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いろんな意味での初イベントに参加しますよ!

211:ファンシーな兎w

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「可愛い……」
 間違いなく語尾にハートが付いている。
 しかしその台詞を吐いたのが暗黒騎士だから、可愛くも何ともない。
「特に水色が良いですね……」
 良いと言われても、システム上譲る事も出来ないからな。
 しかしなぜ水色?いや、好きなのだろうが。

「私はピンクが良いなぁ」
 繰り返すが、カラフル兎は譲れないからな。
 相手が誰でも関係なく。
 いや、口に出してはいないけど。
「パステルイエローが美味しそうだね~」
「リルと同じレベルか!」
 あ、ついツッコミを入れてしまった。
「わははは!何も言わないって言ってたのにな!」
 あぁ、ちくしょう。負けた。
 いや、勝負はしてないけど、気持ちの問題。
 そして何も言わずにパステルカラー兎を眺めているジルド。
 ちょっと怖い。


 パステルカラー兎を見つけたので悪友達に連絡を入れたら、皆、速攻で部屋に集まって来た。
 矢継ぎ早に質問をされたので「帰って来たら増えていた!何も知らん!何も言わん!!」とキレ気味に叫んだのが5分前。

 奴等を無視して会話に参加しなかったのだが、オーベの「美味しそう」発言につい反応してしまった。
 俺をはめる為の発言かと思いきや、手の上にパステルピンク、パステルイエロー、パステルブルーの3色を載せて「ほら、マシュマロ~!」とか言っているから、本気の発言だったようだ。
 やめろ。
 現実リアルでマシュマロが食いにくくなるだろ。
 俺も同じ事を考えたから、余計にな!

 丸まって寝ているパステルグリーンとパステルピンクと(白)をそっと一列に並べて「三色団子」とかやったのはユズコだ。

すすけた(白)かと思ったが、パステルグレーか」
 呟いたジルドの手の上には、(白)と(銀)とパステルグレーの三匹が載っている。
 微妙に色が違うけど、単体で見たら気にならないかもしれない。

 今のところ、パステルカラーは最初にいた基本色+白だ。
 さすがに増えた色+白はないだろう。
 際限がなくなってしまうと言うか、収拾がつかなくなると言うか……
 ちょっと紫+白で藤色だけは見たかったが、無理だろう。
 紺+白で、テラの色である天色とか……無いな。



〈メールが届きました〉
 確認すると、綺羅からだった。
『もしかして、カラフル兎100匹以上います?』
 これは、一言『いるぞ』と返すのが正解なのか、『秘密』と返すのが正解なのか、カラフル兎の画像を送るのが正解なのか。

「誰か50✕60の箱持ってないか?」
 無理を承知で聞いてみる。
「こんなのでも良いの?」
 咲樹がインベントリからまさしく希望通りの大きさの箱を出した。
「魔石展示用だから、中に仕切りがあるのよね」
 箱の中には、5✕5の仕切りが縦10、横12である。
 土産の饅頭の箱がとても大きくなって、素材が紙ではなく木になった感じだ。
 何て理想的な!

「売ってくれないか?コレ」
「私達の間で何言ってるのよ!あげるわよ。当時は良いと思って買ったけど、120個もの魔石を部屋に飾る必要はないのよ」
 確かに。咲樹のカラフル兎が湧いた魔石入れは、20個の宝石並みに綺麗な魔石が飾ってあった。
 それくらいが妥当な量だよな。


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