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いろんな意味での初イベントに参加しますよ!
217:真実とはいつも残酷でw
しおりを挟む「ここで戦闘中の痛みに鈍感になっちゃうと、現実で咄嗟に動けなくなっちゃうでしょ?」
ココアが当たり前のように言う。
顎に人差し指を当てて小首を傾げる仕草は、現実ココアがやれば、あざと可愛いのだろうか。
台詞はかなり不穏だが。
「現役空手選手は言う事がやっぱ違うじゃ~ん!さすがだね!」
ミロがポロッとココアの個人情報をばらす。
いや、名前も性別も違うから、個人情報にはならないのか?
しっかりとココアからのお仕置きで腹にワンパンは喰らってたから、特に言及はしない事にしよう。
しかし、ミロはマジでドMなのだろうか?
さっきから、わざと痛めつけられるような事をしているとしか思えない。
いや、この話題こそ避けた方が良いか。
俺は何も気付かなかった。うん、気付かなかったのだ。
「アイタタ……トラウマになるほどの痛みは無いとはいえ、セーフ機能オンとは痛みの度合いが違うっちゅ~のに」
殴られた腹をさすりながらミロが呟く。
どれほど違うのか一瞬気になったが、試してみるほどではないな。
痛いの嫌だし。
そのような事を考えていたからか、何となくミロを観察してしまっていた。
腹をさすりながらカラフル兎の箱詰めを見ていたかと思うと、首を傾げてから、カラフル兎を数え始めた。
縦と横の枠の数を数えて、かけ算したと言う方が正しいかもしれない。
それからウィンドウを開いて、空中で算盤を弾くような真似をする。
そして、俺の方へとクルリと顔を向けた。
「ねぇ、一匹足りないじゃん?」
はい、ミロさん正解!
よく気付きました!
「テラが世話してるからな」
世話なのか微妙だが、ドーロも喜んでいるから世話と言って良いだろう。
「ドラゴネットが兎の世話をしとるじゃと!?」
話題に1番反応したのは、爺さんだった。
「テラ、ドーロと一緒にちょっと来てくれるか?」
念話で従魔達に話し掛ける。
声に出した方が楽だから、ついつい独り言のようになってしまう。
<は~い>
<テラだけなのかい?>
元気なテラの返事に被せ気味でリルが聞いてくる。
待ってるのに飽きたのか?
「全員で来ると皆の邪魔になるからな。もう少し待っていてくれ」
本当はガルム以外は来てもあまり変わらない気もするが、ガルムだけ外で待機はな。
<主、儂とヨミは外で待っておるから、リルも中に入れてやってくれぬか?>
<きゅ!>
ガルムとヨミからも念話がきた。
「良いけど、なぜ?」
なぜか戸惑った雰囲気だけが伝わってくる。
何かあるのか?
「どうした?見に行った方が良いか?」
それほど広い店内ではない。
念話で会話を続けるより、見に行った方が早い気がする。
表へ行こうと席を立った瞬間、入り口からドーロを抱えたテラが入って来た。
<主~、来たよ~!リルがね~、怒って魔力ブワッてしたから(銀)と(黒)がポコッて!リルの背中に乗ってる~!>
あ、はい。報告ご苦労様です。
ヨミからはポコッてしなかったのか。
良かった。
とりあえず、リルも呼ぶか。
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