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冒険に行……かないので、せめて色々見てみようと思う
第236話:フラグが!フラグが!!
しおりを挟む神殿の入口をジッと見つめるガルム。
もしかしたら、更に中を見ているのかもしれないが……
ガルムの視線に気付いたリルも、視線を神殿に向ける。
<あぁ、本当だねぇ。これは……>
そして、急に何かに気付いて走り出した。
「え?リル?」
あっという間に神殿の中に消えて行くリル。
何かが居るんだよな?
<何が居るんだろね~、ドーロ>
テラがドーロに話し掛ける。
今、ドーロはヨミの頭の上にいる。
お揃いのフェロニエールを付けているので、親子のようだ。
実際に親子なのか?親子になるのか?
ヨミのフェロニエールは、斗苫斗的作の角の根元の装飾+頭を囲う針金と、爺さん作の角に引っ掛けるタイプの装飾付きの鎖の二重になっている。
両方ともサイズ変更に対応しており、軽量化の魔法も掛かっているので、ずっと付けていても、ヨミの負担にはならないようだ。
寝る時に外そうとしたら、逆に怒られたし。
因みに、爺さんはドーロ用にも小さい鎖を作ってきて、斗苫斗的のフェロニエールの角に引っ掛けてくれた。
ヨミの物と似ているが少しだけ違うデザインで、爺さんのセンスの良さが判る。
え?なぜ今更ヨミとドーロのフェロニエールの話をしているかって?
現実逃避だ。自覚はある。
何しろガルムが無言でずっと神殿を見て、身動ぎもしないなど普通じゃない。
怖すぎる。
そこに突っ込んで行ったリルは、もう、ねぇ?
置いて行って良いかな?
<お待たせしたかい?もう大丈夫だよ>
神殿からリルが戻って来た。
特に怪我をした様子もないし、血塗れの何かを引き摺って来たりもしていない。
良かった。
ただ単に中の様子を見に行ってくれただけのようだな。
<……は……よぉ……>
「誰か何か言ったか?」
何か聞こえた気がして、皆に問い掛ける。
<何も言ってないよ~>
<きゅ!>
あれ?おかしいな。空耳か?
<儂では無いが……>
ガルムが若干言い難そうに返事をする。ガルムでは無いが、誰だか知っているとか?
<中もなかなか素晴らしい造りだったよ。祀られてた神は、優秀だったのだろうね。まだ神聖な空気が残っていたよ>
嬉しそうに報告してくるリル。
気に入ったようで何より。
ところでリルさんや。
口の端で何かがピコピコ動いているのだが、それは何かな?
俺には蛇の一種のように見えるのだが?
それともミミズかな?
まだ会った事はないけど、幻想世界にもワーム系の魔物がいるのかな?
特にここは、森の中だしね?
って、そんなわけあるか~い!
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絶対ワームでは無い!断言する!
「リル、ペッしなさい」
え?どうして気付いたの?みたいな表情しない。
寧ろ、なぜバレないと思った。
「ペッしなさい」
もう一度言うと、渋々ではあるが咥えていたソレを吐き出した。
グッタリとしたソレは、とても小さな蛇もどきだった。
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