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第345話:凄く便利だね
しおりを挟む生産者が沢山居ると、凄く便利だと実感した。
煉瓦と網を使って、いや、作って、あっという間に焼き場が出来た。
炭代わりの火の魔石は、ミロとココアが寄付してくれた。
「クズ石だから、売っても大した金額にならないのよ」
ココアはそう言っていたがミロ以外は皆、首を横に振っていた。
攻略組と一般の『大した金額にならない魔石』の基準が違うらしい。
俺?俺は、魔石は全て従魔のオヤツだからな。
悪友達を確認すると、チラチラとこちらを気にしていた。
すまん。
俺がクラーケン配布出来ないかと提案したのに、全て丸投げになった。
でも俺も配ろうとしたのに、止めたのはレイだからな?
いや、でも、人の所為にしては駄目だよな。
やっぱり俺も配ろう。
「ちょっとクラーケンの所に行ってくる」
せっせとバーベキュー?準備をしてる皆に声を掛ける。
「え?何で?ここで大人しく待ってた方が良いっしょ」
ミロが止めてくる。
「でも、全部押し付けるのも悪い気がするし、どっちにしても全部は配りきれないから仕舞わないといけないからな」
クラーケンが山と積まれているから、貰いに来る人が減らないのかもしれないし。
クラーケンに向かって歩いていたら、ヨミとテラがついて来た。
ガルムだと目立つから、気を遣って一緒に来ないのかな?
それにしても、大して離れていない距離なのだが、妙に気を使う。
緊張すると言うか、注目度が凄い。
え?これ、俺がクラーケンをインベントリに仕舞ったら、横取りしてるとか思われないよな?
「ヴィン?どうした?クラーケン取りに来たのか?」
1番手前に居たユズコが、俺に気付いて声を掛けてくる。
どうでも良い情報だけど、ユズコの列は男率高いな。
勿論、咲樹とは比べものにならないが。
「取りにと言うか、仕舞いに来た」
半分は減ったと思うし、もう良いかな。
クラーケン配りで悪友達の貴重な時間を消費するのも申し訳ない。
今更だけどな。
【cinq(サンク)】の人気、舐めてた。
「そうだね~。さすがにキリないし、今並んでる人までにしちゃうか~」
俺とユズコの会話を聞いて、オーベが横から賛同してくる。
意外と離れてる気がしたけど、そうでもないのか?
いや、俺とユズコは普通の声での会話だけど、オーベは明らかに叫んでいる。
恐るべし、オーベの地獄耳。
エルフだからか?
「さてどうしようかな~。咲樹に結界でも張らせるか~?斗苫斗的あたりに『ここまで』って書いたプラカードでも作らせるか~」
あれ?斗苫斗的の扱いが若干残念だけど、なぜ?
まぁ、斗苫斗的は咲樹推しだから、咲樹が笑顔でお願いすれば、二つ返事でOKするだろうけど。
「はーい!注目!!クラーケンの配布は、今並んでる人まででーす!」
「今1番後ろの人は手を上げて!はい!その人は、係の人が行くまで手を上げててね!」
係の人?
【cinq(サンク)】のファンの一部が急に叫び出した。
思わず見ていたら、列整理していた人達が、今度は1番後ろの人の所へ移動した。
あ、新たに並ぼうとした人を断っている。
【cinq(サンク)】のファン、マジ凄ぇ。
これには、さすがのオーベも驚いていた。
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