜀黍とうもろこしだった。
 うるせぇ。
 トウモロコシピーラーが無いので、包丁で削ぐか魔法で削いで貰うか、さてどうするか。
<おや、魔物玉蜀黍だね。1本貰っても良いかい?>
 小狼姿のリルだ。
 美食家グルメのリルが欲しがるのだから、魔物玉蜀黍は本当に美味しいのだろう。
「良いけど、芯から実を外そうか?」
<いや、玉蜀黍はこのまま囓るのが1番美味しいのだよ>
 そうなのか!良い事を聞いた。

 魔物玉蜀黍を囓る。
 !!
 え?何コレ。玉蜀黍の味が濃いし、焼き加減も最高だし、醤油の加減もバッチリだ。
 玉蜀黍の言うとおりに調理すると、本当に美味しく出来るのか。
 味付けのタイミングとか、最良の火加減とか、焼かれてる側にしか判らないよな。
 うるせぇとか思ってすみませんでした。
 いや、でもやっぱり、うるさいものはうるさいな。
 そして、一口食べたら玉蜀黍は話さなくなった。



 用意されていた料理を一通り食べ満足し、ほろ酔い気分でガルムに抱きついた。
 はたから見ると、うつ伏せでガルムに埋もれているように見えるかもしれないが、俺としては抱きついている。
 視界の隅で一升瓶が4本転がっている。
 勿論、俺一人で飲んだわけではない。

「あ~アルコール回ると、甘い物食べたくなるよな。アイスとかプリンとか」
 俺の腹辺りでくつろいでいたがビクリと反応した。
<ぴぃぃ……>
 あぁこれは、通訳無くても判った。
『食べるの?』だ。
「プリンの事じゃないからなぁ。世の中には卵と牛乳と砂糖で作るプリンという食べ物があってだな……」
「プリン食べたいな!」
 お~い、ユズコ。
 うちのプリンが怯えてるから、ちょっとお口にチャックしようか。



________________
まぁ、そうなりますよね、プリンw
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