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冒険に行……かないので、せめて色々見てみようと思う

第246話:我が意に従え(笑)

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 広範囲回復魔法を使用したユキは、凄い尻尾をブンブンしながら俺の前にお座りした。
 これは褒めろという事なのだろうか。
「お疲れ様。ありがとうな、ユキ」
 頭を撫でてやると、ンフフ~と笑う。
 あれ?前に見た時は単なる白い狐だったが、今見ると顔に赤い……隈取くまどり
 いや、そこまではいかないか。
 目の周りと鼻筋に赤い線が入っている。
 目の下には点が3つ。

 白狐は白狐でも、稲荷神社とかの神の眷属の白狐か!!

 離れた所でココア達の「全回復!?」とか「何でMPまで?」とかの声が聞こえる。
 あ、忍者の精神的疲労?には効かなかったようですが。
 まだ項垂れてるよ。
 うちの子が硬くてホントすみません。
 リルが傷付かなかったのは嬉しいが、剣が折れるとは、俺だって予想外だ。
 この際、剣じゃなくて刀にしたらどうか?とは、俺からは言えない。けど、誰か言ってくれないかな。
 だって忍者だし。


 それにしても、またチートな従魔か……
 おかしいな。サルボボがテイムしてる時はそれほど凄くなかったよな?
 正直、うちの従魔の中ではペット枠だと思っていた。
 考え事をしている間、ずっとユキを撫でていたら、ユキの隣にシズカが座っていた。
 うちのペット枠は、シズカかな。

 シズカと目が合うと、<あのね!>と話し始める。
<シズカも、広い範囲に魔法できるよ!隕石降らすよ。みんな死んじゃうけど。シズカも死んじゃうけど>
 物騒過ぎる!!
「シズカが死ぬのは悲しいから、それは使わないようにな」
 シズカの頭を撫でる。
 一度、うちの従魔達の魔法の程度を確認した方が良いのかもしれない。
 ガルムも小さい太陽みたいなのを、平気で転がしてたしな。

男の子おのこは、それくらいの元気があった方が良いのじゃ>
 ユキさん、煽るのやめてください。
 ただでさえ戦闘狂バトルジャンキーな従魔ばかりなのに、俺がいない間に特訓とか始めたら怖すぎる。
 ん?おのこ?
「シズカは男の子おとこのこなのか」
 まだ子供なのか。ちょっと嬉しい。



「盛り上がってるところ、ごめんなさいね。何でモフモフが増えているのかしら?」
 ココア達が近付いて来た。
「今さっき従魔になった」
 俺の説明に、ココアをはじめ他の四人が首を傾げる。

「ここに、いたの?」
 ロリッ子魔女が質問してくる。
「いや、多分『日出処』から『しきしま』に向かって来てたのかな?」
 俺の説明が合っていたらしく、ユキとシズカがウンウンと頷く。

「テイムしてた従魔を影から呼んだって事なのかしら?」
 今度はシスターからの質問。
「いや、今さっき従魔になった」
 五人が更に首を傾げる。
 そうなるよな、気持ちは解る。

「でも『我が意に従え テイム』って言ってなかったよな?」
 重装騎士が聞いてくる。
 それって、テイムの時の呪文なのか?絶対言いたくないのだが。
「この二匹とは前に会っていて、従魔希望なのをにしていたのだが……了承してしまったようだ」
 改めて五人の顔をしっかりと見る。
「それから、うちの従魔に対して、その呪文を使った事はない」
 キッパリと宣言しておいた。


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