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どこかに話すモフモフがいるらしいよ!探そう!!
第320話:オヤツと言うか、お食事?
しおりを挟む河原に茣蓙を敷いて、テーブルを出す。
レイが。
小石だけの河原なので、そのまま座っても良いと思うのだが「せっかくあるので使いましょう」と押し切られた。
テーブルがあるのなら、外で食べるには戸惑われる汁物でも出すか。
屋台で買った温かい蕎麦だ。
現実だと作っても誰も食べてくれないから、幻想世界で屋台を出しているそうだ。
お店に出せる味だ!と褒めたら、早期退職して蕎麦屋を始めるか迷っているらしい。
あまり勝手な事は言えないので、ここではまた買いに来ると言っておいた。
現実では、近くに住んでいるとか限らないからな。
「へぇ、鰹出汁が効いてて美味いな」
ジルドが蕎麦を食べて言う。
俺が買ったのは『かけ蕎麦』なのだが、海老天蕎麦やかき揚げ蕎麦、コロッケ蕎麦もあった。
本当はワカメやトロロも欲しいが『しきしま』では手に入らないらしい。
『むつきしま』ならワカメが手に入りそうだな。
長ネギが欲しいと言っていたが、それは高くて手が出ないらしい。
もしかして普通のネギではなく、魔物長葱とかなのかもな。
川で遊んでいたチビッ子達も呼ぶ。
食べたい物を聞くと、ホットケーキやポーンラビット、クラッカーチェリーと幅広い。
ヨミは無言でレイを見上げていた。
魔石かな?魔石が欲しいのかな?
あ、テラも寄って行って同じように見上げている。
あれは拒否出来ないだろうな。うん。
はぁ、お腹いっぱいだ。
オヤツと言うか、ガッツリ食事をしてしまった。
<遊んできて良い~?>
テラとヨミが俺をキラキラした目で見上げている。
二匹の様子に気が付いたリルとシズカも寄って来た。
四匹のキラキラ攻撃だ。
俺が勝てるわけがない。
「良いけど、気を付けろよ」
特にヨミ。
さっき流されそうになったのを知っているからな。
シズカも滑って溺れそうになったの見てたからな。
<は~い!>
<大丈夫!>
<きゅ!>
<平気だよ>
不安なのはなぜだろうか。
「すまん、ガルム。見守りを頼んでも良いか?」
<承知した>
川遊びには、やはり見守りをする保護者が必要だよな。
ガルムが居ないので、近くの木に寄り掛かって座る。
テディベアリュックは、俺の膝の上だ。
ここの河原は石が尖っていないから座り心地が良いな。
手近にあった石を拾う。
この石なんてスベスベで触り心地も良いし、黒くて艶もあって、まるで黒い温泉玉子『黒たまご』のようだ。
ちょっと可愛いから、部屋のインテリアにしようかとインベントリへ入れ……入れ?
前にもこのパターンあったよな。
インベントリに入らないという事は、もしかして……?
鑑定。
『八咫烏の卵。巣から盗まれたものが放置された可哀想な卵。まだ生きている』
まだ?まだって事は放置したら死ぬって事なのか!?
フレースヴェルグの卵も孵化してないのに、新たな卵!!
うっかり「黒たまごだな」とか口に出さなくて良かった。
これは、レイかジルドへ、ペット枠で譲るのが正解な気がする。
「八咫烏の卵ですか?特に魅力は感じませんね」
「八咫烏?要らんな」
拒否されました。
あのクソカラスのせいで、八咫烏の株が大暴落中だからな。
しょうがないよな。
とりあえず俺のフードに入れておこう。
________________
はい。不穏ですね(笑)
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