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いろんな意味での初イベントに参加しますよ!

226:(閑話):クリスマスイヴ(季節話)

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本編とは、全く切り離して読んでください。
サラリと読んで頂ければ幸いです。
―――――――――――――――



 Merry Christmas!

 さすがに残業もなく、ピッタリ定時に退社して家に戻った。
 某有名ハンバーガー店で予約したチキンを買って帰る。あの注文受けてから作ります!の野菜多めのハンバーガー屋だ。
 稼ぎ時真っ只中の白髪オジサンがキャラクターの鳥屋は、自宅近所にないのだ。

 ケーキは、学生時代に同級生が「クリスマス時期のケーキはスポンジが作り置きだし、1個に掛けられる時間も少ないからお勧めしない」と言われてから買っていない。
 実家がケーキ屋を経営してるヤツだ。
 年末まで営業してる店だったので、年越しケーキを注文している。
 値段一緒なのに、苺も多いしブルーベリーまでオマケでのせてくれる豪華ケーキだ。
「果物は年越しできないからな」
 オジサンが毎年笑ってそう言うんだ。

 でも今年はケーキを食べるのだ!
 幻想世界ファンタジーワールドでな!!
 有名店も出店しているらしいが、俺的には個人店を攻めたい。
 悪友達アイツらは、どうするんだ?

 ユズコは美人の彼女と過ごすだろうし、咲樹はどこぞのパーティーに呼ばれてるだろう。
 ジルドとレイは、俺と適当に飲んだり食ったりしてる事が多いから、今年も来るのか?
 オーべはどうだろう?気付くと俺達に混じってたりしてるよな。



「Merry Christmas!」
 日付が25日になる前にログイン。現実リアルでも一緒にいるレイとジルドと噴水へログインした。

 最近まで知らなかったけど、従魔は離れていても呼び出せるのだ!
「ガルム、ヨミ、テラ、呼ぶぞ」
 3匹から了承の返答があったので召喚すると、俺の影からノッソリとガルムが現れた。頭にヨミとテラ付き。
 了承取らなくても強制的に呼べるが、緊急事態じゃない限りは意思を尊重したい。

「何でヴィンの小さい影からガルムが出て来られるのか不思議だ」
 ジルド。お前には今日、ケーキを分けてやらん。今、決めた。
「小さいのではなく、可愛いのですよ」
 レイ、フォローになってない。全っ然なってない。


「あ、いたいた!メリークリスマス!」
 待ち合わせをしていた綺羅が駆け寄って来る。
 何だ、その手に持っている赤と白は……いや、わかっているのだが、理解したくないんだよ。

「はい、コレ!」
 渡されたのは、赤白ではなく茶色。
 赤犬ツナギととても似ているが、フードに角が付いていて、首元にはリボンとベル。
 トナカイかい!サンタのがまだマシだった!!
 赤白はヨミとガルム用のケープだった。
 ガルムのは首周りに白いダホッとした襟が付いていて、ヨミのはフード付き。ちゃんと耳が出る穴が空いている。
 テラは羽根があるからケープは着られず、首にベル付リースのような飾りを付けて貰った。

『新作着てください』ってメールに、安易に返事するんじゃなかった。
「レイとジルドにサンタ衣装着せないのか?」
 俺だけ恥ずかしい格好とかありえん。
「着てくれんですか?」
 嬉々として衣装を出す綺羅。

 しかし、格好良いサンタ衣装ってあるんだな。

 レイの衣装は、ワインレッドで膝上まである上着。白いボアの縁取り。ワインレッド地の前から裾にかけて金糸で刺繍がしてある。黒い幅広のベルトにも嫌味じゃない絶妙なバランスの金の装飾付き。
 肩部分に小さいマントみたいなのもくっ付いていて、まるで王様の衣装のようだ。

 ジルドの衣装は更に丈が長く、体にピッタリとしている。
 色は何と黒!
 悪い子にプレゼントを配る?ブラックサンタなのだそうだ。正式名は『Knecht Ruprecht(クネヒト ループレヒト)』。
 フワフワ要素は無く、悪魔っぽい。
 腹黒ジルドにピッタリだな。

「おぉ、もう来ておったか。待たせたの」
 従魔屋の爺さんタカアシガニも合流。
 綺羅に渡された普通のサンタ衣装を喜んで着ている。確かに似合う。なんせ爺さんだから。
 このの良さに若さを感じる。見た目爺さんだけど。

 綺羅は、緑の衣装。イメージはクリスマスツリーなんだと。
 ツリーに飾るようなオーナメントが衣装にくっ付いている。プチッと毟りたくなるのは俺だけか?
 しかし、イケメンは何を着ても似合うよな。
 どうせなら種族に合わせて天使の格好すれば良かったのに。


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