ほんわりゲームしてます I

いろんな意味での初イベントに参加しますよ！

224：それぞれ自由に

　


　ヨミの頭を撫でた瞬間湧いた（金）を手に、思わずレイに向かってヘラリと笑う。
　一応、ゴメンの意味だったのだが、レイには通じなかったようだ。
　とても情け無い顔で見られた。

（金）が湧いた事で驚き固まった俺に、なぜ撫でない！とでも言うようにヨミが頭をグリグリと擦なすり付けてくる。
「あ、ごめんな、ヨミ。ナデナデだよな」
　右手に（金）を持ち、左手でヨミの頭を撫でる。
＜ぎゅ！＞
　撫でていたら、急にヨミが拒否の声を出した。

　驚いて手を止めると、ヨミの頭の上に（金）がいた。
　は？今沸いたのは、俺の右手に載っている。
＜また小さいヨミだ～＞
　テラが嬉しそうな声を出したから、慌てて止める。
「テラ、それはレイにあげような」
　あの捨て犬のような情け無い顔を見て、更に意地悪をするほど鬼ではない。
＜しょうがないな～＞
　パタパタと飛び立ったテラは、レイの方へと向かった。


　テラに連れられて来たレイは、無事に（金）を捕獲していた。
「しかしなぜ、またこれほどヨミから（金）が湧くのか」
　機嫌の悪いヨミの全身を撫でくりまわす。
　何となく理由は判明しているのだが……

＜我か？我が悪いのかい！？だが、今回は頼まれたからこの姿なのであってだね！＞
　俺達の視線に気付いたのだろう。
　リルが必死に言い訳を始める。
　本当は、ガルムの魔力量も関係していそうだが。実際、ヨミはガルムに近付いた途端に（金）が湧いた。
　まぁ、そこは日頃の行いの差かな。

「はいはい。それじゃあ、そのリル様の魔力でパステルカラー兎は湧いたのかな？」
　ガルムの前に置かれていたジルドの箱は、ガルムが動いた事でリルの側に移動させられた。
　リルの周りに箱が３・個・置かれていて、供物を捧げられた魔物のようだ。
　いや、魔物だったな。
　ん？３個？

「（白）（白）で何色が増えるのか実験をね～。もしかしたら銀とか、他の色とかできるかもしれないでしょ～？」
　あぁ、そういう検証とか好きだよな、オーベ。
　ジルドも好きだから、二人で頑張れ。
　テラみたいな天色あまいろが湧いたら教えてくれ。



　気持ち悪い。
　大の大人がニヤニヤしながら、小さい動物を愛でる姿。
　そのデレデレ具合が半端ない。
　それも、黒髪紅眼の吸血鬼、ジルドである。
「お前の名前はミントだぞ」とか言っちゃってるよ。語尾にハートか音符が付いていそうだ。
　まぁ、パステルグリーンが無事に湧いて良かったな。

　咲樹の箱には、パステルイエローが湧いていた。
「こういうお菓子あるわよね」
　ちょこんとお座りしているパステルカラー兎を見ながら、首を傾げる。
　マシュマロとかマジパンとか、砂糖でできたアレか？名前わからないけど。

（白）（白）からは、何も湧かなかった。
　あくまでも光の三原色である（青）（緑）（赤）からなのだろう。
　箱に（青）を追加したら、即座にパステルブルーが湧いた。
　魔素が飽和状態だったようだ。
　リルの側にずっと置いてあったしな。

　ここまで色々やって、そろそろ各自解散しようかって時にユズコがログインしてきた。
「俺もパステルカラーの兎が欲しいぞ！」
　と皆を引き止め、部屋から（白）と（赤）を持って来た。
　別に皆は居なくても良くね？