ほんわりゲームしてます I

仲村 嘉高

文字の大きさ
上 下
297 / 506
どこかに話すモフモフがいるらしいよ!探そう!!

第297話:またお前……あれ?

しおりを挟む
 


<じゃあ、おれが敷地を取り囲んでやるよ!人参が逃げなきゃ良いんだろ?>
 言うが早いか天高く飛び上がったムンドは、自分の尻尾を咥えて輪になると、超巨大化した。
 ドッズウゥン!
 跳ね上がるような振動と音。
 これ、街中だったら皆パニックだろうな。

「ななななな、なに?何が起きたの?」
 あ、パニックになってる人がいました。
「ムンドが敷地の周りを囲ってくれたので、とりあえずの危機は去ったな」
 思わず安堵の息を吐く。
「大丈夫、なのかな?え?囲う?敷地を?街と同じくらいある敷地を!?」
 はれひめは、ムンドの行動を見ていなかったようだな。

「はれひめ、悪いけど今日は帰ってもらって良いかな?門からの出入りは出来ないから、転移陣でになるけど」
 敷地はムンドに囲われているから、ほぼ出入り不可能だろう。
「あ、うん、大丈夫!むしろここから街まで転移できるなら、楽できてラッキーよ!」
 そうか。クラン員じゃないから、普段は近くの街からここまで自力で移動か。

 立ち直りの早いはれひめは、元気に転移陣で帰って行った。
 また来るのは面倒だろうと残りの野菜苗を置いていっても大丈夫だと伝えたが、落ち着いたらまた来ると言って持って帰ってしまった。
 律儀だな。


 さて、とりあえずの危機は去ったから、現状把握といきますか。
「リル、魔物畑の扉が開いているのだが、犯人が誰だか判るか?」
 1番状況説明の上手そうなリルに名指しで念話をする。
 まぁ、全員に聞こえてるのだがな。

 ちなみに、この「犯人が誰だか判るか?」は、従魔達を疑ってはいない。
 うちの子達は破天荒だが、俺の言いつけを破ったりしない。
 従魔だから逆らえないとかでは無く、基本的に素直な良い子達なのだ。

あるじ?扉とは、人参畑のかい?それならば、八咫烏やたがらすだね>
 は?あの、カラス!?
<あのね!畑に勝手に入って来てね、大根を攻撃してたの!>
 シズカが一生懸命説明してくれる。
<あの烏め、ユズコ殿が注意したら腹いせに扉を開けおったのじゃ!>
 ユキも説明に加わる。

 え?アイツ、俺がからもう敷地に入れないはずじゃ?
<あのね~今回のカラスね~、この前のと違うのだよ~>
 違う?
<きゅぅ!>
 これは、ヨミもテラに同意してるのか?

<多分、兄弟なのじゃ!テイムされた時、一緒にカラスがおったのじゃ!>
 マジか!あの性格の悪い八咫烏が更にもう一羽か!!
 八咫烏、まさか全部が性格悪いとかじゃないよな?


ユズコ:八咫烏、狩ったからもう大丈夫!


 いきなりユズコからチャットが入った。
 どうやら従魔の誰かと一緒に行動しているようだ。


ヴィン:皆が言うには、前の八咫烏とは別個体らしいが、そうなのか?
ユズコ:多分な!見分けはつかなかったが、今回のは喋らなかった
ヴィン:八咫烏、全部が話せるわけじゃないのか!?
ユズコ:ユキが『通訳する価値もない事を言うておる!』って怒りまくってて可愛かったぞ!


 可愛かったか、そうか。良かったな。良いものが見られたな、ユズコ。
 説明ありがとう。
 俺の質問はスルーされたけどな。


しおりを挟む
感想 26

あなたにおすすめの小説

侯爵家の愛されない娘でしたが、前世の記憶を思い出したらお父様がバリ好みのイケメン過ぎて毎日が楽しくなりました

下菊みこと
ファンタジー
前世の記憶を思い出したらなにもかも上手くいったお話。 ご都合主義のSS。 お父様、キャラチェンジが激しくないですか。 小説家になろう様でも投稿しています。 突然ですが長編化します!ごめんなさい!ぜひ見てください!

他国から来た王妃ですが、冷遇? 私にとっては厚遇すぎます!

七辻ゆゆ
ファンタジー
人質同然でやってきたというのに、出されるご飯は母国より美味しいし、嫌味な上司もいないから掃除洗濯毎日楽しいのですが!?

積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!

ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。 悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。

婚約破棄されて辺境へ追放されました。でもステータスがほぼMAXだったので平気です!スローライフを楽しむぞっ♪

naturalsoft
恋愛
シオン・スカーレット公爵令嬢は転生者であった。夢だった剣と魔法の世界に転生し、剣の鍛錬と魔法の鍛錬と勉強をずっとしており、攻略者の好感度を上げなかったため、婚約破棄されました。 「あれ?ここって乙女ゲーの世界だったの?」 まっ、いいかっ! 持ち前の能天気さとポジティブ思考で、辺境へ追放されても元気に頑張って生きてます!

石女を理由に離縁されましたが、実家に出戻って幸せになりました

お好み焼き
恋愛
ゼネラル侯爵家に嫁いで三年、私は子が出来ないことを理由に冷遇されていて、とうとう離縁されてしまいました。なのにその後、ゼネラル家に嫁として戻って来いと手紙と書類が届きました。息子は種無しだったと、だから石女として私に叩き付けた離縁状は無効だと。 その他にも色々ありましたが、今となっては心は落ち着いています。私には優しい弟がいて、頼れるお祖父様がいて、可愛い妹もいるのですから。

聖女召喚されて『お前なんか聖女じゃない』って断罪されているけど、そんなことよりこの国が私を召喚したせいで滅びそうなのがこわい

金田のん
恋愛
自室で普通にお茶をしていたら、聖女召喚されました。 私と一緒に聖女召喚されたのは、若くてかわいい女の子。 勝手に召喚しといて「平凡顔の年増」とかいう王族の暴言はこの際、置いておこう。 なぜなら、この国・・・・私を召喚したせいで・・・・いまにも滅びそうだから・・・・・。 ※小説家になろうさんにも投稿しています。

勇者パーティを追放された聖女ですが、やっと解放されてむしろ感謝します。なのにパーティの人たちが続々と私に助けを求めてくる件。

八木愛里
ファンタジー
聖女のロザリーは戦闘中でも回復魔法が使用できるが、勇者が見目麗しいソニアを新しい聖女として迎え入れた。ソニアからの入れ知恵で、勇者パーティから『役立たず』と侮辱されて、ついに追放されてしまう。 パーティの人間関係に疲れたロザリーは、ソロ冒険者になることを決意。 攻撃魔法の魔道具を求めて魔道具屋に行ったら、店主から才能を認められる。 ロザリーの実力を知らず愚かにも追放した勇者一行は、これまで攻略できたはずの中級のダンジョンでさえ失敗を繰り返し、仲間割れし破滅へ向かっていく。 一方ロザリーは上級の魔物討伐に成功したり、大魔法使いさまと協力して王女を襲ってきた魔獣を倒したり、国の英雄と呼ばれる存在になっていく。 これは真の実力者であるロザリーが、ソロ冒険者としての地位を確立していきながら、残念ながら追いかけてきた魔法使いや女剣士を「虫が良すぎるわ!」と追っ払い、入り浸っている魔道具屋の店主が実は憧れの大魔法使いさまだが、どうしても本人が気づかない話。 ※11話以降から勇者パーティの没落シーンがあります。 ※40話に鬱展開あり。苦手な方は読み飛ばし推奨します。 ※表紙はAIイラストを使用。

またね。次ね。今度ね。聞き飽きました。お断りです。

朝山みどり
ファンタジー
ミシガン伯爵家のリリーは、いつも後回しにされていた。転んで怪我をしても、熱を出しても誰もなにもしてくれない。わたしは家族じゃないんだとリリーは思っていた。 婚約者こそいるけど、相手も自分と同じ境遇の侯爵家の二男。だから、リリーは彼と家族を作りたいと願っていた。 だけど、彼は妹のアナベルとの結婚を望み、婚約は解消された。 リリーは失望に負けずに自身の才能を武器に道を切り開いて行った。 「なろう」「カクヨム」に投稿しています。

処理中です...