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いろんな意味での初イベントに参加しますよ!

218:大丈夫、大丈夫。

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<わざとでは無かったのだよ>
 店内に入って来たリルの第一声は、しょんぼりとしただった。
 俺と別れて店頭に居たリルは、超小狼から小狼姿に変化していたらしい。
 ガルムの上に居たヨミやテラ達と違い、地面に降りて周りをキョロキョロと見ていたリルは、いつの間にか冒険者三人に囲まれていたそうだ。

さわられそうになったから、つい威嚇をしてしまったのだよ>
 耳がペタリと伏せられたリルは、まさしく叱られた子犬だ。叱ってないけど。
 しかし、それは相手の冒険者が悪いな。
 リルはちゃんと従魔の証であるクラン証付きの首輪をしている。
 テイマーの許可無しに従魔に触るのは、ルール違反だ。住人NPCならともかく、異界人プレイヤーなら尚更な。
 まぁ、触れないけど。俺がセーフ機能オン過度な接触NGだから、従魔にも適応されているはずだ。

「リル、怒ってないから大丈夫だ。今回はお前は悪くない。むしろ、素の姿に戻らなかっただけ偉いぞ」
 しょんぼりしているリルの頭を撫でる。
 従魔になった直後のリルなら、怒りに任せてあの炎が噴き出している素の姿になっていただろう。

 リルの気持ちが上向いたのを確認して、周りへと目を向ける。
 レイと爺さんはテラとドーロを構っているが、それ以外の人間の視線が痛い。
 そろそろ許可を出さないと、何かされそうだ。

「リルの背中に居るカラフル兎、誰か欲しいか?」
 狙っているのは解っていたが、あえて聞いてみた。
 因みに、リルの背中には(銀)三匹と(黒)二匹が居る。
 黒はガルムから湧いたのだろう。
 鑑定すると、まだ所有権は発生していない。
 どうやってガルムの背中から、触らずにリルの背中へ移動させたのか気になる。
 従魔が触れていたら、捕獲とみなされて俺の所有になるからな。



 それなりの広さがある店内に、怒声に近い声が響いている。
 ミロとココアと綺羅と斗苫斗的。
 誰が1番強いでしょうか。
 今、カラフル兎争奪戦を繰り広げております。

 方法は、古式こしきゆかしいジャンケンです。
 戦闘バトルではココアとミロが有利だし、兎小屋作成では斗苫斗的の圧勝だし、綺羅は完全な生産者だし、優劣をつける方法がなかったせいだ。

「ジャンケンポイ」
「気ぃ抜けるからやめてよ!ジャンケンポン!あいこでしょ!でしょう?」
「そこはジッケッタ!でしょ~」
「イ~ンジャンでホイじゃないの!?」
 からかい。


「あ……」
 思わず声が出てしまった。
 こう言うのを何て言うのだったか。
 漁夫の利?
 トンビに油揚げ?
 四人がジャンケンをしてる……してないか、掛け声を決めている間に、爺さんがヒョイと(銀)を捕まえてしまった。

「まさかの展開ですね」
 レイが呑気に笑っている。
 いやいやいや。
 笑い事か?まだ気付いてないけど、四人が気付いたらヤバくないか?
 爺さんを睨む勢いで見ていると、ニンマリと笑われた。

「大丈夫じゃよ。綺羅が勝つからの。その綺羅の権利をさっきのに貰うだけじゃ」
 詫びって、実際には玉袋付けられてないのに有りなのか?
 まぁ他人様ひとさまの事なので、深く追及はしないけどな。


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