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タマゴはタマゴ 夢見るタマゴ 頑張るタマゴ

第340話:海は色々予想外

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 う・み!
 南の島の海!
 テレビでしか見た事のない青い空白い雲、どこまでも透き通る海!
 『しょきしま』の海を御宿だとすると、ここは南国だ。
 もう、国から違う。
 本来はここで「沖縄の海!」とか言うべきなのだろうが、実は現実リアルで一度だけ行った沖縄は、雨で海も荒れて青い空も青い海も見ていない。
 その海の印象が強過ぎて、テレビで綺麗な海を見ても「あれ?」となるのだ。
 目的がライブ参戦だったから、別に雨でも大丈夫だったのだが、翌日の観光が室内ばかりだったな。

<海だ~~!>
<きゅ!>
 兎二匹を筆頭に、皆が海へ突進して行く。
 兎、大丈夫なの!?と思ったが魔獣モンスターでした。
 残っているのは、執事のガルム。
 あれ?ガルムの陰に居るのはスピネル?

「一緒に遊ばないのか?」
 まだムンドが怖いのかな?
<海に入りたくないのにゃ>
 猫!なぜ変なところで猫を主張する!?
「ガルムは?」
あるじが行くなら、一緒に行くが?>
 行きません。
 無言でガルムに抱きついておいた。


 俺の座る場所を完璧な快適空間に整えてから、レイも海へと走って行った。
 ジルドは従魔とほぼ同じタイミングで、既に海で遊んでいる。
 綺羅に作って貰った水着着用中なのだが、スタイル良いと何を着ても格好良いのだと実感。
 ジルドのは、太腿の半ば位の長さで黒に白のボタニカル柄。
 レイのは膝上までの長いタイプで、紺に水色や青で絞り染めみたいな柄が入っている。
 2つとも俺の思っていた水着より、細身でダボッとしていない。

 俺のは、なぜか全身水着だった。
 五分袖膝上半ズボンフード付き。
 これって、幼児用のデザインだよな?
 人間の幼児ではなく、27歳ハーフリングなのだが?
 その為、体型はキューピーではない。
 幼児の全身水着は、あのポテッとしたお腹とムチムチの手足があってこそだと思うのだが……

<主~!クラーケン獲って来て良い~?>
 テラがとんでもない許可を取りにやって来た。
 いやいやいや、良いわけないよね?
「この辺には居ないよな?危ないから駄目だ」
 仮に、仮にだぞ?もしクラーケンがいて、倒せたとして、その後はどうするつもりだ?
 ドロップ品がクラーケンの身だったら、テラじゃ運べないだろう。

<おれも一緒に行く!>
 思わぬ伏兵が居たよ……。確かにテラだけでは許可出来ないけど、二匹なら反対する理由が無い。
 空も飛べるし、移送力も高いよな、ムンド。
 その前に、クラーケンが『むつきしま』の海域に居るとは思えないし、まぁ良いか。
 ムンドも遠洋なら思いっきり大きくなれるだろうし、ストレス発散出来るだろう。

「毒は禁止だぞ。それから、無茶はしない事。遠くへ行き過ぎない事」
<わかった~!行ってくる~>
<行ってくるぜ!お土産期待してろよな!>
 楽しそうに二匹で飛んで行くのを、親の気持ちで見送った。
「気を付けてな!」
 二匹が振り返って、手と尻尾を振っている。

 この事を、俺は後でとても後悔する事になる。
 確かに、俺が想像していたクラーケンはいなかった。
 そう。烏賊イカは居なかった。
 まさか大蛸おおだこが居るとは思わないだろう?



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予想外が多いな、ヴィン(笑)と思ったのは、私だけではないハズ(≧▽≦)
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