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いろんな意味での初イベントに参加しますよ!

173:兎の情報

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 運営からの、イベント告知メッセージを開いた。
『〈カラフル兎を捕まえろ!〉
 カラフル兎とは、今回のイベント限定の兎です。体長5センチ。色によってポイントが違います。
 どの兎が高ポイントかは、イベント終了時に発表されます!』
 添付されていた画像を開く。
 パステルカラーの兎をイメージしていたら、えらくビビッドカラーな兎だった。

『期間は、現実リアル三箇日さんがにち
 捕まえた兎には、水分や食料を与えてください。死なせた場合は、ポイントにならないのでご注意ください。』
 兎育成ゲーム?もしや、繁殖できたりするのだろうか。
 それなら、攻略組と支援職に差が出ないかもしれない……か?
 何せ、イベント初参加だからよくわからん。

『※カラフル兎は、動物ではありません。』

 最後の一文が気になる。
 動物ではないって事は、魔獣モンスターだって事だよな?
 まさか無機物?水と食料あげるのに?
 まさかのゴーレム!?

 色々妄想…いや、想像していたら、顔が緩んでいたようだ。
「ヴィン、顔キモいわよ」
 と、情け容赦の無い言葉をココアから貰った。
「カラフル兎の事を考えていただけだ。育てられるのか?とか、繁殖できるのか?とかな」
 俺の説明に、ココアの目が大きくなる。ちょっと怖い。

「繁殖!ありえるわよね!」
 いきなり両手を力強く握られる。正直、無茶苦茶痛い。
「貴重な意見をありがとう!ちょっとアタシ、兎の生態を調べに図書館行って来るわね!」
 言い終わるや否やログアウトしていった。
 可能性の話をしただけなのだがな。
 まぁ、良いか。


「あれ?ココアはもうログアウトし異界へ帰っちゃったの?」
 鳥兜三羽を肩や頭に乗せたミロが寄って来る。
「兎の生態を調べに図書館へ行くそうだ」
「なんで!?まさかイベント対策?」
「俺が育てられるのか、繁殖できるのか考えていたって言ったらな」
「あぁ~な~るほ~どね~。数は増やせるかもね。でも動物じゃ無いってわざわざ注意書きあったのにな~」
 確かに。

 足元に気配を感じて下を見ると、また管狐が並んでいた。
「ちょ、マジで!恥ずかしいから止めてください!」
 ミロが両手で顔を覆う。
「いや、本当にクランで食べ切れないからな。好きなだけ食べさせて良いぞ」
 ミロに言ってからしゃがみ込み、管狐と視線を合わせる。

「後はミロに取ってもらってくれ。自分達で収穫できるなら、それでも良いぞ」
 1番先頭の管狐がペコリと頭を下げると、まだ顔を覆っているミロの足元へと移動した。
 残りの六匹も、次々と俺にお辞儀をしてミロの方へと並び直す。
 これはこれで可愛いよな。

あるじ
 畑の外に座っているガルムに呼ばれる。
<儂にも、もう少し貰えるか?>
 ガルムの視線がチラリとミニトマトを見る。
「勿論だ。10個でも20個でも、100個でも良いぞ」
 熟しているミニトマトをプチプチと収穫し、ガルムへと放る。
 上手にキャッチして食べるガルムを、大きいけどやっぱりうちの子が1番可愛いとか思って見ていた。
 親馬鹿の自覚はある。


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