ほんわりゲームしてます I

仲村 嘉高

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いろんな意味での初イベントに参加しますよ!

174:不安と幸せと不満……?

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 周りを見渡すと、いつの間にかレイとオッサン達が居なくなっていた。
 ちょっと不安になったが、公園のめぼしい遊具は設置終わったから、さすがにもう増えないだろう。
 チビッ子達が大喜びのようだし、感謝しているが……
 もっと他に金を掛けるべきじゃないのか?
 例えば建物の外観とかな。いまだに見た目ブロックだよ。


「ミロ。俺達は魔物野菜畑に行くが、管狐と鳥兜に好きなだけプミニトマト食べさせて良いからな」
「プミニ?」
「ミニトマト」
 いまだにプチトマトって言いそうになるのは、しょうがないだろう?長年そう呼んでいたのだ。

 くははははと、変な笑い方をしているミロを放置して魔物野菜畑へ向かう。
 ガルムが横にスッと来て、並んで歩く。
 紳士!
 思わず抱きつくと、ガルムが足を止める。
<どうした?主。疲れたのなら、乗るか?>
 疲れてない!全然疲れてないよ!!
 ガルムの胸の毛エプロンに顔を埋めてグリグリする。

<何してるの~?>
<きゅきゅ?>
<何か新しい遊びかい?>
 ヨミがポポンと右肩まで登って来て、テラが頭に乗り、リルが左肩へとジャンプして来た。

「は~幸せを満喫してるだ~け~だ~よ~」
 俺がガルムに頬擦りすると、両肩の二匹が俺の顔に寄っているので三匹いっぺんに頬擦りできる。
 しかも頭の上のテラも、天辺に頬擦りしているのを感じる。
 鳥兜も管狐も可愛いが、やはりうちの子が最高です。


 魔物野菜畑に行くと、畑の至る所から悲鳴が上がっていた。
 まず、蕃茄トマトの所ではオーベと咲樹がスプラッターよろしく全身真っ赤に染まっている。
 次に大根の所では、飛び出して来た大根をユズコがキャッチし、隣の綺羅にパスしている。たまに綺羅が、射程距離に入ったのか大根の飛び蹴りを喰らっていた。

 人参はまだ収穫時期じゃないのか、誰も居らず静かだ。
 しかし、この量の人参が逃げ回ったら捕まえるのは大変そうだな。
 玉葱共は好き勝手歌ってうるさいかと思いきや、土の中だからかそれほどでもない。
 それよりも、何個かが一緒に歌っている方が気になった。アカペラって言うのか?
 童謡とか、録音して現実リアルで聴きたいくらいのクオリティだ。

 ジルドは、なぜ収穫した青椒ピーマンを投げてるのかな?手榴弾なのかな?
 大体は遠くに置かれた箱の中に入るのだが、ごく稀に空中で破裂するのがある。
 マジで手榴弾かい!!

 魔物野菜は、爆発する系が多いのか?


 そして今更だが、なぜ当たり前のように綺羅がいるのだろうか。
 既に準クラン員だよな。
「あいったぁ!」
 綺羅の後ろから更に声が聞こえた。
 ころりんと茄子紺の物体が転がる。
「あ!ヴィンさん!」
 転がった拍子にこちらに気付いたらしく、俺の名前を呼んだ。

 綺羅の陰で見えなかったが、実は居たらしいハーフリング仲間の斗苫斗的ととまとまと
 茄子紺のツナギの背中には、蝙蝠様こうもりようの羽根が付いている。
 俺の天使に対しての、悪魔だと思われる。
 を考えたら、天使と悪魔が逆だと思うのだがな。


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