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仲村 嘉高

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タマゴはタマゴ 夢見るタマゴ 頑張るタマゴ

第349話:良い考え……か?

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 ポンポンポン、ポンポン。
<きゅきゅぅきゅ!>
 ヨミがテディベアリュックをポンポンと前足で叩きながら、何かを説明している。多分。
<きゅ!>
 最後に良いでしょ!みたいに胸を張ったのは判った。

<確かにそれは良い考えだね>
 リルがヨミに同意を示すが、その内容を理解しているのは当人?当獣?達だけだ。
「えぇと、リルさんや。ヨミちゃんは何を言っていたのかな?」
 ストレートに聞いてみた。

<ヨミはね、フレースヴェルグなら皆を乗せて飛べるでしょ?早く孵化させよう!と言っていたのだよ>
 あの短い言葉の中に、それほど大量の情報が!?
 あ、前にも思ったな、コレ。

「簡単に言うけど、テラを孵化させるのにも凄い量の魔素だか魔力だかが必要だったのだぞ。フレースヴェルグの卵にどれくらい必要になるか……」
 テラの時は、俺の知らない間にガルムがくれていたのだったな。
 最後は悪友達も協力してくれたのだっけ。
 現実時間リアルタイムではそれほど前の事ではないのだが、凄く昔の事のように感じる。
 時間が8倍の速さで流れているからだろうな。

あるじよ。此処ここにはとてもい魔力が溢れておるではないか>
 ガルムが言う。
 今まで会話に参加していなかったのになぜ?と、ガルムの顔を見ると、視線は周りで飲み食いしている友人知人達で……。
 え?皆の魔力を混ぜるって事?
 えぇ?大丈夫?
 全員が全員、とてもクセが強いのだけど!?


「え?楽しそう~」
 ガルムの言葉を聞いて、1番最初に反応したのはオーベだ。
 あれだけ卵に迷惑を掛けられているのに凄いな。
 多分、1番の被害者だぞ、お前。
「あんま役に立てないけど、今回は参加するぞ!」
 サムズアップしながら良い笑顔なのは、獣人白虎なユズコ。魔力少ないからな、獣人。

「別に良いぞ」
「僕も協力しますよ、ヴィンの為ですから」
 当たり前のように言ってくれるのは嬉しいが双子よ、せめてこちらを向け。モフモフ達の餌付けの手を止めろ。
 あ、レイだけはこっち向いて笑ったな。
 あ、もうシズカに何かを強請ねだられてそっちを向いてる。
 二人共、そのだらしなく緩んだ顔は、ファンが減らないか?
 あぁ減った方が良いのか。

「いくらでも好きなだけ吸って良いわよ」
 言い方!!
 シナを作るな、シナを!
 俺に抱きついてメロンを押し付けてくるな!
 俺が魔力を吸うわけじゃないぞ!咲樹!
「ぶふぅ」
 ガルムの前足が咲樹の顔面を直撃。
 た、助かった。
 ちょっと肉球良いな、と思った事はナイショだ。


 他の人への説明は、興味を持って寄って来た人にだけすれば良いだろう、というオーベの意見が採用された。
 好奇心旺盛なミロやココアや、従魔大好きな爺さんタカアシガニ斗苫斗的ととまとまと、綺羅辺りはすぐに飛んで来そうだよな。

「とりあえず俺からで良いか」
 テディベアリュックからフレースヴェルグの卵プリンを取り出しながら言うと、横から奪われた。
「ヴィンは最後でしょう?」
 レイだ。餌付けは一段落したのか?
「はい、オーベ」
 そのまま卵をオーベに渡す。
「え?俺から!?」
 渡されたオーベは苦い顔。
「1番最初って、卵の方も加減解ってないから一気に吸われるのに~」
 それでも拒否はしないのだな。

 テラの時も1番だったオーベ。
 当たり前だがピリリにも魔力吸われてるし、慣れている上に魔力量も多いから安心、なのか?


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