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いろんな意味での初イベントに参加しますよ!
175:プレートアーマー
しおりを挟むユズコと綺羅に何やら声を掛けてから、斗苫斗的が走って来る。
同じ身長のはずなのに、やはり俺より年上に見える不思議。
それでも頑張って高校生くらいの童顔24歳。
現実では、居酒屋で身分証の提示を求められるタイプだろう。
俺?27歳だが一見の店では、かなりの確率で求められるがそれが何か?
「約束のドラゴネット用の鎧です!」
満面の笑みで小さな金属を渡される。
よく見ると、兜、頸部鎧、胸鎧、手首鎧などプレートアーマーの部位になっている。
人間用みたいに全身鎧じゃないのは、可動域などがわからないからだろう。
「昔懐かしの超合金の玩具みたいだな」
ガントレットを指先で突つきながら、ついそんな事を言ってしまった。
もっとも超合金の玩具など博物館でしか見た事ないのだがな。
「さっき、綺羅にはアーマーリングみたいだと言われました!」
確かに!ガントレットなど、見るからにアーマーリングだ。上手い事言うな、綺羅。
「テラ!装備ができたそうだぞ」
ガルムの上でヨミとリルと三匹で遊んでいるテラを呼ぶ。
<装備~?>
フワワーンとテラが飛んで来る。
羽根の推進力を使わないで、魔法だけで飛んでいるようだ。
なぜ?と思ったら、その理由は近くに来て判明した。
「鳥兜隊、いつの間に……」
テラの背中には鳥兜隊の隊長、副隊長、補佐の三羽が乗っていた。
「何ですか?コレ!か、可愛い……」
斗苫斗的が鳥兜隊の可愛さにノックアウトされている。
「ミロの召喚獣の鳥兜隊。1番立派なのが隊長で、こっちが副隊長、それと補佐だ」
「召喚獣ですか。それじゃ装備は変えられないのか」
本当に残念そうに呟く斗苫斗的。
兜に合わせた胸当とか贈りたかったのだろうな。
「鳥兜隊、テラに装備着けるからちょっと降りててな」
鳥兜隊をそっと持ち上げ、斗苫斗的の手の上に乗せる。
「ふぉわあぁぁ」
うるさい、斗苫斗的。
余談だが、ミロの手なら三羽いっぺんに持てるが、俺の手では一羽ずつの移動である。
一羽移動する毎に斗苫斗的が奇声を上げていた。
「さて、まずはガントレットを着けてみるか」
テラの手首にガントレットをはめる。
自動サイズ調節機能が付いているようで、手を通過する時には大きくなり、手首にピタリとはまる。
「キツくないか?」
テラに聞くと、キラキラとした目を向けられる。
<大丈夫~!カッコイイ?カッコイイ?>
嬉しそうに手を上げたり顔の前に掲げたりしてる。
「ほら、全部着けるぞ」
ゴルゲット、キュイラス、ヘルムも装着させた。
ちょっと青みがかったプラチナのアーマープレートは、レベルアップして角度によって虹色に輝くようになったテラの天色の体色と、とても合っているように思う。
カッコ可愛い。
ただ、ヘルムだけは本人に不評だったので返品された。
<何か邪魔~>
だそうだ。
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