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どこかに話すモフモフがいるらしいよ!探そう!!
第298話:いや、それは……
しおりを挟む魔物人参と魔物大根は、全て捕獲された。
収穫か?
普段の物より美味しかったので、次回も同じ方法で収穫するかと、後日ジルドとオーベが本気で悩んでいたので、止めておいた。
なぜなら、敷地を取り囲んでいたムンドが寂しそうだったから。
追いかけっこする皆の声は、かなり楽しそうだったからな。
役目を終えて15センチに戻ったムンドを、カラフル兎の家に連れて行って思う存分遊ばせた。
好奇心旺盛なカラフル兎達に埋もれているムンドは、どこか幸せそうだった。多分。
あぁ、咲樹にでも結界張って貰ってやるなら、あの収穫方法は止めないぞ。
野菜が美味しくなるのは、俺も大歓迎だからな。
魔物野菜を逃しちゃいけない事は元々知っていたらしいし、無謀な事はしないだろう。
「いやぁ、今回は大変だったな!」
晴々とした顔でサムズアップしているのはユズコだ。
こう言ったらアレだが、魔物畑に居たのがオーベかジルドだったら、もう少し楽に片が付いたのかなぁとは思った。
本人には言わないけどな。
絶対、面白がって従魔達と魔物人参や魔物大根を追い掛けてただろ?ユズコよ。
何故そう思うか?
何故なら、魔物畑の扉が開いているのを知らせに来たのがレイだったからだ!
まぁ、全部逃さずに捕まえる自信があったから、敢えて連絡して来なかったのかもしれないけどな。
扉を開けた犯人が八咫烏だったせいもあり、俺が気にするかもしれないと気遣ってくれた可能性も否定はしない。
「ところでユズコは、ブーメランは紫で大丈夫か?」
俺のいきなりな質問に一瞬首を傾げたが、すぐに笑顔でサムズアップをしてくる。
「赤でも良いぞ!ちんこが出なければ!」
いや、それは大前提だろ。
お前のちんこはそんなにデカイのか!?
いや、デカそうだな。
何せ顔が描けるくらいだからな!
「見栄を張るのはやめた方が良いですよ、ユズコ」
レイの笑顔が冷たい。
「見栄じゃないぞ!見せて……脱げないんだった!」
パンツごとズボンを下ろそうとして下ろせなかったようだ。
小学生か!
「『むつきしま』に行けるようになったら、皆で海水浴へ行こうな。かき氷機がやっと日の目を見る!」
買ってすぐにオマケで貰ったあずきを使って練乳抹茶あずきのかき氷を作って食べて以来、キッチンの装飾品となっているかき氷機。
マンゴーのピューレやいちごのシロップもどこかで買わないとな!
先にログアウトするユズコに、金曜夜から『むつきしま』へ向かう事を報告しておく。
「そうか!俺はまたしばらく変則シフトになるから、次に会えるのは大分先だな!」
ユズコがログアウト寸前に爆弾を落として行った。
どうしていつも肝心な事を言い捨てて行く!?
「24時間365日稼働している職だから、しょうがないですよね」
レイが苦笑しながら、フォローするように言った。
ユズコがいつログインしても良いように、キッチンのアイテムボックスにはたくさんの料理を入れておこう。
魔物隼人瓜を使ったホワイトシチューや、冬瓜のそぼろ餡掛けも挑戦しておこう。
現実でのユズコの好物だからな。
折角だから、魔物人参と魔物大根を使った煮物も作ってみるか。
なますも良いか?単純に大根サラダも美味そうだな。
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