上 下
266 / 506
冒険に行……かないので、せめて色々見てみようと思う

第266話:驚愕と書いて、ビックリと読む

しおりを挟む
 


「スライムは、諦めよう!」
 断言する。否応無しだ。
 これはではなく、だ。
 無理、無茶はしない。
<スライム、食べたかったな~>
 テラが小さく呟き、ヨミがしょんぼりしながら頷く。
 罪悪感半端ないからやめてください。

「それにしても、ここまでスライムが居ないのは異常だよね~。新しいクエストでも発生してるのかな~」
 オーベ~~~!!フラグを立てるな!
 新しいクエストと、スライムが好物の何か、どっちがマシだ?
 答え。どっちも嫌だ。


 ハロウィンオバケ(仮)を灯りとして持ったまま、森を戻る。
 俺以外には必要ないようだけど、楽しいのでまぁ良いか。
 コイツは変わらず敵を呼び続けているので、懐かないようだ。
 ちょっと可愛いと思い始めていたので残念。

「オバケとか幽霊とかそっち関係はテイマーじゃなくて、ネクロマンサーだからね~」
 俺がしながらハロウィンオバケ(仮)を見ていたようで、オーベが新たな知識を教えてくれる。
 死霊魔術師ネクロマンサー
 死体を操るあれ?マジか!!
「本当のネクロマンサーじゃないから、死体から勝手に魔物モンスターを作ったりはできないからね~。幻想世界ファンタジーワールドだけの設定で、死霊系モンスターをテイムできるんだよ~」

 ネクロマンサーは、テイマーから転職するそうだ。
 レベルカンストはしなくても良いそうだが、条件はあるらしい。
 興味が無いので、詳しくは聞かなかった。
 だって、死霊でしょ?
 モフモフがもふもふしてない可能性が高い。
 テイマー時代に従魔にした子達は引き続き従魔のままらしいが、俺の中で転職する利点は無い。


 森の出口でハロウィンオバケ(仮)は解放した。
 シュルンって感じで消えて行った。
 やっぱりちょっと欲しい。
 ペットになら……
「ペットには、ならないからね~」
 なぜバレた。

 あの別れ道の所まで戻る。
 せっかくなので、まだ行っていない街へ行く事にする。
『agriculture(アグリカルチャー)』農業の街か『artisan(アーティザン)』職人の街だ。
 職人の街も気になるが、今回は農業の街に行く事にする。

 家庭菜園の野菜が、想像以上に美味しかったので種類を増やしたいのだ。
 従魔達にもおおむね好評だしな!
 枝豆をさやごと食べようとするので中身を出してからあげるのだが、その量が半端なくて少し後悔した。
 [料理]の下拵えとしてある一定量を一気にできる事に気付いた時は、脱力した程度には。
 なぜもっと早く気付かなかった、俺。


「『agriculture(アグリカルチャー)』へようこそ!」
 にこやかに迎えられた。
 ガルムにもリルにも全然物怖ものおじしない門番に、こっちが驚いてしまった。
「大型の魔獣モンスターにいちいち驚いていたら、畑の警備なんて出来ないからな!」
 門番に笑われた。

 衛兵が持ち回りで門番をやるのは他の街と同じだが、衛兵が畑の警備までするのはこの街の独特のルールだろうな。
 それにしても、本来の大きさのリルを「だって従魔だろ?」の一言で済ませたのには、本当に驚愕したよ。



―――――――――――――――
「しょんもり」は、「しょんぼり」まではいかない様子です。
地域語なのか、造語のようです。

公開設定の日付を間違えてました!!
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

レンタル従魔始めました!

よっしぃ
ファンタジー
「従魔のレンタルはじめました!」 僕の名前はロキュス・エルメリンス。10歳の時に教会で祝福を受け、【テイム】と言うスキルを得ました。 そのまま【テイマー】と言うジョブに。 最初の内はテイムできる魔物・魔獣は1体のみ。 それも比較的無害と言われる小さなスライム(大きなスライムは凶悪過ぎてSランク指定)ぐらいしかテイムできず、レベルの低いうちは、役立たずランキングで常に一桁の常連のジョブです。 そんな僕がどうやって従魔のレンタルを始めたか、ですか? そのうち分かりますよ、そのうち・・・・

【第1章完結】デスペナのないVRMMOで一度も死ななかった生産職のボクは最強になりました。

鳥山正人
ファンタジー
デスペナのないフルダイブ型VRMMOゲームで一度も死ななかったボク、三上ハヤトがノーデスボーナスを授かり最強になる物語。 鍛冶スキルや錬金スキルを使っていく、まったり系生産職のお話です。 まったり更新でやっていきたいと思っていますので、よろしくお願いします。 「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過しました。

ゲームで第二の人生を!~最強?チート?ユニークスキル無双で【最強の相棒】と一緒にのんびりまったりハチャメチャライフ!?~

俊郎
SF
『カスタムパートナーオンライン』。それは、唯一無二の相棒を自分好みにカスタマイズしていく、発表時点で大いに期待が寄せられた最新VRMMOだった。 が、リリース直前に運営会社は倒産。ゲームは秘密裏に、とある研究機関へ譲渡された。 現実世界に嫌気がさした松永雅夫はこのゲームを利用した実験へ誘われ、第二の人生を歩むべく参加を決めた。 しかし、雅夫の相棒は予期しないものになった。 相棒になった謎の物体にタマと名付け、第二の人生を開始した雅夫を待っていたのは、怒涛のようなユニークスキル無双。 チートとしか言えないような相乗効果を生み出すユニークスキルのお陰でステータスは異常な数値を突破して、スキルの倍率もおかしなことに。 強くなれば将来は安泰だと、困惑しながらも楽しくまったり暮らしていくお話。 この作品は小説家になろう様、ツギクル様、ノベルアップ様でも公開しています。 大体1話2000~3000字くらいでぼちぼち更新していきます。 初めてのVRMMOものなので応援よろしくお願いします。 基本コメディです。 あまり難しく考えずお読みください。 Twitterです。 更新情報等呟くと思います。良ければフォロー等宜しくお願いします。 https://twitter.com/shiroutotoshiro?s=09

前代未聞のダンジョンメーカー

黛 ちまた
ファンタジー
七歳になったアシュリーが神から授けられたスキルは"テイマー"、"魔法"、"料理"、"ダンジョンメーカー"。 けれどどれも魔力が少ない為、イマイチ。 というか、"ダンジョンメーカー"って何ですか?え?亜空間を作り出せる能力?でも弱くて使えない? そんなアシュリーがかろうじて使える料理で自立しようとする、のんびりお料理話です。 小説家になろうでも掲載しております。

VRMMOでチュートリアルを2回やった生産職のボクは最強になりました

鳥山正人
ファンタジー
フルダイブ型VRMMOゲームの『スペードのクイーン』のオープンベータ版が終わり、正式リリースされる事になったので早速やってみたら、いきなりのサーバーダウン。 だけどボクだけ知らずにそのままチュートリアルをやっていた。 チュートリアルが終わってさぁ冒険の始まり。と思ったらもう一度チュートリアルから開始。 2度目のチュートリアルでも同じようにクリアしたら隠し要素を発見。 そこから怒涛の快進撃で最強になりました。 鍛冶、錬金で主人公がまったり最強になるお話です。 ※この作品は「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過した【第1章完結】デスペナのないVRMMOで〜をブラッシュアップして、続きの物語を描いた作品です。 その事を理解していただきお読みいただければ幸いです。

異世界キャンパー~無敵テントで気ままなキャンプ飯スローライフ?

夢・風魔
ファンタジー
仕事の疲れを癒すためにソロキャンを始めた神楽拓海。 気づけばキャンプグッズ一式と一緒に、見知らぬ森の中へ。 落ち着くためにキャンプ飯を作っていると、そこへ四人の老人が現れた。 彼らはこの世界の神。 キャンプ飯と、見知らぬ老人にも親切にするタクミを気に入った神々は、彼に加護を授ける。 ここに──伝説のドラゴンをもぶん殴れるテントを手に、伝説のドラゴンの牙すら通さない最強の肉体を得たキャンパーが誕生する。 「せっかく異世界に来たんなら、仕事のことも忘れて世界中をキャンプしまくろう!」

没落した建築系お嬢様の優雅なスローライフ~地方でモフモフと楽しい仲間とのんびり楽しく生きます~

土偶の友
ファンタジー
優雅な貴族令嬢を目指していたクレア・フィレイア。 しかし、15歳の誕生日を前に両親から没落を宣言されてしまう。 そのショックで日本の知識を思いだし、ブラック企業で働いていた記憶からスローライフをしたいと気付いた。 両親に勧められた場所に逃げ、そこで楽しいモフモフの仲間と家を建てる。 女の子たちと出会い仲良くなって一緒に住む、のんびり緩い異世界生活。

だらだら生きるテイマーのお話

めぇ
ファンタジー
自堕落・・・もとい楽して生きたい一人のテイマーのお話。目指すのはスローライフ!

処理中です...