276 / 506
冒険に行……かないので、せめて色々見てみようと思う
第276話:ほう れん そう
しおりを挟む冒険者ギルドへおかしな小屋があった事と、その中にスライムが大量に居た事を報告した。
リルとユズコが遊んでいたら、投げた棒が偶然小屋の壁を壊し、テラがウッカリ小屋にぶつかって結界を壊したと説明。
無理がある?知ってる。
「うちの子達の本気遊びを実証しますか?」と、レイがニッコリ笑ってギルドの壁を指差したら、全てが解決した。
因みにレイじゃなくて、俺のうちの子だけどな!
街に戻ったので、一度ログアウトする事にした。
従魔転送魔導具で皆をクランハウスへと転送する。
今、転送装置は2個持たされていて、テイム順でリルまでと、ユキ以降で分けている。
新作ができる度に交換するのだが、正規料金だったらいくらなのか……。
しかし、随分と濃いピクニックになったな。
ピクニック……だったか?
冒険?
いや、戦闘らしい戦闘してないからな。
オヤツも食べたし、ピクニックだな。
あ、テラにグミを買うのを忘れた。
次にログインしたら、必ず買ってやろう。
オーベとは、このまま別行動になった。
現実明日、レイとユズコとはこの街で待ち合わせになった。
ポーンラビットの丸焼きを食べたいらしい。
オヤジにスライム粉を渡したので、隣の店も次に来た時には復活しているかもな。
ログアウトしてすぐ、携帯が震えた。
確認すると、同僚のメガネからメッセージだった。
『明日あたりシキシマ着く予定』
着く予定か。
それなら、街に行ったとしても『commerce(コマース)』だろう。会えないな。
『明日は農業街に居る予定』
街中も見て回りたい。
街の記憶が、ほぼポーンラビットの丸焼きだからな。
『そうか。じゃあ、予定が合う時にまた会おう』
ゆるい返事がきた。
『了解』
コイツの変に無理強いしないところは良いな。
前回は、変なゴタゴタに巻き込まれたが、コイツも不本意だったようだし。
次は、普通に遊べるだろう。
夕飯を食べに外へ行き、生ビールに餃子、シメにラーメンというダメな大人の典型なメニュー。
一応、ラーメンは野菜が多めの物にしたのだが、まぁ気休めだな。
しかし、冬でも餃子には生ビールを頼むのはなぜだろう。
モツ煮には熱燗なのに。
あ、モツ煮が食べたくなった。
それと焼き鳥の若鳥の塩とつくねのタレ、砂肝は塩、ネギマはタレだな。
箸休めの糠漬けも欲しい。
腹一杯食べたはずなのに、飲みに行くとツマミは食べられる不思議。
甘い物は別腹ってのと同じなのか?
ラーメン屋を出て、のんびりと歩く。
十字路に着いて、ちょっと考える。
右に行けば、行きつけの焼き鳥屋。
左に行くと自宅。
今日はもう幻想世界へはログインできない。
ラーメン屋でアルコール摂取しているからだ。
それでも躊躇するのは、深酒すると明日のログイン時間に影響が出るからだ。
それに、わざわざ店まで行って営業していなかったら虚しい。
ん?携帯が震えている。
またメガネか?
見ると、電話の着信で相手は現実レイ。
「はい」
『いつもの店に飲みに来ているのですが、今から来ませんか?』
飲みのお誘いですか。そうですか。
予定の店とは違うけど……ニヤリ。
「行く。ラーメン屋からの帰りだから、すぐ着く」
『では、熱燗頼んでおきますね』
通話が切れた。
応援ありがとうございます!
114
お気に入りに追加
1,000
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる