253 / 506
冒険に行……かないので、せめて色々見てみようと思う
第253話:悪友のペット(副題:俺は悪くない)w
しおりを挟む「火蜥蜴が青白い!?」
ジルドが驚いて火蜥蜴を指差している。
「孵化までの時間が短過ぎる……のは、きっとヴィンのせいですね」
良い笑顔で俺を見るレイ。
今回は、俺は無関係だ。濡れ衣だ。
「ピリリ……ピリリだ~。サラマンダー可愛い~」
オーベが壊れた。
そういえば、オーベも俺と同じで現実でペットが飼えないのだったか。
オーベが飼いたかったグリーンイグアナは、広い水槽や高い機材が必要だった。
引越しから始めなきゃ飼えないと、嘆いていたな。
<お前が『名付け』なのか~い?>
ピリリがオーベの方へと歩いて行く。
足跡の形に地面が熔けるのは、気にしなくて良いのか?
爬虫類の足跡って可愛いな。
「ピリリは俺のペットで合ってる~?」
手をワキワキしてるのは、触って良いのか迷ってるからか?
触ったら手が消滅する危険があるからか?
<一緒に戦うのか~い?>
き、気が抜ける。
リルの王子様口調とオーベの軽口が合わさると、これほど気が抜ける残念口調になるのか。
「俺はテイマーじゃないから、一緒には戦えないね~」
どこかシュンとしているオーベに、ピリリが更に近付く。
<まぁ良いよ~。一緒に出掛けたりは出来るのだよね~?勝手に戦うよ~>
戦闘狂まで受け継がなくても良かったのに……ごめん、オーベ。
「戦闘ができるペットなんて、素敵だね~」
あぁ、本人は嬉しそうだ。
孵化して時間が経ったら、ピリリが魔力調節が出来るようになったそうで、触れた物が炭化?しなくなった。
サラマンダー怖えぇと思ってたら、本来のサラマンダーは炎は纏うけど、地面が足型に熔けるほど高温ではないようだ。
これは、絶対にリル効果だな。
熱してた時に、途中で卵の色が変わったし。
ピリリはオーベの肩に載って、ご機嫌で尻尾を振っている。
今は尻尾の先に小さい炎があるだけだ。
あの炎も今は熱くなく、見た目だけらしい。
今更だが、ピリリの姿はウーパールーパーによく似ている。
ピンクの部分が水色になって、炎を纏ったウーパールーパー。
あれほどヌルンとしてはいないので、そこは蜥蜴っぽいか。
因みにサイズは、尻尾を入れても30センチ位で、オーベの肩に丁度収まるサイズだ。
「それで、テイマーに転職するのか?」
ずっと黙って成り行きを見守っていたジルドがオーベに質問する。
「しないかな~。ピリリを連れている時は、必ずクランハウスでログアウトすれば良いだけだからね~」
ニコニコしながらピリリの頭を撫でているオーベ。
気のせいかもしれないが、悪友達は準攻略組の筈なのだが、冒険してなくないか?
攻略組って、最前線で新しい地域を攻略するのでは?
いや、新しい情報を確かめるのだったか?
どちらにしても、魔物野菜畑を作ったり、カラフル兎の世話を喜んでしたりするのは……本人の自由か。うん。
「オーベにペットが増えたことですし、保留になっていた兎の家を見に行きますか?」
レイが提案してくる。
そうだった。カラフル兎の家を注文しに行くって話だったが、家の機能を決めるのにレイとジルドが凝り過ぎて、話が進まなかったのだ。
それで、話が決まったら連絡寄越せ!と散歩に出たら、今回の騒動で……すみませんでした。
182
お気に入りに追加
1,422
あなたにおすすめの小説
のほほん異世界暮らし
みなと劉
ファンタジー
異世界に転生するなんて、夢の中の話だと思っていた。
それが、目を覚ましたら見知らぬ森の中、しかも手元にはなぜかしっかりとした地図と、ちょっとした冒険に必要な道具が揃っていたのだ。
継母の心得 〜 番外編 〜
トール
恋愛
継母の心得の番外編のみを投稿しています。
【本編第一部完結済、2023/10/1〜第二部スタート☆書籍化 2024/11/22ノベル5巻、コミックス1巻同時刊行予定】
子爵家の長男ですが魔法適性が皆無だったので孤児院に預けられました。変化魔法があれば魔法適性なんて無くても無問題!
八神
ファンタジー
主人公『リデック・ゼルハイト』は子爵家の長男として産まれたが、検査によって『魔法適性が一切無い』と判明したため父親である当主の判断で孤児院に預けられた。
『魔法適性』とは読んで字のごとく魔法を扱う適性である。
魔力を持つ人間には差はあれど基本的にみんな生まれつき様々な属性の魔法適性が備わっている。
しかし例外というのはどの世界にも存在し、魔力を持つ人間の中にもごく稀に魔法適性が全くない状態で産まれてくる人も…
そんな主人公、リデックが5歳になったある日…ふと前世の記憶を思い出し、魔法適性に関係の無い変化魔法に目をつける。
しかしその魔法は『魔物に変身する』というもので人々からはあまり好意的に思われていない魔法だった。
…はたして主人公の運命やいかに…
実は家事万能な伯爵令嬢、婚約破棄されても全く問題ありません ~追放された先で洗濯した男は、伝説の天使様でした~
空色蜻蛉
恋愛
「令嬢であるお前は、身の周りのことは従者なしに何もできまい」
氷薔薇姫の異名で知られるネーヴェは、王子に婚約破棄され、辺境の地モンタルチーノに追放された。
「私が何も出来ない箱入り娘だと、勘違いしているのね。私から見れば、聖女様の方がよっぽど箱入りだけど」
ネーヴェは自分で屋敷を掃除したり美味しい料理を作ったり、自由な生活を満喫する。
成り行きで、葡萄畑作りで泥だらけになっている男と仲良くなるが、実は彼の正体は伝説の・・であった。
全能で楽しく公爵家!!
山椒
ファンタジー
平凡な人生であることを自負し、それを受け入れていた二十四歳の男性が交通事故で若くして死んでしまった。
未練はあれど死を受け入れた男性は、転生できるのであれば二度目の人生も平凡でモブキャラのような人生を送りたいと思ったところ、魔神によって全能の力を与えられてしまう!
転生した先は望んだ地位とは程遠い公爵家の長男、アーサー・ランスロットとして生まれてしまった。
スローライフをしようにも公爵家でできるかどうかも怪しいが、のんびりと全能の力を発揮していく転生者の物語。
※少しだけ設定を変えているため、書き直し、設定を加えているリメイク版になっています。
※リメイク前まで投稿しているところまで書き直せたので、二章はかなりの速度で投稿していきます。
辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~
雪月 夜狐
ファンタジー
壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。
辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。
しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。
他作品の詳細はこちら:
『転生特典:錬金術師スキルを習得しました!』
【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/906915890】
『テイマーのんびり生活!スライムと始めるVRMMOスローライフ』 【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/515916186】
『ゆるり冒険VR日和 ~のんびり異世界と現実のあいだで~』
【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/166917524】
異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します
桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる
卒業パーティーで魅了されている連中がいたから、助けてやった。えっ、どうやって?帝国真拳奥義を使ってな
しげむろ ゆうき
恋愛
卒業パーティーに呼ばれた俺はピンク頭に魅了された連中に気づく
しかも、魅了された連中は令嬢に向かって婚約破棄をするだの色々と暴言を吐いたのだ
おそらく本意ではないのだろうと思った俺はそいつらを助けることにしたのだ
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる