ほんわりゲームしてます I

仲村 嘉高

文字の大きさ
上 下
214 / 506
いろんな意味での初イベントに参加しますよ!

214:新事実

しおりを挟む
 


 綺羅の店に行くと、店員が居ないのに店が開いていた。
 何て不用心な!と思ったら、自動決済機能付店舗だとか。
 要は会計を済ませていない商品は持ち出せないらしい。
 しかも、悪意を持って持ち出そうとすると、拘束され通報までされる防犯機能完備。
 初期投資費用は高いが、生産職の異界人プレイヤーには常識になっているとか。

 爺さんの【従魔専門店】は、偏屈爺さんの店というなので、あえてこの機能を使わず、居る時だけ開ける方式らしい。
 色々なプレイをする人がいるのだな。
 パートの女性店員も、暇な時に手伝いに来る緩さというていらしい。


「おっそ~い!」
 綺羅の店に入った途端、ココアが腰に手を当てて仁王立ちしていた。
 現実リアルのココアがやれば多分可愛いのだろうが、今の武闘家のココアがやると普通に怖い。
 筋骨隆々のイケメンマッチョだからな。

「百十八匹のカラフル兎でっしょ~ぉ?マジ有り得ないんだけど~!?」
 テンション高っ!
 匹数把握してるって事は、ミロもカラフル兎が増えたのか?
 公式の獲得数は、匹数じゃないからな。
 あの()の中の数字の謎を解かないと、正確な匹数は判らない。
 いや、まぁ引けば良いだけだけど。俺達みたいに0.5が付いてる人は他にいないし。
 が居ないと、意外とわかりやすかったのかもしれない。

「待ってた甲斐はありますよ!ほら、見た事ない色がたっくさん居るから!」
 なぜか、得意満面に綺羅がカラフル兎の箱詰めをテーブルの上に置く。
 インテリアなのか、顧客対応用なのか、店の中には四人掛けのお洒落なティーテーブルが置いてあった。

「はぁ!?何コレ?え?お菓子?置物?え?本物?うわ!動いた!」
 きちんと枠内に収まっているカラフル兎達を見て、ミロが怪訝な声を出した。
 最後は指で(銀)をつつき、足ダンされていた。

「いやぁん、可愛い~」
 野太い声でココアが叫ぶ。
 手の上にはパステルピンクのカラフル兎。
 いや、ベビーピンクって言うのか?
 無理矢理箱から出したわけではなく、そっと手を差し出したら、カラフル兎の方から載ったのだ。
 見た目に騙されず、中身を見分けるのか?カラフル兎。
 あなどれないな。



「白いのは、どの組み合わせで増えちゃった感じ?」
 ミロが質問してくる。
 やはり、彼もカラフル兎が増えたようだ。
 公式の獲得表を見れば判るのだろうけど、自分と悪友達の異常な点数を見て、思っていたより動揺していたようだ。
 ミロやココアのチェックを忘れていた。

「光の三原色、だと思う」
 別に話しても大丈夫だよな?
「それから、その3色を自分で所有している事が条件でしょう」
 俺達の会話を聞いていたのか、レイが捕捉した。
 と言うか、その条件は俺も知らなかった。
 あぁ、途中から『考察会議』に参加するのを放棄したからか。
 皆が検証をしている時に、俺は従魔と遊んでいたな。

「大分カラフル兎の生態が明らか…に……」
 なったな、と言う台詞は喉の奥に引っ込んだ。
 後ろを振り返り、声を掛けてきたレイを見てしまったからだ。
 ブッフォと、俺の前に居るミロも吹き出す。
 視線をカラフル兎からレイに移したからだ。
「いゃあん、私も欲しい~」
 とテンションが爆上がりしたのはココアだ。

「何してるの?お前」
 そう言った俺は、多分正しい。
 なぜなら、レイは着ぐるみパーカー大人用の水色を着ていたから。


しおりを挟む
感想 26

あなたにおすすめの小説

悪役令嬢、資産運用で学園を掌握する 〜王太子?興味ない、私は経済で無双する〜

言諮 アイ
ファンタジー
異世界貴族社会の名門・ローデリア学園。そこに通う公爵令嬢リリアーナは、婚約者である王太子エドワルドから一方的に婚約破棄を宣言される。理由は「平民の聖女をいじめた悪役だから」?——はっ、笑わせないで。 しかし、リリアーナには王太子も知らない"切り札"があった。 それは、前世の知識を活かした「資産運用」。株式、事業投資、不動産売買……全てを駆使し、わずか数日で貴族社会の経済を掌握する。 「王太子?聖女?その程度の茶番に構っている暇はないわ。私は"資産"でこの学園を支配するのだから。」 破滅フラグ?なら経済で粉砕するだけ。 気づけば、学園も貴族もすべてが彼女の手中に——。 「お前は……一体何者だ?」と動揺する王太子に、リリアーナは微笑む。 「私はただの投資家よ。負けたくないなら……資本主義のルールを学びなさい。」 学園を舞台に繰り広げられる異世界経済バトルロマンス! "悪役令嬢"、ここに爆誕!

我が家に子犬がやって来た!

もも野はち助(旧ハチ助)
ファンタジー
【あらすじ】ラテール伯爵家の令嬢フィリアナは、仕事で帰宅できない父の状況に不満を抱きながら、自身の6歳の誕生日を迎えていた。すると、遅くに帰宅した父が白黒でフワフワな毛をした足の太い子犬を連れ帰る。子犬の飼い主はある高貴な人物らしいが、訳あってラテール家で面倒を見る事になったそうだ。その子犬を自身の誕生日プレゼントだと勘違いしたフィリアナは、兄ロアルドと取り合いながら、可愛がり始める。子犬はすでに名前が決まっており『アルス』といった。 アルスは当初かなり周囲の人間を警戒していたのだが、フィリアナとロアルドが甲斐甲斐しく世話をする事で、すぐに二人と打ち解ける。 だがそんな子犬のアルスには、ある重大な秘密があって……。 この話は、子犬と戯れながら巻き込まれ成長をしていく兄妹の物語。 ※全102話で完結済。 ★『小説家になろう』でも読めます★

10歳で記憶喪失になったけど、チート従魔たちと異世界ライフを楽しみます(リメイク版)

犬社護
ファンタジー
10歳の咲耶(さや)は家族とのキャンプ旅行で就寝中、豪雨の影響で発生した土石流に巻き込まれてしまう。 意識が浮上して目覚めると、そこは森の中。 彼女は10歳の見知らぬ少女となっており、その子の記憶も喪失していたことで、自分が異世界に転生していることにも気づかず、何故深い森の中にいるのかもわからないまま途方に暮れてしまう。 そんな状況の中、森で知り合った冒険者ベイツと霊鳥ルウリと出会ったことで、彼女は徐々に自分の置かれている状況を把握していく。持ち前の明るくてのほほんとしたマイペースな性格もあって、咲耶は前世の知識を駆使して、徐々に異世界にも慣れていくのだが、そんな彼女に転機が訪れる。それ以降、これまで不明だった咲耶自身の力も解放され、様々な人々や精霊、魔物たちと出会い愛されていく。 これは、ちょっぴり天然な《咲耶》とチート従魔たちとのまったり異世界物語。 ○○○ 旧版を基に再編集しています。 第二章(16話付近)以降、完全オリジナルとなります。 旧版に関しては、8月1日に削除予定なのでご注意ください。 この作品は、ノベルアップ+にも投稿しています。

一緒に異世界転生した飼い猫のもらったチートがやばすぎた。もしかして、メインは猫の方ですか、女神様!?

たまご
ファンタジー
 アラサーの相田つかさは事故により命を落とす。  最期の瞬間に頭に浮かんだのが「猫達のごはん、これからどうしよう……」だったせいか、飼っていた8匹の猫と共に異世界転生をしてしまう。  だが、つかさが目を覚ます前に女神様からとんでもチートを授かった猫達は新しい世界へと自由に飛び出して行ってしまう。  女神様に泣きつかれ、つかさは猫達を回収するために旅に出た。  猫達が、世界を滅ぼしてしまう前に!! 「私はスローライフ希望なんですけど……」  この作品は「小説家になろう」さん、「エブリスタ」さんで完結済みです。  表紙の写真は、モデルになったうちの猫様です。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

侯爵家の愛されない娘でしたが、前世の記憶を思い出したらお父様がバリ好みのイケメン過ぎて毎日が楽しくなりました

下菊みこと
ファンタジー
前世の記憶を思い出したらなにもかも上手くいったお話。 ご都合主義のSS。 お父様、キャラチェンジが激しくないですか。 小説家になろう様でも投稿しています。 突然ですが長編化します!ごめんなさい!ぜひ見てください!

スキル盗んで何が悪い!

大都督
ファンタジー
"スキル"それは誰もが欲しがる物 "スキル"それは人が持つには限られた能力 "スキル"それは一人の青年の運命を変えた力  いつのも日常生活をおくる彼、大空三成(オオゾラミツナリ)彼は毎日仕事をし、終われば帰ってゲームをして遊ぶ。そんな毎日を繰り返していた。  本人はこれからも続く生活だと思っていた。  そう、あのゲームを起動させるまでは……  大人気商品ワールドランド、略してWL。  ゲームを始めると指先一つリアルに再現、ゲーマーである主人公は感激と喜び物語を勧めていく。  しかし、突然目の前に現れた女の子に思わぬ言葉を聞かさせる……  女の子の正体は!? このゲームの目的は!?  これからどうするの主人公!  【スキル盗んで何が悪い!】始まります!

【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く

ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。 5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。 夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…

処理中です...