171 / 506
いろんな意味での初イベントに参加しますよ!
171:お裾分けしてみた
しおりを挟むチビッ子三匹がミニトマトを食べている。
テラが枝からもいで、ヨミとリルへと上手に投げ渡し、自分の分を取ったテラが二匹の所へと行くと、仲良く三匹で食べ出すのだ。
それを何回か繰り返している。
食べるの早っ。
てか、リルは小狼の姿になれば自分でも取れるのに、なぜ超小狼のままなのだろう?
ミニトマトをプチプチと2つ取り、ガルムに差し出す。
「はい、どうぞ」
俺の手からパクリとミニトマトを食べたガルムは、ちょっと驚いた表情をする。
<美味いの、主!>
「んふふ~、だろ?これなら5個1,000F\でも売れそうだよな!」
かなりなぼったくり値段設定だが、気分的にはそれくらい美味いのだ。
「買う!買います!」
いきなり元気に宣言されて、声のした方へと顔を向ける。
元気に手を上げているのは、え~っとどっちだっけ?目黒か名取か。
「フェンリルが水撒きしたミニトマト食べたいです!」
確かに、そう言われると希少性高そうだな。
「ヴィンちゃんが育てたトマトなら、私も食べた~い」
これもどっちだ?燕か三条か。
「馬鹿もんが!」
ゴチンと聞くからに痛そうな拳骨を喰らわせたのは、オッサンだ。
「オッサン!久しぶりだな!ミニトマト食べるか?」
ガルム用のミニトマトを摘むついでに、オッサン達用も摘む。
この間も黙々と食べ続けているチビッ子三匹。漫画のようにお腹が膨らみそうな量だぞ。
「ほい、オッサンの分」
5個のミニトマトを渡す。
「はい、……名取?の分」
疑問系なのは許して欲しい。自信がなかったのだ。ガタイが良いのが末っ子の名取だとは覚えていた。比較対象が無いと、体の大きさは大して判らないものだな。反省。
ミニトマト3個。
「燕か三条、どっちだ?」
こちらの双子は元々見分けがつかないから、素直に聞くことにする。
「三条だよ!」
「じゃあ、三条の分な」
こちらにも3個。
名取に三条なら、鍛冶師組が来たのか。
魔物野菜畑にスプリンクラーの設置に来たそうだ。それは鍛冶の仕事ではないのでは?と思ったが、この世界では同じ括りの仕事なのかもしれん。何せ魔法の世界。
「美味っ!!売ってる野菜より美味っ!」
ミニトマトを食べた名取が感動している。
美味いのは当たり前だ。野菜は収穫した瞬間から鮮度が落ちているのだからな。
「売れば良いのに……100,000F\で」
呟いた三条は、黒い笑みを浮かべていた。
それって、1万円って事だよな?ボッタクリバー並みの高額請求!?
「死人出るから!売ったら死人出ちゃうからね!」
掌の上に魔物玉葱を載せてココアが近付いて来る。
妙にリズミカルな歩き方なのは、魔物玉葱の歌う曲に合わせているからか?
「死人が出るって何だ?うちの子達が育てたミニトマトに毒はないぞ」
現に、今、普通に食べている。
「そういう意味じゃないわよ!争奪戦で死人が出るのよ!」
ん?前に同じ事を言われたな。
あぁ、綺羅が言ったのか。面白くない冗談だと流したな。
とりあえず、ココアにもお裾分け。
「ほら、ミニトマト」
空いている方の手にミニトマト3個。
「ありがとう。いただきます」
言いながら口にミニトマトを放り込むココア。
ただでさえデカイ目が、更に見開かれる。
目玉落ちるぞ。おい。
215
お気に入りに追加
1,417
あなたにおすすめの小説
転生王女は現代知識で無双する
紫苑
ファンタジー
普通に働き、生活していた28歳。
突然異世界に転生してしまった。
定番になった異世界転生のお話。
仲良し家族に愛されながら転生を隠しもせず前世で培ったアニメチート魔法や知識で色んな事に首を突っ込んでいく王女レイチェル。
見た目は子供、頭脳は大人。
現代日本ってあらゆる事が自由で、教育水準は高いし平和だったんだと実感しながら頑張って生きていくそんなお話です。
魔法、亜人、奴隷、農業、畜産業など色んな話が出てきます。
伏線回収は後の方になるので最初はわからない事が多いと思いますが、ぜひ最後まで読んでくださると嬉しいです。
読んでくれる皆さまに心から感謝です。
ーOnly Life Onlineーで生産職中心に遊んでたらトッププレイヤーの仲間入り
星月 ライド
ファンタジー
親友の勧めで遊び、マイペースに進めていたら何故かトッププレイヤーになっていた!?
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
注意事項
※主人公リアルチート
暴力・流血表現
VRMMO
一応ファンタジー
もふもふにご注意ください。
VRMMOでチュートリアルを2回やった生産職のボクは最強になりました
鳥山正人
ファンタジー
フルダイブ型VRMMOゲームの『スペードのクイーン』のオープンベータ版が終わり、正式リリースされる事になったので早速やってみたら、いきなりのサーバーダウン。
だけどボクだけ知らずにそのままチュートリアルをやっていた。
チュートリアルが終わってさぁ冒険の始まり。と思ったらもう一度チュートリアルから開始。
2度目のチュートリアルでも同じようにクリアしたら隠し要素を発見。
そこから怒涛の快進撃で最強になりました。
鍛冶、錬金で主人公がまったり最強になるお話です。
※この作品は「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過した【第1章完結】デスペナのないVRMMOで〜をブラッシュアップして、続きの物語を描いた作品です。
その事を理解していただきお読みいただければ幸いです。
モノ作りに没頭していたら、いつの間にかトッププレイヤーになっていた件
こばやん2号
ファンタジー
高校一年生の夏休み、既に宿題を終えた山田彰(やまだあきら)は、美人で巨乳な幼馴染の森杉保奈美(もりすぎほなみ)にとあるゲームを一緒にやらないかと誘われる。
だが、あるトラウマから彼女と一緒にゲームをすることを断った彰だったが、そのゲームが自分の好きなクラフト系のゲームであることに気付いた。
好きなジャンルのゲームという誘惑に勝てず、保奈美には内緒でゲームを始めてみると、あれよあれよという間にトッププレイヤーとして認知されてしまっていた。
これは、ずっと一人でプレイしてきたクラフト系ゲーマーが、多人数参加型のオンラインゲームに参加した結果どうなるのかと描いた無自覚系やらかしVRMMO物語である。
※更新頻度は不定期ですが、よければどうぞ
運極ちゃんの珍道中!〜APの意味がわからなかったのでとりあえず運に極振りしました〜
斑鳩 鳰
ファンタジー
今話題のVRMMOゲーム"Another World Online"通称AWO。リアルをとことん追求した設計に、壮大なグラフィック。多種多様なスキルで戦闘方法は無限大。
ひょんなことからAWOの第二陣としてプレイすることになった女子高生天草大空は、チュートリアルの段階で、AP振り分けの意味が分からず困ってしまう。
「この中じゃあ、運が一番大切だよね。」
とりあえず運に極振りした大空は、既に有名人になってしまった双子の弟や幼馴染の誘いを断り、ソロプレーヤーとしてほのぼのAWOの世界を回ることにした。
それからレベルが上がってもAPを運に振り続ける大空のもとに個性の強い仲間ができて...
どこか抜けている少女が道端で出会った仲間たちと旅をするほのぼの逆ハーコメディー
一次小説処女作です。ツッコミどころ満載のあまあま設定です。
作者はぐつぐつに煮たお豆腐よりもやわやわなメンタルなのでお手柔らかにお願いします。
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
生産職から始まる初めてのVRMMO
結城楓
ファンタジー
最近流行りのVRMMO、興味がないわけではないが自分から手を出そうと思ってはいなかったふう。
そんな時、新しく発売された《アイディアル・オンライン》。
そしてその発売日、なぜかゲームに必要なハードとソフトを2つ抱えた高校の友達、彩華が家にいた。
そんなふうが彩華と半ば強制的にやることになったふうにとっては初めてのVRMMO。
最初のプレイヤー設定では『モンスターと戦うのが怖い』という理由から生産職などの能力を選択したところから物語は始まる。
最初はやらざるを得ない状況だったフウが、いつしか面白いと思うようになり自ら率先してゲームをするようになる。
そんなフウが贈るのんびりほのぼのと周りを巻き込み成長していく生産職から始まる初めてのVRMMOの物語。
現実逃避のために逃げ込んだVRMMOの世界で、私はかわいいテイムモンスターたちに囲まれてゲームの世界を堪能する
にがりの少なかった豆腐
ファンタジー
この作品は 旧題:金運に恵まれたが人運に恵まれなかった俺は、現実逃避するためにフルダイブVRゲームの世界に逃げ込んだ
の内容を一部変更し修正加筆したものになります。
宝くじにより大金を手に入れた主人公だったが、それを皮切りに周囲の人間関係が悪化し、色々あった結果、現実の生活に見切りを付け、溜まっていた鬱憤をVRゲームの世界で好き勝手やって晴らすことを決めた。
そして、課金したりかわいいテイムモンスターといちゃいちゃしたり、なんて事をしている内にダンジョンを手に入れたりする主人公の物語。
※ 異世界転移や転生、ログアウト不可物の話ではありません ※
※修正前から主人公の性別が変わっているので注意。
※男主人公バージョンはカクヨムにあります
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる