355 / 506
タマゴはタマゴ 夢見るタマゴ 頑張るタマゴ
第355話:可愛い✕可愛い=新事実!?
しおりを挟むはぁ、うちの子可愛い。
最強従魔でも、戦闘狂でも、お馬鹿でも、顔が怖くても、うちの子は可愛い。
あ、ガルムは『格好良い』だけどね!
従魔を見ながら、クラーケンの炙り焼きを囓り、日本酒を飲む。至福。
そうだ。テールシチューも食べなきゃ。
「ニマニマご満悦のところをゴメンだけど、ミニトマトって今日ある?」
後ろから声を掛けられた。振り返ればミロがいる。
「あるけど」
とりあえず10個程をインベントリから取り出そうと……。
「ゴメンねぇ。うちの子達が」
『甘イノ、美味シイ。好キ』
『美味シイ、食ベル、言ッタ』
『美味シイ、無イ。ミロ、嘘ツキ』
ミロの言葉に被せるように、鳥兜達がピイチクパアチク言う。
管狐達は、俺の前に列を成した。
御狐様まで、管狐の後ろに並んでいるし。
風呂敷に50個程のミニトマトを取り出して、ミロに渡した。
「足りなかったから、まだあるからな」
あ、そうだ。
「鳥兜達、りんごのホットケーキもいるか?」
『イル!好キ!』
隊長が代表して返事をしてくれた。
羽根をパタパタして、テンション高い。
あぁ、やっぱり鳥兜可愛いなぁ。
服をクイクイッと引かれて視線を向ければ、管狐が首を傾げていた。
「ちょ!何してんの!恥ずかしいからやめてー!1号ー!!」
慌てたミロが、俺の服を引いていた管狐を抱き上げる。
1号って言うのか。
1号が排除されたら、その後ろの管狐が同じように服を引く。
「2号ー!!もう、マジ勘弁して!!」
ミロが1号で顔を隠しているが、ほぼ隠れていない。管狐、細いからな。
俺の方に向けられて、ブラーンとしている1号。
え?何?みたいに目をまん丸にして、腹丸出しでキョロキョロしている。
可愛い姿に免じて、りんご入りホットケーキはホールで2個にしてやろう。
大丈夫だ、御狐様。心配しなくても君の分もあるぞ。
<妾も欲しいのじゃ>
いつの間にか側に来ていたユキがホットケーキを所望する。
一緒にスピネルも居る。
<ネルも欲しいにゃ>
ん?ネル?
「スピネルは自分の事を『ネル』って言うのか?」
<そうにゃ。おかしいかにゃ?>
「いや、おかしくないぞ。これからは『ネル』と呼ぶか?」
自分で呼んでいるのだから、その方が好きなのかと聞いてみる。
<うん!ネルと呼んで欲しいにゃ>
スピネル改め、ネルの頭を撫でる。
どうやら、まだ色々遠慮しているようだな。
<ネルはしをらしいのう>
ほほほ、とユキが笑う。
しおらしい?とは?
「『しをらしい』は、控えめでいじらしいとかの意味ですね」
レイが教えてくれた。
てか、いつの間に横に居た?レイよ。
「ネル。遠慮しないで良いからな。他に欲しいとか、やりたいとか、ちゃんと言えよ。全部叶えてはやれないが、出来る限り希望は聞くぞ」
頭から頬を撫で、顎を撫で、両手で全身を撫でる。
犬系とは違う、しっとりとした手触りの毛としなやかな体。
『猫は液体』とよくネットで書いてあるが、納得してしまった。
<主殿、気を付けねばならぬのじゃ。ネルは女子なのでのう>
思わず動きが固まった。
え?おなごって、女の子って意味だったよな?
新事実判明!!
どおりでユキと一緒にいる事が多いと思ったよ!
応援ありがとうございます!
125
お気に入りに追加
1,000
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる