ほんわりゲームしてます I

仲村 嘉高

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どこかに話すモフモフがいるらしいよ!探そう!!

第292話:普通って何?

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「へぇ、結局猫探しに行くのか」
 ペットの家から出て来たジルドとバッタリ会った。
 まさか俺の部屋を出てから、ずっとここに居たのだろうか?
 居たのだろう。
 野良兎を抱えている。
 敷地内の森に住んでいる、魔獣モンスターではなく野生動物だ。
 ペットの家にも出入り登録されているし、餌付けもされていて、最近、野生と呼んで良いのか疑問になってきたが……。

「いや、とりあえず『むつきしま』まで行くだけだ。猫は 他が面倒だからな」
「えぇ~!リコは猫見たぁい~!」
「勝手に行け。俺は行かん」
「何それ~」

「どうせレイが一緒に行くんだろ?私は今回パスだな」
 ジルドの視線がチラリとリコンスを見た。
 どうやらリコンスを面倒臭い奴と認識したようだ。
 現実リアルのジルドとなら気が合いそうだが、ここでのリコンスはキャラ作り込んでいるからな。


「ヴィンの事は任せてください。色々と」
 レイがジルドに笑顔を向ける。
 色々って何だろう?
「愛されてるねぇ~」
 リコンスが俺の耳元で囁いてくる。
「あぁ?」
 凶悪な声が出たのはしょうがないだろう。
 愛されてるって何だ!?

「他のテイマーに絡まれないように護衛するって事でしょう?あのセリフ」
 え?そうなのか?
「普通のテイマーは、戦闘職からの転職なのでテイマー自体の攻撃力も高いですからね。セーフ機能オン過度な接触NGでも、レベル差があったりすると吹っ飛ばされて骨折したりする事もあるそうですからね。要注意です」
 リイドもリコンスに同意のようだ。
「ヴィンには最凶従魔がいるから普通は手出ししないんだけどね~」
『最強従魔』が違う含みに聞こえたけど、気のせいか?

「こんな百鬼夜行みたいなのに喧嘩売る馬鹿も居るんだろうな~」
 うちの可愛い子達に向かって『百鬼夜行』とは失礼な!
「テイマー潰せば、従魔は自発的に戦わないってのが今までの常識だしね~」
 ???
 ナニソレ。

「え?ヴィンの従魔は違うんですか?」
 リイドに質問される。
「うちの子達は、皆、戦闘狂バトルジャンキーだから自分から戦闘バトルするな」
 リザードマンの驚いた顔って、ちょっとシュール。

「だからヴィンは普通のテイマーじゃないって説明したでしょ?命令しなくてもヴィンが大好きだから守るのよ」
 リコンスのドヤ顔はムカつくが、さすがβテスターってところだろうか。
 前に対人戦闘PvPを見ただけで、従魔と俺の関係を理解したようだ。
 普通のテイマーの意味がわからないけど、サルボボみたいなのが普通なのか?


 普通のテイマーとは。
 リコンス曰く「わかりやすく言うと、オートモードじゃないドラ◯エね。いちいち攻撃を指示しないといけないのよ」との事だ。
 俺から従魔への戦闘指示って、「めなさい」とか「殺さないように」とかめる系の事ばかりな気が……?

「怒らせると怖いわよ~。かすみも残さずされるからね!」
 否定はしない。
 リコンスが『ペルセポネ』だった時のとりまきとの対人戦闘PvP非道ひどかった。
 酷いじゃない。非道ひどうだ。
 オーバーキルだ。

「とりあえず、ヴィンには逆らわないようにしますね」
 リイドが変な解釈をしてくれたようだ。
 逆らわないって何!?
 ちなみに、怒ると怖いのは俺じゃなく、従魔達だから!!


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