ほんわりゲームしてます I

仲村 嘉高

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タマゴはタマゴ 夢見るタマゴ 頑張るタマゴ

第344話:久しぶりと初めまして2w

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 海辺のはずなのに、街中のような人口密度だ。
 悪友達のお陰でクラーケンも半分近くまで減って……ないな。いいとこ3分の1が減ったくらいか。
 それでも、クラーケンの大きさを考えたら凄いよな。
 ありがとう、【cinq(サンク)】。
 クラーケン貰ったのに帰ろうとしない人達は、ぜひ追い払ってください。
 遠まきに見られていると落ち着きません。


 俺は、クラーケンを配る悪友達から少し離れた所にいる。
 最初は近くにいたのだが、うっかり俺の前に人が並びそうになったので、悪友達に離れて休んでいるように言われたのだ。
【cinq(サンク)】のファンじゃなく、純粋にクラーケンが欲しい人もいるだろうから、俺も配るつもりだったのだけどな。
 そして、離れて見ていたら、友人知人が来たわけだ。

 生産者組の綺羅、爺さん、斗苫斗的。
 攻略組のココアとミロと召喚獣の御狐様。
 あれ?管狐と鳥兜が増えてる。
 リコンスとリイドの兄弟と、妻のシアラ。
 …………濃いなぁ。



「クラーケン配ってるってのは、ここだよな」
 ん?聞き覚えのある声がした。
「クラーケンは素材にもなるのかな」
「いや、そこは素直に食べようよ」
「煮物にしよう」
「大根か里芋と煮よう」
【cinq(サンク)】の列には目もくれず、こちらに歩いて来る集団。
 工房の皆か!

「ヴィ~ン!クラーケン貰いに来たよ~」
 まだ少し距離があるのに両手をブンブン振りながら声を掛けてきたのは、多分長兄の目黒。
 オッサン大宮さんに拳骨されて、しゃがみ込んだな。合掌。
 そういえば燕と三条もスキル[料理]持ってたな!
 しかも煮物が得意だった。

「クラーケンちょうだい!」
 いや、その前に挨拶とかは?まぁ良いけど。
 あ、俺は良くてもオッサン的にアウトだったようです。
 くだんの台詞を言った名取が拳骨されました。
 オッサンの拳骨は、本当に痛そうな音がする。
「名取さん、『親しき仲にも礼儀あり』ですわよ」
 フェロモン垂れ流しの女性が名取の後ろから出て来た。

「初めまして。山茶花さざんかと申します」
 深々と頭を下げられるが、申し訳ない。俺の視線はスイカに釘付けだ。
 視覚の暴力だな、コレ。
 よく漫画やゲームで体が細いのにちちだけデカイ女性がいるけど、実際に目の前に居られると圧倒されて色んな欲が飛ぶな。
 ギネスに載ってる爆乳を想像して欲しい。
 好奇心で触ってみたいけど、それだけだよな。

 ひとつだけハッキリした事がある。
 俺はスイカよりメロンの方が好みのようだ。
 バランス大事。


 あ、レイがこっちを見てコッソリ黙礼したな。
 オッサンがそれに礼を返している。
 もしかしてレイが呼んだのか?
 うちの子達用の公園とか、ここの工房に色々発注しているのはレイだ。
 おそらく材料提供もレイだ。

 ん?レイが焦った顔してるな。
 う・し・ろ?
 後ろがどうかしたのか?
 振り返って固まった。
 なぜキッチンが設置されている?
 これは、前に見た『持ち運び出来る特性キッチン』だよな。

 え?気が早くないか?
 クラーケン配布列はまだ続いているのに、多少離れてるとはいえその横で調理始めちゃうわけ?
 シアラまで参戦しちゃうの?旦那さんリイドがあんぐり口開けてますけど?
 わにだから、凄い事になってる。
 子供が見たら泣き出しそうだな。


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