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冒険に行……かないので、せめて色々見てみようと思う
第275話:閑話:楽して儲ける ※胸クソ注意
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犯人側視点です。
本編にはほぼ関係ないので、読み飛ばしても支障ありません。
________________
誰が言い出したのか。
「スライムって、需要高いよな」
物理攻撃耐性が高く、魔法攻撃耐性に至っては最高レベルで弾かれるが、ほぼ反撃してこない。
ドロップアイテムのスライム粉は、スライム板を作るのに必要だし、食用としても利用されている。
スライムゼリーも、なぜか定期的に納品依頼がされている。たかが子供の玩具認識なのに、である。
「スライム捕まえて飼ったら、市場独占できんじゃね」
「値段も、こっちの言い値だよな」
「でも他のシマから持って来られたらダメじゃん」
「今の値段で、わざわざシマ越えしてまで納品しないだろ」
「倒してドロップアイテム溜めておけば良いんじゃないの?」
「馬鹿だな、お前は。魔物は一定数保持されるから倒したら補充されちまうんだよ」
ここは異世界と言う名のゲームの中だから、狩り尽くす事は不可能なのだ。
だが逆に言えば、ある一定数しかこのシマには居ないという事だ。
全部集める事ができれば、スライム市場独占だ。
とても弱い結界しか張れない知り合いがいた。
知能がある魔物には効かないので、スライム以外はすり抜けると笑っていた。
魔力量は多いので、森全体を覆えるほど広範囲に張れるらしい。
「攻撃特化だから、防御魔法は相性が悪い」と、前に言っていた。
話のネタに見てみたいと言えば、快く了承してくれた。
森全体を覆う結界。それを段々と小さくしていく。
まぁ、俺には何も感じないが。
ザザザザッと、何かが迫って来る音がする。
見えない壁に押されるように、大量のスライムが山となって動いていた。
「うわっキモッ!」
仲間が叫ぶ。
「だよねー。ホント役立たずな結界でさ!」
気分を害した様子もなく笑ってる。
他人に利用されるだけのヤツってのは、こういうヤツの事を言うんだな。
「もういいだろ?結界解くよ」
「あぁ、ありがとう。楽しかった」
お礼を言いながら、隠れている仲間に目配せした。
コイツの結界の周りに、普通の結界を張った。
ヤツの目には、スライムが逃げて行く姿が見えたはずだ。
バレないうちに、早々にヤツを森から追い出した。
簡易小屋を建てた。
職人で始めたが簡易小屋を建てられるようになった辺りで飽き、剣士に転職した仲間が建てた。
剣士も合わないから、また転職するとか言ってな。
まぁ俺には関係ないか。
小屋の扉を開けて、スライムを押し込む。
結界を家に沿って張らせた。
コイツの結界は、結界内の生物を見えなくできる特殊な物だ。
精度をあげれば攻略組になれるだろうに、悪用する事にしか使わないクズだ。
自分を結界で包み、盗みや暴行をする。
暴行相手は住人限定だから、セーフらしい。
また別の仲間に、今度は強力な結界と幻覚魔法を張らせる。
コイツは、若い女の冒険者を結界と幻覚魔法で迷わし、親切面をして助けている詐欺師だ。
なぜうちのクランはこんなクズばかりが集まるのか。
真面なのは、俺だけだな。
クズを纏めるのは疲れる。
だから、コイツらの力を利用して楽して儲けるのは、正しい事だ。
俺の頭脳があってこその、作戦だしな。
本編にはほぼ関係ないので、読み飛ばしても支障ありません。
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誰が言い出したのか。
「スライムって、需要高いよな」
物理攻撃耐性が高く、魔法攻撃耐性に至っては最高レベルで弾かれるが、ほぼ反撃してこない。
ドロップアイテムのスライム粉は、スライム板を作るのに必要だし、食用としても利用されている。
スライムゼリーも、なぜか定期的に納品依頼がされている。たかが子供の玩具認識なのに、である。
「スライム捕まえて飼ったら、市場独占できんじゃね」
「値段も、こっちの言い値だよな」
「でも他のシマから持って来られたらダメじゃん」
「今の値段で、わざわざシマ越えしてまで納品しないだろ」
「倒してドロップアイテム溜めておけば良いんじゃないの?」
「馬鹿だな、お前は。魔物は一定数保持されるから倒したら補充されちまうんだよ」
ここは異世界と言う名のゲームの中だから、狩り尽くす事は不可能なのだ。
だが逆に言えば、ある一定数しかこのシマには居ないという事だ。
全部集める事ができれば、スライム市場独占だ。
とても弱い結界しか張れない知り合いがいた。
知能がある魔物には効かないので、スライム以外はすり抜けると笑っていた。
魔力量は多いので、森全体を覆えるほど広範囲に張れるらしい。
「攻撃特化だから、防御魔法は相性が悪い」と、前に言っていた。
話のネタに見てみたいと言えば、快く了承してくれた。
森全体を覆う結界。それを段々と小さくしていく。
まぁ、俺には何も感じないが。
ザザザザッと、何かが迫って来る音がする。
見えない壁に押されるように、大量のスライムが山となって動いていた。
「うわっキモッ!」
仲間が叫ぶ。
「だよねー。ホント役立たずな結界でさ!」
気分を害した様子もなく笑ってる。
他人に利用されるだけのヤツってのは、こういうヤツの事を言うんだな。
「もういいだろ?結界解くよ」
「あぁ、ありがとう。楽しかった」
お礼を言いながら、隠れている仲間に目配せした。
コイツの結界の周りに、普通の結界を張った。
ヤツの目には、スライムが逃げて行く姿が見えたはずだ。
バレないうちに、早々にヤツを森から追い出した。
簡易小屋を建てた。
職人で始めたが簡易小屋を建てられるようになった辺りで飽き、剣士に転職した仲間が建てた。
剣士も合わないから、また転職するとか言ってな。
まぁ俺には関係ないか。
小屋の扉を開けて、スライムを押し込む。
結界を家に沿って張らせた。
コイツの結界は、結界内の生物を見えなくできる特殊な物だ。
精度をあげれば攻略組になれるだろうに、悪用する事にしか使わないクズだ。
自分を結界で包み、盗みや暴行をする。
暴行相手は住人限定だから、セーフらしい。
また別の仲間に、今度は強力な結界と幻覚魔法を張らせる。
コイツは、若い女の冒険者を結界と幻覚魔法で迷わし、親切面をして助けている詐欺師だ。
なぜうちのクランはこんなクズばかりが集まるのか。
真面なのは、俺だけだな。
クズを纏めるのは疲れる。
だから、コイツらの力を利用して楽して儲けるのは、正しい事だ。
俺の頭脳があってこその、作戦だしな。
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