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どこかに話すモフモフがいるらしいよ!探そう!!

第322話:性格悪い?知ってる(再び)

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「ジルド、レイ。ガルム達の所へ戻って、今の状況の説明よろしく。あと、これもよろしく」
 フレースヴェルグの卵入りのテディベアリュックを渡す。
「持っていた方が相手になめられて良いんじゃないか?」
 ジルドに言われたが、俺の矜持きょうじの為に拒否しておいた。
 胸元にヨミが居るから今更かとも思うが、従魔とぬいぐるみではやはり違うよな。

 双子を追い払って、もう一度奴等を観察する。
 なぜ双子を追い払ったかというと、俺が出て行ったら間違いなく着いて来るからだ。
 いくら逆恨みする馬鹿でも、準攻略組の暗黒騎士や吸血鬼には喧嘩を売らないだろう。
 いや、掲示板で見た時には馬鹿だとは思わなかったのだが、八咫烏の口車に乗っているくらいだから馬鹿認定で良いよな!

「ユキ、シズカ、あの時の冒険者がいるのだが、どうやら俺達に用があるようだ。こちらに呼ぶぞ」
 念話を送る。マジでそろそろ口に出さなくても念話を送れるようにしないとな。
<わかった!>
<うむ。大丈夫なのじゃ>
 二匹から返事が来たので、声を出さないように注意してから小声で呼ぶ。
「ユキ、シズカ、召喚」
 俺の影から、周りを警戒しながら二匹がゆっくりと出て来た。



「こんにちは。こんな所で他の冒険者に会うとは思わなかったな」
 何も知らない風をよそおって、茂みから出て行く。
 あくまでも偶然通りかかった異界人プレイヤーが声を掛けたていだ。
 ヨミは胸元から出て俺の足元に居るが、戦闘バトルモードの姿ではなく、癒しキャラの子ウサギのままだ。
 俺達が出て来た音に気付き、八咫烏はどこかに隠れたようだな。

 向こうが俺に視線を向けたタイミングで、ユキとシズカが茂みから姿を現した。
 二匹を見た奴等の視線が鋭くなったが、すぐに笑顔を浮かべてきた。
「そちらの白狐と月兎は君がテイムを?」
 胡散うさんくさい笑顔なのに、本人は気付いていないのだろうか?
 大体、初めて会うのに俺を子供扱いしないという事は、どこからかを聞いている証拠だ。

「前に友人達と一緒にPvPした相手がテイムしてたのだが、解除されたから俺が引き取った」
 嘘は言っていない。かなり話を端折はしょったし、主語をえて言わないだけだ。
「解除されるほどダメなのか」
 馬鹿にした口調。
「そうだな、確かに駄目なヤツだ」
 テイマーだけどな。

「なぜ白狐の顔に悪戯描きしてんだ?」
 馬鹿にしたように笑うコイツは、稲荷神の眷属を知らないのか?
「強く見せたいからだろう」
「アルミラージに、他から解除された従魔だもんな!そりゃ虚勢も張りたいよな!」
 勝手に納得して、仲間内で馬鹿にしたようにゲラゲラ笑っている。
「そっちだってたかが『むつきしま』にいる冒険者だろ?」
 俺の台詞に、ピタリと笑いが止まる。
 乗ってこい!乗ってこい!!

「これは、世間の厳しさを教えてやらないとなぁ?」
「同盟組んだ相手が強かったのを、自分の実力と勘違いしたパターンだな」
対人戦闘PvPだ!同盟は認めんからな!」
 ヨシ!掛かった!

「同盟などいらん。降参は認めんからな。どちらかが全滅するまでだ」


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