303 / 506
どこかに話すモフモフがいるらしいよ!探そう!!
第303話:色々舐めてた
しおりを挟む「え?ボス戦は?」
『いつきしま』側で待っていた悪友達がキョトンした顔で俺達を見ていた。
気持ちは解る。
俺も同じだからだ。
ボス戦のフィールドに入った瞬間、目の前が真っ白になったら全てが終わっていた。
俺はボスの姿も確認出来なかったよ。
ニーズヘッグが蛇なのか蜥蜴なのかドラゴンなのか、謎のまま終わった。
そしてラタトスクがどれほど可愛くないリスなのかもな。
目の前が真っ白になった原因は、リルの炎とヨミの雷の相乗効果だったらしい。
そして更にムンドとテラの同時毒攻撃で、跡形も無く消滅していた。
正直、どれが効いていたのかすら判らん。
シズカを抱き上げる時間どころか、ガルムの陰に隠れる時間すらなかったからな。
「ボスを瞬殺って何!?」
なぜか怒っているリコンス。
楽できたから喜ぶところではないのか?
「え~と、これって普通じゃ」
「無いわよ!アンタさっきの話聞いてなかったの!?」
綺羅がリコンスに怒鳴られた。
「2度目だし多少楽したいとは思ったけど、これじゃ完全に寄生プレイじゃない!」
何かプライドを傷付けたようだ。
「次回は、従魔達に少し待つように言っておこうか?」
「そんな無駄はしなくて良いわよ!」
怒られた。
歩いている間、ひとりでプンスカ怒っていたリコンスだったが、時間が経って大分落ち着いたようだ。
「ヴィン、色々ありがとう」
スススッと寄って来てお礼を言ってきた。
「どういたしまして」
お前に悪意も敵意も無い事は解っているからな。
だから従魔も無反応だったし。
1番近くの街まで歩いて行く事にしたので、感覚的にはのんびりお散歩中。
いつもはガルムの上の俺も、珍しく自力で歩いている。
初夏の森の中、歩かないのは勿体ないだろう?
心配性のレイからは反対されたが、周りを従魔が囲む事で許可された。
端から見たら、モフモフに囲まれて歩く俺はどうなのだろうか?
リルは小狼姿だし、ムンドは俺の左手首にブレスレットのように収まっている。
要は、ガルム以外はペットにしか見えないのだ。
本当は最強の護衛に囲まれているのに!
「あ、あの、すみません。近くの街まであとどれくらいですか?」
綺羅が手をあげて聞いてくる。
「あと30分位かしら?」
咲樹の返答を聞いて「無理」と言いながら綺羅が倒れた。
「うわぁ!非戦闘職舐めてた~」
綺羅を助け起こしながら、オーベが焦っていた。
ちょっと道を外れて休憩する事にした。
別にHPやEPがヤバイわけではないので、リルかガルムが綺羅を運べば良いだけなのだが、せっかくなのでオヤツタイムに突入。
手持ちのオヤツを皆で出しあう。
俺は定番のホットケーキ3種。
咲樹はフィナンシェと紅茶も出した。
オーベはねぎ味噌煎餅とワサビ煎餅。あと、卓袱台を出した。
レイはロールケーキに魔石。
魔石は従魔用だな。
綺羅はお洒落なクッキー詰め合わせの缶を出した。
リコンスはひと口サイズのチーズドッグ。
オヤツ?一応オヤツか。飲みの時にいつもコイツが頼むから、ツマミの印象が強いが。
そしてリイド。あんこ玉はわかる。オヤツだ。
だが、その漬け物盛り合わせはオヤツか?
「お茶請けですよね?うちの定番ですが」
毎回、甘いのとしょっぱいのを両方用意するらしい。
「じゃあ、渋茶も出そうか~」
オーベが緑茶も出した。
卓袱台だけじゃ狭くなり、レイが簡易テーブルを出した。
「ミスリル!?」
リコンスとリイドが驚いていたが、華麗に無視された。
221
お気に入りに追加
1,452
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
悪役令嬢は大好きな絵を描いていたら大変な事になった件について!
naturalsoft
ファンタジー
『※タイトル変更するかも知れません』
シオン・バーニングハート公爵令嬢は、婚約破棄され辺境へと追放される。
そして失意の中、悲壮感漂う雰囲気で馬車で向かって─
「うふふ、計画通りですわ♪」
いなかった。
これは悪役令嬢として目覚めた転生少女が無駄に能天気で、好きな絵を描いていたら周囲がとんでもない事になっていったファンタジー(コメディ)小説である!
最初は幼少期から始まります。婚約破棄は後からの話になります。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
【完結】デスペナのないVRMMOで一度も死ななかった生産職のボクは最強になりました。
鳥山正人
ファンタジー
デスペナのないフルダイブ型VRMMOゲームで一度も死ななかったボク、三上ハヤトがノーデスボーナスを授かり最強になる物語。
鍛冶スキルや錬金スキルを使っていく、まったり系生産職のお話です。
まったり更新でやっていきたいと思っていますので、よろしくお願いします。
「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過しました。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
神樹の里で暮らす創造魔法使い ~幻獣たちとののんびりライフ~
あきさけ
ファンタジー
貧乏な田舎村を追い出された少年〝シント〟は森の中をあてどなくさまよい一本の新木を発見する。
それは本当に小さな新木だったがかすかな光を帯びた不思議な木。
彼が不思議そうに新木を見つめているとそこから『私に魔法をかけてほしい』という声が聞こえた。
シントが唯一使えたのは〝創造魔法〟といういままでまともに使えた試しのないもの。
それでも森の中でこのまま死ぬよりはまだいいだろうと考え魔法をかける。
すると新木は一気に生長し、天をつくほどの巨木にまで変化しそこから新木に宿っていたという聖霊まで姿を現した。
〝この地はあなたが創造した聖地。あなたがこの地を去らない限りこの地を必要とするもの以外は誰も踏み入れませんよ〟
そんな言葉から始まるシントののんびりとした生活。
同じように行き場を失った少女や幻獣や精霊、妖精たちなど様々な面々が集まり織りなすスローライフの幕開けです。
※この小説はカクヨム様でも連載しています。アルファポリス様とカクヨム様以外の場所では公開しておりません。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
前代未聞のダンジョンメーカー
黛 ちまた
ファンタジー
七歳になったアシュリーが神から授けられたスキルは"テイマー"、"魔法"、"料理"、"ダンジョンメーカー"。
けれどどれも魔力が少ない為、イマイチ。
というか、"ダンジョンメーカー"って何ですか?え?亜空間を作り出せる能力?でも弱くて使えない?
そんなアシュリーがかろうじて使える料理で自立しようとする、のんびりお料理話です。
小説家になろうでも掲載しております。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
虐げられた令嬢、ペネロペの場合
キムラましゅろう
ファンタジー
ペネロペは世に言う虐げられた令嬢だ。
幼い頃に母を亡くし、突然やってきた継母とその後生まれた異母妹にこき使われる毎日。
父は無関心。洋服は使用人と同じくお仕着せしか持っていない。
まぁ元々婚約者はいないから異母妹に横取りされる事はないけれど。
可哀想なペネロペ。でもきっといつか、彼女にもここから救い出してくれる運命の王子様が……なんて現れるわけないし、現れなくてもいいとペネロペは思っていた。何故なら彼女はちっとも困っていなかったから。
1話完結のショートショートです。
虐げられた令嬢達も裏でちゃっかり仕返しをしていて欲しい……
という願望から生まれたお話です。
ゆるゆる設定なのでゆるゆるとお読みいただければ幸いです。
R15は念のため。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
魔道具作ってたら断罪回避できてたわw
かぜかおる
ファンタジー
転生して魔法があったからそっちを楽しんで生きてます!
って、あれまあ私悪役令嬢だったんですか(笑)
フワッと設定、ざまあなし、落ちなし、軽〜く読んでくださいな。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?
はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、
強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。
母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、
その少年に、突然の困難が立ちはだかる。
理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。
一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。
それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。
そんな少年の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる