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冒険に行……かないので、せめて色々見てみようと思う
第266話:驚愕と書いて、ビックリと読む
しおりを挟む「スライムは、諦めよう!」
断言する。否応無しだ。
これは冒険ではなく、ピクニックだ。
無理、無茶はしない。
<スライム、食べたかったな~>
テラが小さく呟き、ヨミがしょんぼりしながら頷く。
罪悪感半端ないからやめてください。
「それにしても、ここまでスライムが居ないのは異常だよね~。新しいクエストでも発生してるのかな~」
オーベ~~~!!フラグを立てるな!
新しいクエストと、スライムが好物の何か、どっちがマシだ?
答え。どっちも嫌だ。
ハロウィンオバケ(仮)を灯りとして持ったまま、森を戻る。
俺以外には必要ないようだけど、楽しいのでまぁ良いか。
コイツは変わらず敵を呼び続けているので、懐かないようだ。
ちょっと可愛いと思い始めていたので残念。
「オバケとか幽霊とかそっち関係はテイマーじゃなくて、ネクロマンサーだからね~」
俺がしょんもりしながらハロウィンオバケ(仮)を見ていたようで、オーベが新たな知識を教えてくれる。
死霊魔術師?
死体を操るあれ?マジか!!
「本当のネクロマンサーじゃないから、死体から勝手に魔物を作ったりはできないからね~。幻想世界だけの設定で、死霊系モンスターをテイムできるんだよ~」
ネクロマンサーは、テイマーから転職するそうだ。
レベルカンストはしなくても良いそうだが、条件はあるらしい。
興味が無いので、詳しくは聞かなかった。
だって、死霊でしょ?
モフモフがもふもふしてない可能性が高い。
テイマー時代に従魔にした子達は引き続き従魔のままらしいが、俺の中で転職する利点は無い。
森の出口でハロウィンオバケ(仮)は解放した。
シュルンって感じで消えて行った。
やっぱりちょっと欲しい。
ペットになら……
「ペットには、ならないからね~」
なぜバレた。
あの別れ道の所まで戻る。
せっかくなので、まだ行っていない街へ行く事にする。
『agriculture(アグリカルチャー)』農業の街か『artisan(アーティザン)』職人の街だ。
職人の街も気になるが、今回は農業の街に行く事にする。
家庭菜園の野菜が、想像以上に美味しかったので種類を増やしたいのだ。
従魔達にも概ね好評だしな!
枝豆をさやごと食べようとするので中身を出してからあげるのだが、その量が半端なくて少し後悔した。
[料理]の下拵えとしてある一定量を一気にできる事に気付いた時は、脱力した程度には。
なぜもっと早く気付かなかった、俺。
「『agriculture(アグリカルチャー)』へようこそ!」
にこやかに迎えられた。
ガルムにもリルにも全然物怖じしない門番に、こっちが驚いてしまった。
「大型の魔獣にいちいち驚いていたら、畑の警備なんて出来ないからな!」
門番に笑われた。
衛兵が持ち回りで門番をやるのは他の街と同じだが、衛兵が畑の警備までするのはこの街の独特のルールだろうな。
それにしても、本来の大きさのリルを「だって従魔だろ?」の一言で済ませたのには、本当に驚愕したよ。
―――――――――――――――
「しょんもり」は、「しょんぼり」まではいかない様子です。
地域語なのか、造語のようです。
公開設定の日付を間違えてました!!
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