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どこかに話すモフモフがいるらしいよ!探そう!!
第317話:カラフルな……
しおりを挟む溜息を吐きながらテディのファスナーを閉めようと……?
フレースヴェルグの卵が少し光っているような?
テディの中から卵を取り出す。
外に出してしまうと、逆に明るくて光がわからなくなってしまった。
だが、確実に判った事ある。
卵の色が緑から黄色へ変化している。
さっき卵が震えたのは、了承ではなく拒否か!
良かった。
抹茶プリンじゃ呼ぶ時に大変だった。
今の卵は淡い黄色で、レモンイエローとでも言うのだろうか、爽やかな色になっている。
好みの色ではあるけど、中身までこの色とは限らないからな。
いや、そういえば、テラもピリリも卵の殻の色が本体にも引き継がれていたな。
それならば、自分の好みの色に変化してもらうとかも有りか?
淡い緑色や淡い黄色に変化するなら、淡いピンクや淡い水色にもなれるのだろうか。
普通に真っ白でも、鷲だったら格好良いかもな。
いや、不細工な鷲なのだっけ。
<主?どうかしたか?>
卵を抱えたまま固まっていたからか、ガルムに声を掛けられた。
「いや、卵の色が変化したから、好きな色に変えられたら良いのにと」
<ムンドのようにか?>
あ、そういえばムンドも色が変化するのだったな。
何となく俺の中でファッションヤンキーな位置付けだから、いつも色が違っていても違和感無かった。
<主。いつになったら呼んでくれるのかい?>
フレースヴェルグの卵に気を取られていたら、リルから念話が届いた。
<シズカもそっちに行きたいの!>
<ボクも『むつきしま』で遊びた~い>
はいはい、今から呼びますよ。
<もうすぐ着くぜ!>
は?ちょっと待て、ムンド。
ああああぁぁぁぁ!!
街の上空に馬鹿デカイ影が!
「馬鹿か!何してるわけ!?呼ぶまで待てよ!」
声が届くとは思えないけど、上空のムンドに向かって叫ぶ。
いや、届いたのか?
上空の影が一瞬で消えた。
そして落ちて来るミミズ……ではなく、15センチのムンド。
途中から減速して、フワリと地面に着地した。
気を取り直して、皆を召喚する。
因みにムンドは、ガルムが前足でガッチリ地面に押さえつけている。
「リル、テラ、シズカ、召喚」
影から元気に三匹が飛び出して来る。
リルは小狼姿で出て来てすぐに、ムンドを口に咥えた。
<痛い痛い痛い痛い!兄ちゃん痛い!!>
結構ガッツリ噛んじゃってるな、アレ。
<当たり前だね。わざわざ痛いようにしているのだから>
おぉう。ちょっと本気モードです、リルさん。
「ムンド、俺がいない間に外に行って遊ぶのとかは別に禁止しないが、今回のように明らかに他の人の迷惑になる行為は駄目だ」
リルの口元でピコピコ動いているムンドに言い聞かせる。
<だって早く会いたかったんだもん>
子供か!!
「たとえどのような理由があっても、他人様に迷惑を掛ける行動は許しません」
百歩譲って異界人ならまだ良いが、住人だとどう影響するか判らないからな。
<ごめんなさい>
リルに咥えられたまま、ムンドがクッテリとなる。
反省しているのだろうが、ちょっとリルの口から寄生虫が出ているみたいで嫌だな。
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