ほんわりゲームしてます I

仲村 嘉高

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冒険に行……かないので、せめて色々見てみようと思う

第276話:ほう れん そう

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 冒険者ギルドへおかしな小屋があった事と、その中にスライムが大量に居た事を報告した。
 リルとユズコが遊んでいたら、投げた棒が小屋の壁を壊し、テラが小屋にぶつかって結界を壊したと説明。
 無理がある?知ってる。

「うちの子達の本気遊びを実証しますか?」と、レイがニッコリ笑ってギルドの壁を指差したら、全てが解決した。
 ちなみにレイじゃなくて、の子だけどな!


 街に戻ったので、一度ログアウトする事にした。
 従魔転送魔導具で皆をクランハウスへと転送する。
 今、転送装置は2個持たされていて、テイム順でリルまでと、ユキ以降で分けている。
 新作ができるたびに交換するのだが、正規料金だったらいくらなのか……。

 しかし、随分と濃いピクニックになったな。
 ピクニック……だったか?
 冒険?
 いや、戦闘らしい戦闘してないからな。
 オヤツも食べたし、ピクニックだな。
 あ、テラにグミを買うのを忘れた。
 次にログインしたら、必ず買ってやろう。

 オーベとは、このまま別行動になった。
 現実リアル明日、レイとユズコとはこの街で待ち合わせになった。
 ポーンラビットの丸焼きを食べたいらしい。
 オヤジにスライム粉を渡したので、隣の店も次に来た時には復活しているかもな。



 ログアウトしてすぐ、携帯が震えた。
 確認すると、同僚のからメッセージだった。
『明日あたりシキシマ着く予定』
 着く予定か。
 それなら、街に行ったとしても『commerce(コマース)』だろう。会えないな。
『明日は農業街に居る予定』
 街中も見て回りたい。
 街の記憶が、ほぼポーンラビットの丸焼きだからな。

『そうか。じゃあ、予定が合う時にまた会おう』
 ゆるい返事がきた。
『了解』
 コイツの変に無理強いしないところは良いな。
 前回は、変なゴタゴタに巻き込まれたが、コイツも不本意だったようだし。
 次は、普通に遊べるだろう。


 夕飯を食べに外へ行き、生ビールに餃子、シメにラーメンというダメな大人の典型なメニュー。
 一応、ラーメンは野菜が多めの物にしたのだが、まぁ気休めだな。
 しかし、冬でも餃子には生ビールを頼むのはなぜだろう。
 モツ煮には熱燗なのに。

 あ、モツ煮が食べたくなった。
 それと焼き鳥の若鳥の塩とつくねのタレ、砂肝は塩、ネギマはタレだな。
 箸休めの糠漬けも欲しい。
 腹一杯食べたはずなのに、飲みに行くとツマミは食べられる不思議。
 甘い物は別腹ってのと同じなのか?


 ラーメン屋を出て、のんびりと歩く。
 十字路に着いて、ちょっと考える。
 右に行けば、行きつけの焼き鳥屋。
 左に行くと自宅。
 今日はもう幻想世界ファンタジーワールドへはログインできない。
 ラーメン屋でアルコール摂取しているからだ。

 それでも躊躇するのは、深酒すると明日のログイン時間に影響が出るからだ。
 それに、わざわざ店まで行って営業していなかったらむなしい。


 ん?携帯が震えている。
 またメガネか?
 見ると、電話の着信で相手は現実リアルレイ。
「はい」
『いつもの店に飲みに来ているのですが、今から来ませんか?』
 飲みのお誘いですか。そうですか。
 予定の店とは違うけど……ニヤリ。
「行く。ラーメン屋からの帰りだから、すぐ着く」
『では、熱燗頼んでおきますね』
 通話が切れた。


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