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タマゴはタマゴ 夢見るタマゴ 頑張るタマゴ
第332話:久しぶりだね
しおりを挟む<よくわかんないけど、何だったにゃ?>
ブーツ を履いているのに、四つ足で歩く違和感!それはともかく、スピネルが可愛い顔で俺を見上げてくる。
ウサギとも犬とも違うフォルムが可愛いな。
「この辺では従魔が珍しいから、色々検証していたようだな」
テイマーを目指していたのは本当のようだし、悪質な冒険者では無かった。
他人様の従魔を勝手に囲っちゃ駄目だけどな!
さてと、当初の目的であるクラン証の発行の為に『しきしま』に帰るか。
「何でそんなに従魔が増えてるのよさ!」
んん?この独特の口調は?
振り返ると、予想通りの赤毛のドワーフの少女……ではなく、女性。いや、見た目10歳だから少女で良いか。
「そっちこそなぜ『むつきしま』に?『しきしま』に居たよな?」
「今日だけの出張なのよさ!」
おぉ!丁度良いな!
「新しい従魔のクラン証を頼みたいのだが、大丈夫か?」
「データは登録されてるから、どこの支店でも大丈夫なのよさ!」
ウインク付きでサムズアップされた。
友好的なのか、敵認定されてるのか、どっちなのかね。
いや、そもそもの敵認定が意味不明なのだがな!
敵?好敵手?どっちでも良いか。
「ギルドカードを確認します。従魔スピネルで間違いないですね?」
相変わらずの仕事モードと普段のギャップが激し過ぎて戸惑う。
俺が頷いたのを確認し、クラン証をスピネルの額に触れさせてから渡してきた。
ギルドカードを見た時に「増えすぎじゃね」と呟いていたのは、聞こえないフリをした。
「ケット・シーなんて初めて見たのよさ」
ドワーフ少女がスピネルの前にしゃがみ込んでいる。仕事モードは終わったようだ。
<何にゃ!何か文句あるかにゃ!>
スピネルはちょっと警戒しているな。
もしや、人間不信にでも陥っているのだろうか?
あ、いや、納得。
ちょっと警戒心が煽られる表情をしております、ドワーフ少女。
<主!レイにオパール巻いて貰ったよ!怖っ!!>
シズカが俺の方へ跳んで来て、少女を見て一歩下がった。
人間の表情って、緩み過ぎても駄目なのだと初めて知った。
<主、此奴は大丈夫なのか?>
ガルムまで心配して寄って来たよ。
「多分、相当な猫好きなだけだと思うから大丈夫だろう。多分」
あ、多分って2回言っちゃった。
この後すぐに、ドワーフ少女は同僚に回収されていった。
彼女がここへ出張に来た理由でもある、大手クラン立ち上げによるクラン証大量発行業務があるそうだ。
因みに発行数は200は軽く越えているのだとか。
俺の勝手な想像だけど、クランって徐々に人数が増えるものだと思っていたよ。
風呂敷で巻いた八咫烏の卵を首に巻いているシズカ。
邪魔じゃないか聞いたら<平気!>と元気に答えてきた。
ユキも風呂敷を首に巻いている。卵は入っていないが。
テラが<良いな~>と羨ましがっていたが、大きさ的にテラは全身が包めてしまうぞ。
何せ風呂敷だからな。
因みににヨミも包めます。
テラとヨミを包んだ風呂敷を、ガルムとリルが咥えて歩く姿を想像して『有りかも』と思ったのはナイショです。
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