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第346話:BBQを始め……ですよね!知ってた

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 凄い団結力を見せた悪友達のファンは、クラーケンを手にそれぞれに散って行った。
 一部遠巻きに見ているグループと、バーベキュー準備をしているグループが居るが、迷惑になる距離ではないのでセーフだ。
 バーベキューグループは、多分ファンではなく、食材クラーケンに釣られて来た人達だろう。
 調理台を設置して、俺には使用方法もわからない道具や材料を出している。


「ねえ!もうクラーケン焼き始めて良いかな?」
 遠くで調理準備をしているのを眺めていたら、はれひめに声を掛けられた。
 え?はれひめ?いつの間に?
 綺羅に呼ばれて来たらしい。
 横には、山盛りの野菜。ついでに魔物野菜。

『クラーケンか』『クラーケンには烏賊と蛸がいるぞ』『ここにはいないがエビやクラゲやヒトデの姿もあるぞ』『ダイオウイカはしょっぱくて食えたもんじゃ無いがクラーケンは美味いぞ』『醤油をつけて焼くのがオススメだ』『蛸タイプのクラーケンで作ったタコ焼きは絶品だ』

 うん。久しぶりだな、魔物玉蜀黍とうもろこし
 そうか幻想世界ファンタジーワールドには、烏賊タイプのクラーケンも居るのか。
 要らない情報をありがとう。
 お陰でテラとムンドの目がキラキラですよ。
 食べたくてキラキラしているのなら可愛いけど、倒したくてキラキラしているのだろうな。


 バーベキューになると、途端にやる事のなくなる俺。
 なぜなら、焼き場の高さなどが俺には高すぎるからだ。
 危険だからと何もさせてもらえない。
 燕と三条を手伝おうとしたが、煮物に使うのは魔物里芋なので皮剥きは要らないし、今まで作った事のある料理ばかりなので、下準備まではスキルでできてしまうとの事だった。
 シアラは、料理は独りでやりたいタイプなのだとリイドに止められた。

「レンチンチーズでも出すか」
「お、良いね!」
「うわっ!パリパリで美味しいですね」
「これはビールだよな」
「サッパリ系のサワーでも良いね!」
「オシャレに白ワインって手もありますよ」

 背の届かないチビッ子三人は、見事に追い出されました。
 ハーフリングの俺と斗苫斗的と、獣人リス13歳のリコンスだ。
 三人で先に酒盛りが始まってます。
 一応遠慮して、ツマミはレンジでチンしたスライスチーズとリコンスが持っていたお漬物。
 斗苫斗的は、いつまでも中身が冷えたままのコップを提供してくれた。
 しかも外側が冷たくならないすぐれものだ。


 俺はいつも通りガルムに寄り掛かり、斗苫斗的とリコンスはムンドに寄り掛かっている。
 リルが<我をソファにするかい?>と聞いていたが、二人とも首をブンブンと横に振っていた。フワフワで気持ち良いのに。
 因みにテディベアリュックフレースヴェルグの卵プリン入りは、俺の足の間に置かれている。

 あ!魔物玉蜀黍に卵の事を色々聞きたかったのだった!
 あぁ、遅かったか。全部網の上に並べられていた。
 綺羅が『早く醤油を塗れ!』『焦げる!ひっくり返せ!』と玉蜀黍に叱られながら焼いている。
 さぞかし美味しい焼き玉蜀黍になる事だろう。


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