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どこかに話すモフモフがいるらしいよ!探そう!!
第302話:『しきしま』のボス
しおりを挟むもうすぐ『いつきしま』との境目が見えてくる辺りで地上へと下りた。
皆がムンドの上からポンポン飛び降りるので真似して飛び降りようとしたら、後ろから抱えられてしまった。
また過保護なレイか?と思ったら、なぜかリイドだった。
飛び降りようとしている俺を見て咄嗟に動いてしまったそうだ。
「すみません、思わず……」
俺を地面に下ろしながら謝ってきた。
実際の弟は、着地に失敗して尻餅ついてますよ。いや、妹か?
「想像以上に高かった!」とか元気に叫んでいるから大丈夫そうだけど。
レベルも確実にリコンスより俺の方が高いのに、心配性だな。
え~綺羅ですが、ムンドが飛び立った瞬間に意識を失いまして、ずっとガルムの毛に埋もれてました。
強制ログアウトはされなかったので、身体的には問題無かったようです。
レイが小脇に抱えて地上へ降り立った瞬間に覚醒していたしな。
高所恐怖症ではないらしい。
ジェットコースターは駄目だけど、観覧車は大丈夫なのだとか。
「え~『しきしま』のボスですが~蛇ドラゴンです。正式名称は『ニーズヘッグ』だったかな~?」
オーベが『しきしま』ボス戦が初めての俺と綺羅に説明をしてくれる。
リコンスはペルセポネ時代に経験済みだからな。
それにしても蛇ドラゴン?蛇なの?ドラゴンなの?
<あの蛇もどきが居るのか!>
おや?ガルムの知り合いのようです。
<あの蜥蜴野郎は、口だけでムカつくんだよな!>
蛇なの?蜥蜴なの?そしてムンドに口だけって言われる魔物って……。
<我が出るほどでもないね。ヨミとテラだけでいけるのではないかい?>
リルも知り合いのようだ。
「いや、凄い強いボスなはずなんですけど」
リイドが戸惑っている。
「普通は『しきしま』でレベル上げて、装備整えて、2、3回失敗して学習して倒すボスだからね!」
リコンスも戦闘経験者だからか、熱いな。
「失敗したのか?」
横に居るレイに聞く。
「いえ、僕達は1回で行けました。ただし、結構ギリギリではありましたよ」
「デバフ掛けてくるラタトスクが地味に嫌なのよね」
「ラタトスク?」
咲樹の説明に聞き返す。
「ボスと一緒に出て来る魔獣で、可愛くない大型のリスよ」
咲樹の眉間の皺が凄い。
本当に可愛く無いのだろう。
それはそれでちょっと楽しみだ。
<ラタトスクか!彼奴は姑息な奴での>
おおっと、ガルムの眉間にも皺が。
<ラタトスクなら、我が灰にしてくれよう!任せてくれて良いよ>
リルも殺る気満々です。
一体何をしたの!?ラタトスク。
会話に参加せず無言で立ち尽くす綺羅。
ボス戦中は、ユキと一緒にしておこう。
ユキは回復出来るから、敵の流れ弾が当たっても死ぬ事は無いだろう。
同盟組んでいれば、従魔の攻撃が当たって死ぬ事も無いしな。
デバフ?とか言う魔法を掛けてくるラタトスクはリルが倒してくれるらしいし、後はニーズヘッグはヨミとテラとムンドに任せよう。
俺はシズカを抱えながら、ガルムの後ろから見学する。
従魔に全部任せるのも、寄生プレイと呼ばれるのだろうか?
でも俺、テイマーだから良いよな。うん。
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ラタトスクは「卑怯者」ではなく、「その場しのぎの一時しのぎばかりする者」です。
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