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どこかに話すモフモフがいるらしいよ!探そう!!

第299話:なぜ?なぜなら?謎?

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 色々あったが、無事に金曜の夜を迎えた。
 この色々には現実リアルの事も含まれる。
 まぁ無事に帰って来たので良しとしよう。
 仕事以外に時間と神経を費やすのはゴメンだとだけ言っておく。

 今日のログインはクランハウスではなく、『commerce(コマース)』の広場だ。
 集合場所は綺羅の店。
 ヨミとテラのチビッ子二匹を呼び出す。
「ヨミ、テラ、召喚」
 さすがに大分慣れた街中で、ガルムやリルを召喚するのは大袈裟かな?というのと、またガラの悪い衛兵に絡まれたら面倒だから目立たないようにしようという二つの意図がある。

あるじ~おかえりなさ~い!>
<きゅきゅう!>
 影からスポーンと出て来た二匹は、容赦なく俺に飛び付いた。
 甘えてるのは解るのだが、俺の紙防御力をいい加減覚えて欲しい。
 装備のお陰で吹っ飛ぶ事はないが、せめて一匹ずつにしてくれ。

 案の定、後ろへフラついた俺を、後ろからモフンと抱き止めたのはレイだった。
 モフン?
「さすがに着ぐるみは動きにくいので、パーカーにしてもらいました」
 淡い水色のパーカーは、獣化したレイと同じ手触りだ。
「似合っているけど、それなりにかなり似合っているけど、ファンが泣くぞ?イメージと違うって……」
 変な日本語になったけど、俺の心情を理解して欲しい。

 孤高で氷だった暗黒騎士様がフワフワのモフモフに変身しちゃったら、駄目じゃないか?
 いや、でも俺は無関係だから気にしなくて良いのか。
 パーカー製作者は綺羅だし、依頼して着たのはレイの意思だよな。うん。


「ちょっとお!変に注目集めてるみたいだから動こうよ~」
 広場にいたから声が掛かる。
 リコンスだ。
 待ち合わせ場所は、広場じゃなく綺羅の店の前だよな?
「これから綺羅の店に行こうと思ったら、丁度ヴィンが広場に現れたんですよ」
 疑問が顔に出ていたのだろう。リイドが笑顔で説明してくれる。

 余談だが、レイは俺を待っていたそうだ。
 待ち合わせしたわけでもないのに、なぜ?
 そして、なぜ咲樹が居る?
 なぜオーベまで居る?
 今回は自力で『むつきしま』まで行こうと思ったのに!
 ……俺はテイマーだから、従魔の力は俺の力と考えて大丈夫だよな?

「今回は単なる傍観者よ。同盟も組まないから、ボス戦には不参加」
「レイが居れば楽勝でしょ~?」
「いや、今回は僕も同盟組みませんよ」
 レイの言葉に、俺以外の全員がキョトンとした顔になる。
「あの過保護のレイが!?」
「え?大丈夫~?無理してない~?」
 俺への態度もアレだが、レイの扱いもかなりだな、コイツら。

「え?大丈夫なの?ボス戦2つだよ!?」
「自分がそれなりに戦えますけど、『いつきしま』のボスはそれなりに強いですよ」
 リコンスとリイドは、違う方面の心配をしている。
 まぁ、こっちが普通の反応だよな。

「ボス戦って、従魔に制限かかるのか?数とかレベルとか」
 従魔にレベルがあるのかは疑問だが。
「え?多分無いと思う。そもそも従魔をゾロゾロ連れている人居ないし」
 リコンスが言ってから、あっ!みたいな顔で俺を見る。

「居たわ。悪魔みたいな従魔を馬鹿みたいにゾロゾロ連れてる人が」
 ここに居ないからか、存在を忘れていたのか?
 しかしうちの可愛い従魔を『悪魔みたい』とは失礼だな!

「悪魔?」
 リイドがリコンスに質問する。
「タイラーが瞬殺って言うか、消滅したのよ。対人戦闘PvPで」
「え?あのタイラーが?」
 皆が液状化した異界人プレイヤーは、どうやら強い人だったようです。



________________
皆様はお気付きでしょうが、それなりにレベルが上がっているヴィンは紙防御力ではありませんw
本人戦闘しないし、従魔がどんどん強くなっているので、思い込んでるだけです
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