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タマゴはタマゴ 夢見るタマゴ 頑張るタマゴ

第348話:凄い!良いね!!

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「ふおぉぉぉ!」
 バーベキューとは思えない料理が目の前に並んでいる。
 里芋と蛸の煮物、大根と蛸の煮物、蛸の唐揚げ、蛸の天ぷら、蛸とワカメとキュウリの酢の物。
 蛸とショウガの炊き込みご飯。
 蛸のアヒージョ、アクアパッツァ、蛸のガーリックバター焼き、サラダ、蛸のマリネ。
 蛸のペペロンチーノ。
 マリネと酢の物は違うのだろうか?

 和食は燕と三条、洋風はシアラだ。
 鉄板でチヂミを焼いているのは山茶花だな。
 ちゃんと調理をしているって事は、スキル[料理]を持っているのか。
 一緒に焼きそば?も焼いている。
 スイカが邪魔そ……何でもないデス。
 普通に網で蛸を焼いてるのは、オーベだな。
 隣の網で大量の肉を焼いているのは、ユズコと咲樹。肉食め、野菜も食えよ。

「焼き物係は、ひと段落したら一旦集合!乾杯するぞ」
 焼けた色々が載った大皿2枚を持ったジルドが、叫びながらこちらに歩いて来た。
「これは離れても良いのかのう?」
「噴き出さないように見ているだけだから、多少なら大丈夫……ですかね」
 爺さんとリイドが大鍋の前で困っている。
 どうやらシアラに火の番を頼まれたのだろう。
 本人はさっさとこちらに来ている。
 リコンスが「大丈夫だって!」と伝言しに走って行った。

『どこに行く小僧!』『焼いてから行け!』『鮮度はドンドン落ちるんだぞ』『野菜を美味しく食べるには、時間との戦いだ!』

 あぁ、綺羅が次を焼かないでこちらに来たら、生の魔物玉蜀黍とうもろこしから非難轟々だ。
「黙れ。刻まれたいのか?」
 立ち上がったレイが玉蜀黍に殺気を飛ばしている。
 あ、静かになった。
 フンッと息を吐き出して、レイが静かに座る。
 俺と目が合うと、無言で微笑まれた。


「は~い、皆グラス持った~?」
 オーベの声に、皆が自分のグラスを目の前に上げる。
 スマン。俺とリコンスは乾杯に不向きな冷酒グラスだ。
 蛸刺しが来た時点で日本酒に切り替えてしまった。
 駄目な大人で申し訳ない。

「それでは~、クラーケンとリッチブルにカンパ~イ!」
「乾杯!」
「かんぱぁい!」
 それぞれが近くの人とグラスを合わせる。
 俺は、レイとリコンスと斗苫斗的だな。
 飲もうとしたら、わざわざ咲樹とジルドが寄って来た。
 グラスを合わせる。
「げ!もう日本酒飲んでんのか」
 ジルドに呆れた顔をされてしまった。

 さて飲もう。と、したら、今度はユズコとオーベだ。
 二人ともソフトドリンクなのだろう。飲み物にはストローが刺さっている。
「はい、お疲れお疲れ~」
 オーベはレモンスカッシュかな。
「次の時は狩りから呼んでくれな!」
 ユズコはウーロン茶だろう。
<それは良いね~。次は呼んで欲しいな~>
 オーベの肩のピリリがユズコに同調する。
 次は無いけどな!

<次は烏賊のクラーケンなんだぜ!>
 ちょっ!そんな約束してないぞ?ムンド!
 俺が返事をする前に、勝手にムンドが話を進めている。
<我も行きたいのだが、いかんせん海の上ではなぁ>
 超小狼姿のリルまで話に入ってきた。
 今さっきまで焼きクラーケンを夢中で食べてたはずなのに!

<きゅ!>
 ジルドに餌付けされていたはずのヨミが俺の前に来て、テディベアリュックを前足でポフポフとした。


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