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どこかに話すモフモフがいるらしいよ!探そう!!
第300話:諦めも必要だ
しおりを挟む今日から休業している為、綺羅の店は完全に閉まっていた。
ファンシーなシャッターが下りている。
ウサギや犬や狼や……って、これうちの子達じゃないか!?
ドーロまでちゃんと描いてある。
あ、ムンドの横にピリリまで居るよ。
日本発のランドまであるファンシーな会社のキャラみたいに可愛くはなっているけど、絶対にうちの子達+ピリリだ。
そして、その前で笑顔で手を振っている天使。比喩ではない。
なぜ誇らしげな顔?
「見てください!可愛いでしょう?」
確かに可愛いけどな。
「今回の為に作ったんです!」
そうか、無駄遣いしたのか。
「可愛い~!この前で写真撮っても良い?」
咲樹には好評のようだ。
「あ、リコも撮りたい!」
女性?陣には好評のようだ。
「ヴィン、一緒に撮りませんか?」
レイにも好評のようだ……写真は断る。
「皆で撮りますか?」
嬉しそうにカメラを出す綺羅。
スクショじゃない……って、自撮りは無理か。
従魔全員との記念撮影がしたいと言う綺羅や女性?陣達を放置し、冒険へと出発!
だけど、まず冒険者ギルドからクランハウスへと転移だからいまいち締まらないな。
当初の予定では普通に門から出るはずだったが、「折角通り道にクランハウスがあるから」のオーベの一言で転移する事に決まった。
集合場所が綺羅の店の意味無し。
『industry(インダストリィ)』の方がクランハウスより『いつきしま』に近いのだが、残念ながらまだリコンスが到達していなかった。
さすがに綺羅は大丈夫だったか。
「店のオープンの為に色々やりましたから。『しきしま』の街は全部行けますよ」
「え?全部?」
「はい。特に『artisan(アーティザン)』は職人の街なので、よく行きますから。あのシャッターもそこで注文しました」
おぉう、負けてた!俺!!
クランハウスで従魔達とのご挨拶を済ませてから、いざ出発!
今度こそ本当に出発。
当初の予定より人数が増えたので、ガルムとリルに乗って移動する事が出来なくなった。
さて、どうしようかな。
<おれに乗れば良いだけじゃね?>
<ムンドに乗れば良いのではないのかい?>
<ムンドに乗れば良かろう>
同時に言われた。
あぁ、うちには変幻自在の空飛ぶ乗り物がいたね。
とりあえず人間だけ乗って行き、現地で影から呼ぼうと思ったのに、俺以外の全員に反対された。
珍しくガルムにまで<それは寂しすぎるぞ、主>と反対された。
そして現在。
俺は空飛ぶムンドの上でガルムソファに埋もれながら、ホットドッグ片手にほうじ茶を飲んでいる。
さすがにビールは飲んでいない。
「さすがにくつろぎ過ぎじゃないの?」
リコンスが目を眇めて見つめてくる。
片目だけ細くするって、器用だよな。
「いや、する事ないし、ここは英気を養うのが最善だろ」
「養わなければいけないほど、消耗してないけどね!?」
正論で返された。
「居た堪れないのよ!さっきから勝手にレベルが上がってるし!!」
リコンスが態とらしく泣き真似をする。
「まぁ、諦めろ」
チビッ子達が地上のモンスター達を魔法で仕留めて遊んでいるせいだな。
広範囲魔法は禁止しているので、冒険者達や旅人等が巻き込まれる事はないだろう。
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