344 / 506
タマゴはタマゴ 夢見るタマゴ 頑張るタマゴ
第344話:久しぶりと初めまして2w
しおりを挟む海辺のはずなのに、街中のような人口密度だ。
悪友達のお陰でクラーケンも半分近くまで減って……ないな。いいとこ3分の1が減ったくらいか。
それでも、クラーケンの大きさを考えたら凄いよな。
ありがとう、【cinq(サンク)】。
クラーケン貰ったのに帰ろうとしない人達は、ぜひ追い払ってください。
遠まきに見られていると落ち着きません。
俺は、クラーケンを配る悪友達から少し離れた所にいる。
最初は近くにいたのだが、うっかり俺の前に人が並びそうになったので、悪友達に離れて休んでいるように言われたのだ。
【cinq(サンク)】のファンじゃなく、純粋にクラーケンが欲しい人もいるだろうから、俺も配るつもりだったのだけどな。
そして、離れて見ていたら、友人知人が来たわけだ。
生産者組の綺羅、爺さん、斗苫斗的。
攻略組のココアとミロと召喚獣の御狐様。
あれ?管狐と鳥兜が増えてる。
リコンスとリイドの兄弟と、妻のシアラ。
…………濃いなぁ。
「クラーケン配ってるってのは、ここだよな」
ん?聞き覚えのある声がした。
「クラーケンは素材にもなるのかな」
「いや、そこは素直に食べようよ」
「煮物にしよう」
「大根か里芋と煮よう」
【cinq(サンク)】の列には目もくれず、こちらに歩いて来る集団。
工房の皆か!
「ヴィ~ン!クラーケン貰いに来たよ~」
まだ少し距離があるのに両手をブンブン振りながら声を掛けてきたのは、多分長兄の目黒。
オッサンに拳骨されて、しゃがみ込んだな。合掌。
そういえば燕と三条もスキル[料理]持ってたな!
しかも煮物が得意だった。
「クラーケンちょうだい!」
いや、その前に挨拶とかは?まぁ良いけど。
あ、俺は良くてもオッサン的にアウトだったようです。
件の台詞を言った名取が拳骨されました。
オッサンの拳骨は、本当に痛そうな音がする。
「名取さん、『親しき仲にも礼儀あり』ですわよ」
フェロモン垂れ流しの女性が名取の後ろから出て来た。
「初めまして。山茶花と申します」
深々と頭を下げられるが、申し訳ない。俺の視線はスイカに釘付けだ。
視覚の暴力だな、コレ。
よく漫画やゲームで体が細いのに乳だけデカイ女性がいるけど、実際に目の前に居られると圧倒されて色んな欲が飛ぶな。
ギネスに載ってる爆乳を想像して欲しい。
好奇心で触ってみたいけど、それだけだよな。
ひとつだけハッキリした事がある。
俺はスイカよりメロンの方が好みのようだ。
バランス大事。
あ、レイがこっちを見てコッソリ黙礼したな。
オッサンがそれに礼を返している。
もしかしてレイが呼んだのか?
うちの子達用の公園とか、ここの工房に色々発注しているのはレイだ。
おそらく材料提供もレイだ。
ん?レイが焦った顔してるな。
う・し・ろ?
後ろがどうかしたのか?
振り返って固まった。
なぜキッチンが設置されている?
これは、前に見た『持ち運び出来る特性キッチン』だよな。
え?気が早くないか?
クラーケン配布列はまだ続いているのに、多少離れてるとはいえその横で調理始めちゃうわけ?
シアラまで参戦しちゃうの?旦那さんがあんぐり口開けてますけど?
鰐だから、凄い事になってる。
子供が見たら泣き出しそうだな。
234
お気に入りに追加
1,456
あなたにおすすめの小説

他国から来た王妃ですが、冷遇? 私にとっては厚遇すぎます!
七辻ゆゆ
ファンタジー
人質同然でやってきたというのに、出されるご飯は母国より美味しいし、嫌味な上司もいないから掃除洗濯毎日楽しいのですが!?

普段は地味子。でも本当は凄腕の聖女さん〜地味だから、という理由で聖女ギルドを追い出されてしまいました。私がいなくても大丈夫でしょうか?〜
神伊 咲児
ファンタジー
主人公、イルエマ・ジミィーナは16歳。
聖女ギルド【女神の光輝】に属している聖女だった。
イルエマは眼鏡をかけており、黒髪の冴えない見た目。
いわゆる地味子だ。
彼女の能力も地味だった。
使える魔法といえば、聖女なら誰でも使えるものばかり。回復と素材進化と解呪魔法の3つだけ。
唯一のユニークスキルは、ペンが無くても文字を書ける光魔字。
そんな能力も地味な彼女は、ギルド内では裏方作業の雑務をしていた。
ある日、ギルドマスターのキアーラより、地味だからという理由で解雇される。
しかし、彼女は目立たない実力者だった。
素材進化の魔法は独自で改良してパワーアップしており、通常の3倍の威力。
司祭でも見落とすような小さな呪いも見つけてしまう鋭い感覚。
難しい相談でも難なくこなす知識と教養。
全てにおいてハイクオリティ。最強の聖女だったのだ。
彼女は新しいギルドに参加して順風満帆。
彼女をクビにした聖女ギルドは落ちぶれていく。
地味な聖女が大活躍! 痛快ファンタジーストーリー。
全部で5万字。
カクヨムにも投稿しておりますが、アルファポリス用にタイトルも含めて改稿いたしました。
HOTランキング女性向け1位。
日間ファンタジーランキング1位。
日間完結ランキング1位。
応援してくれた、みなさんのおかげです。
ありがとうございます。とても嬉しいです!
勇者パーティを追放された聖女ですが、やっと解放されてむしろ感謝します。なのにパーティの人たちが続々と私に助けを求めてくる件。
八木愛里
ファンタジー
聖女のロザリーは戦闘中でも回復魔法が使用できるが、勇者が見目麗しいソニアを新しい聖女として迎え入れた。ソニアからの入れ知恵で、勇者パーティから『役立たず』と侮辱されて、ついに追放されてしまう。
パーティの人間関係に疲れたロザリーは、ソロ冒険者になることを決意。
攻撃魔法の魔道具を求めて魔道具屋に行ったら、店主から才能を認められる。
ロザリーの実力を知らず愚かにも追放した勇者一行は、これまで攻略できたはずの中級のダンジョンでさえ失敗を繰り返し、仲間割れし破滅へ向かっていく。
一方ロザリーは上級の魔物討伐に成功したり、大魔法使いさまと協力して王女を襲ってきた魔獣を倒したり、国の英雄と呼ばれる存在になっていく。
これは真の実力者であるロザリーが、ソロ冒険者としての地位を確立していきながら、残念ながら追いかけてきた魔法使いや女剣士を「虫が良すぎるわ!」と追っ払い、入り浸っている魔道具屋の店主が実は憧れの大魔法使いさまだが、どうしても本人が気づかない話。
※11話以降から勇者パーティの没落シーンがあります。
※40話に鬱展開あり。苦手な方は読み飛ばし推奨します。
※表紙はAIイラストを使用。

侯爵家の愛されない娘でしたが、前世の記憶を思い出したらお父様がバリ好みのイケメン過ぎて毎日が楽しくなりました
下菊みこと
ファンタジー
前世の記憶を思い出したらなにもかも上手くいったお話。
ご都合主義のSS。
お父様、キャラチェンジが激しくないですか。
小説家になろう様でも投稿しています。
突然ですが長編化します!ごめんなさい!ぜひ見てください!
あなたは異世界に行ったら何をします?~良いことしてポイント稼いで気ままに生きていこう~
深楽朱夜
ファンタジー
13人の神がいる異世界《アタラクシア》にこの世界を治癒する為の魔術、異界人召喚によって呼ばれた主人公
じゃ、この世界を治せばいいの?そうじゃない、この魔法そのものが治療なので後は好きに生きていって下さい
…この世界でも生きていける術は用意している
責任はとります、《アタラクシア》に来てくれてありがとう
という訳で異世界暮らし始めちゃいます?
※誤字 脱字 矛盾 作者承知の上です 寛容な心で読んで頂けると幸いです
※表紙イラストはAIイラスト自動作成で作っています

異世界でのんびり暮らしてみることにしました
松石 愛弓
ファンタジー
アラサーの社畜OL 湊 瑠香(みなと るか)は、過労で倒れている時に、露店で買った怪しげな花に導かれ異世界に。忙しく辛かった過去を忘れ、異世界でのんびり楽しく暮らしてみることに。優しい人々や可愛い生物との出会い、不思議な植物、コメディ風に突っ込んだり突っ込まれたり。徐々にコメディ路線になっていく予定です。お話の展開など納得のいかないところがあるかもしれませんが、書くことが未熟者の作者ゆえ見逃していただけると助かります。他サイトにも投稿しています。

石女を理由に離縁されましたが、実家に出戻って幸せになりました
お好み焼き
恋愛
ゼネラル侯爵家に嫁いで三年、私は子が出来ないことを理由に冷遇されていて、とうとう離縁されてしまいました。なのにその後、ゼネラル家に嫁として戻って来いと手紙と書類が届きました。息子は種無しだったと、だから石女として私に叩き付けた離縁状は無効だと。
その他にも色々ありましたが、今となっては心は落ち着いています。私には優しい弟がいて、頼れるお祖父様がいて、可愛い妹もいるのですから。

強制力がなくなった世界に残されたものは
りりん
ファンタジー
一人の令嬢が処刑によってこの世を去った
令嬢を虐げていた者達、処刑に狂喜乱舞した者達、そして最愛の娘であったはずの令嬢を冷たく切り捨てた家族達
世界の強制力が解けたその瞬間、その世界はどうなるのか
その世界を狂わせたものは
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる