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いろんな意味での初イベントに参加しますよ!
177:優秀な里芋、そして(仮)
しおりを挟む魔物里芋の収穫。
楽しい。その一言である。
畑の前で手を叩いて「集合~!」と叫ぶと、食べられる里芋達が勝手に集まるのだ。
しかも「水浴び!」と命令すると、あの分厚い皮をスポンと脱いで、水の中にダイブする。
軍隊のように一列に並び、順に皮を脱いで水に飛び込む姿は可愛いと言うか、面白いと言うか。
本物の里芋が、泥を洗い流してヌルヌルと戦いながら包丁で皮を剥く事を考えたら、凄い優秀だな。
皮ごと蒸した里芋の皮がヌルンと剥けるのに、ちょっと似てるかもしれない。
魔物野菜を考えてる運営の人の中に、調理の下準備が下手なのか、料理自体が苦手な人が居ると見た。
爆発好きな人と、料理苦手な人は確実だな。
魔物人参はまだ収穫には早いらしく、畑に何の動きもない。
今回は普通のニンジンだな。
ゴボウとかは入れないのか?さすがに買い置きはなかったな。
肉……前回のバーベキューの残りは無いから、買おう。
狩りに行ったら、楽しくなって帰って来なさそうだ。ユズコとテラが。あと、リルもか。
里芋の入った水槽をインベントリへ入れて、家庭菜園へ向かう。
キュウリ食べるの忘れてたのを、急に思い出したからだ。
あのチューブに入ったチープな練り梅を付けて食べるのが美味かったりする。個人の趣味だが。
……梅マヨネーズが好きだったのは、レイだったかジルドだったか。
「増えてない?」
管狐にミニトマトをあげていたはずのミロに声を掛ける。
管狐七匹とは別に、ミロの前に列が出来ている。
「え?ヴィンのうちの子じゃないの!?」
「正式なうちの子は、この四匹だけだが」
ガルム、ヨミ、テラ、リルがうちの子と呼べる従魔だ。
次点で今、里帰りしてる月兎と白狐かな。
「騙された~!普通に並んで手ぇ出してくるから、てっきりヴィンの子だと~!」
ミロが悔しそうに言う。
目の前には、列を成している……テン?イタチ?オコジョ?フェレット?何だろう?管狐より少し大きいな。
「もしや、ジルドが飼ってたりするか?」
横にいるレイに質問すると、少し考えた後に首を横に振る。
「ジルドが飼っているなら、間違いなく自慢してくるでしょう」
確かに。
五匹のイタチ(仮)は、貰ったミニトマトを持ってどこかに行ってしまう。そしてすぐに戻って来た。
戻って?
「これ、別のイタチが来たな」
「え?ヴィンは見分けが付いちゃったりするわけ?」
「いや。さっきは明らかに居なかったのが一匹いるからな」
一匹だけ手足の先が黒い個体がいる。
「クランの敷地の森に住んでいるのでしょう。動物なのか、魔獣なのか……飼いますか?」
レイに聞かれる。
飼わないし。知ってるか?イタチ系は可愛いけど獰猛だぞ!?
オコジョの捕食風景とか、ドン引きするぞ。
否定を込めて首を横に振る。
「では、追い出しますか」
レイがイタチ(仮)に手をかざす。
もしや攻撃する気か!?
「飼わないけど、クラン員がいる時に餌をやるくらいなら良いだろ」
レイが変な顔で俺を見る。
「それは、実質飼っているのでは?」
え?そういうものか?
俺の中では、飼うとは名前を付けて、家に入れて一緒に生活するものなのだが。
「お前ら、悪さするなよ」
イタチ(仮)に声を掛けると、ウンウンと頷かれた。
危機管理能力は備わっているようだ。
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