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いろんな意味での初イベントに参加しますよ!
194:子供じゃない
しおりを挟む元旦早々夜更かしもアレだし、との事でカラフル兎(黄)を兎小屋に入れてキュウリを与えたら、皆でログアウトした。
例によって、ユズコはレッドアラームに呼ばれていた。
「あ!時間過ぎてた!」
と言っていたので、現実の体がお仕置きされているのかもしれない。
姫始め頑張れ。いや、お仕置きなら逆にお預けか?
現実に戻った俺達は、寝る場所で揉めていた。
ジャンケンに負けて床に寝る事になった現実咲樹と現実レイがゴネ始めたのだ。
「ベッドのサイズ、セミダブルでしたよね?」
いや、そうだが男二人で寝るには狭いぞ?
現実の俺は110センチの子供サイズじゃないからな!?
「それなら、ジャンケンで勝った私がベッドで一緒に寝る権利を貰う」
馬鹿か?現実ジルド。
ソファベッドでも、ひとりで寝た方が良いだろうが。
「じゃあもう、俺がソファで寝るから、お前ら三人で好きにしろよ」
「それじゃ意味がないだろう!」
三人が声を揃えて言う。
馬鹿なの?マジで。
幻想世界にログインした。
予定よりも遅い時間なのは、寝るまでに揉めたからである。
「遅かったね~。四人で何してたの~?」
カラフル兎達に魔物野菜をあげながら、オーベが聞いてくる。
「馬鹿達が馬鹿な事をしてたから、寝るのが遅くなった」
俺が素直に答えると、オーベから憐れみの視線を貰った。
「現実のヴィンは、大人ですからね?」
語尾の伸びていないオーベの物言いに、後ろの三人は小さく「はい」と返事をしていた。
さすが、一癖も二癖もある悪友達のまとめ役である。
だが言わせてもらうと、幻想世界でも子供じゃないからな。
「え?もう初詣行って来たの~?」
いつものように従魔達に再会のモフモフをしている俺に、オーベが話しかける。
「あぁ。割と近くに土地神様の神社があるからな」
売店で綿飴やリンゴ飴、地鶏串焼きなどを買って食べるのまでが、毎年の俺のルーティンだ。串焼きは塩、醤油、特製ダレ、ポン酢の四種あり、自分で付けるトッピングが沢山置いてある素敵な屋台である。
タコ焼きは、ここの広場にあるあの屋台の方が美味しかったな。
ひととおりの挨拶が終わったので、オーベの居る兎小屋の所へ行く。
因みに馬鹿三人は、オーベに冷たく「食材の買い出し」と命令されて出掛けている。
適当に料理も買って来るだろう。
「あれ?増えてる?」
兎小屋を覗くと、明らかに数が多い。
「やっぱそうだよね~!?」
(黒)3・(緑)1・(黄)4・(青)3・(赤)1・(白?)3。
(白?)以外は、複数匹いたのが更に増えている。
何か法則がある……のか?
オーベと二人で頭を捻っていると、カウチソファで見守っていたガルムがのっそりと近付いて来た。
<主、また居るぞ>
「え?また背中に兎発生した?」
ガルムを見上げると、顔を横に振られる。
<儂ではない。ヨミだ>
錬金術師作のリルの毛で作られた専用クッションの上で丸まって寝ているヨミ。
そっと近付くと、丸まったヨミの真ん中に、小さいヨミが!
「ヨミの子だね~」
えぇ~。そうだけど、何か違う気がする。
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