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冒険に行……かないので、せめて色々見てみようと思う
第263話:想定外が当たり前になってきた
しおりを挟む「そろそろ諦めたら~?」
オーべに声を掛けられる。
スライムって、それほど見つかりにくいものなのか?
「俺は良いのだが従魔達がなぁ」
諦めてくれるだろうか。
「いや、そっちじゃなくてね~」
ん?どっちだ?
「目を細めて見ても、従魔達の功績は消えないからね~」
あぁ、そっちか……
ある程度自由行動を許したら、瀕死にした魔獣を持って来るようになってしまった。
目の前には死屍累々。ギリ生きてるけど。
時間経過と共に、勝手にドロップアイテムになってるヤツもいる。
皆、戦利品を見せに来る猫みたいだな。
褒めて欲しいのだろうか。
ヨミが中型犬サイズになって、角に熊を刺したまま帰って来た。
熊か、熊……動物ならセーフ?
「うわっ!マーダーグリズリーだ~」
それはもしかして
「魔獣?」
「立派なモンスターだね~」
オーベの返事に思わず座り込んでしまった。
魔獣・魔物山にマーダーグリズリーをブン投げてから、ヨミが近寄って来る。
金色のはずの体毛が赤褐色に!
「洗浄!洗浄!洗浄!」
ヨミに足ダンされながら、3回も洗った。
よし!元の色だ。
「乾燥!」
いつものヨミに戻してから、頭を撫でておいた。
シズカが自分の倍は軽くある狼型魔獣を背中に載せて帰って来たり、リルがサイのような魔物を咥えて帰って来たり、俺の心臓を試してくれた。
ガルムは紳士なので、ドロップアイテムになってから持って帰って来た。
元の魔獣が何なのか判らないがオーベが「レアドロ」と呟いていたから、聞かない事にした。
あ、ユキだけは回復や攻撃補助などが得意だからと、狩りに行かずに残っていた。
オーベとバフやらデバフやら言いながら盛り上がっている。
<妾の出番が全然無いのじゃ!>と文句を言っているのが聞こえたが、そればかりはどうしようもない。
また『殺さず』の対人戦闘でもやる時に活躍してもらいましょう。
<主~!キラキラいっぱい出たけど運べないの~>
テラから念話が届いた。
置いて来なさい、と言うのは可哀想か。
「リルかガルム、テラの所へドロップアイテムを取りに行けるか?」
<我が行くよ>
二匹にも念話は聞こえていたようで、既にリルが行く事に決まっていた。
「頼むな、リル」
<リル、ありがとう~>
テラにも聞こえていたらしく、可愛い声でのお礼が聞こえた。
ちょっと癒された。
<主~!俺も運べないんだけどさ、どうする?>
ムンドからも念話が入った。
「運べない?大きくなってもダメなのか?」
ムンドはテラと違って、いくらでも運べそうだが。
<怖がって乗ってくれないんだよ>
「は?何が?」
乗る?
<人間が~>
はぁ!?なぜ人間を乗せる必要が!?
あぁ!!通訳のリルがいなかった!
なぜペットとは念話できないのだろう!
ピリリとオーベが念話できれば!!
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