上 下
165 / 506
のんびりと家庭菜園を楽しむはずだったのだが、アレ?おかしいな

165:作業終了

しおりを挟む
 


<は~い!>
<きゅ!>
<それ~!>
<きゅ!>
<よいしょ~!>
<きゅ!>
「列の端まで行ったら、隣の列な!」
<わかった~!>
<きゅ!>

 休憩明けから畑に参戦しているテラとヨミとユズコである。
 テラとヨミが前足を突っ込み一定間隔で穴をあけ、ユズコが種を落として土を被せて行く。
 ちなみにユズコさんや、列じゃなくてうねな。

<我も穴あけをやりたいのだけど、ダメかい?>
 リルがウズウズしながら言ってくるが、残念な事にリルの足では穴が大き過ぎる。
「リル、もっと小さくなれるならやっても良いぞ」
<成れなくはないが、いざという時に戦えるサイズはここまでなのだよ>
 成れるのかい!

「ですが、リル。いざという時とは?ガルムも居ますが?」
 レイの問い掛けに、リルが俺を見て、ガルムを見て、周りを見回す。
<ドラゴンが来ても、大丈夫だったね>
 ドラゴンいるの!?あ、テラもドラゴンの一種か。

 リルの姿が見る見る小さくなる。
 普通の小狼が、ヨミと同じくらいの小狼になった。
 可愛いな、おい。
 思わず抱き上げて頬擦りしちゃったよ。
 このサイズなら、肩に乗っても大丈夫なのに。
 生まれたてのシベリアンハスキーって、このくらいなのだろうか?

「ヴィン、リルが固まってますよ」
 俺の突然の行動に、リルが驚き過ぎたのか固まっている。
「あ、すまん。ついな」
 リルを地面にそっと下ろした。



 穴あけ隊の活躍により、予定よりだいぶ早く種きが終わった。
 俺は種を蒔き終わったうねに、魔法で水をく係だった。
「これで、明日には芽が出てるはず」
 はれひめがわざとらしく腕で額の汗をぬぐうフリをし、ふぅ~を大きく息を吐き出す。
 汗掻くほど動いてないよな?

「土の乾燥には注意してね。雑草は抜かないと、生育に影響でるからこまめに抜いて!後は、摘果とかもしなくて良いからね。食べ頃になったら収穫して!」
 アバウトだな、本当に。
「しかしこの面積の野菜が実ったら、クランだけじゃ消費しきれないな」
 更にここよりも広い面積の魔物野菜畑もある。

「クラン前に置いて、1個1,000F\で売るか」
 農家の前に小さな掘っ建小屋があって、手書きの値段表とかと貯金箱みたいな料金箱があるアレ。
「死人が出るか、戦争が起きるのでやめてください」
 綺羅?冗談にしても面白くないぞ。
 あ、目が真剣マジでした。


 あれ?綺羅は魔物野菜畑手伝ってなかったか?
「こちらは終わったんですね。魔物畑の事で聞きたい事があるとかで、はれひめ呼びに来たんですけど、連れてって良いですか?」
「あぁ、こっちは終わったからな。大丈夫だぞ」
 俺に頭を下げて、綺羅とはれひめが走って行く。

 しかし、魔物畑って……野菜を略しただけなのに、凄く不穏な畑に聞こえるな。
 ゾンビとか植わってそうだ。
 可愛い魔物じゃなくて、おどろおどろしいイメージなのはなぜだろう。
 あ、でもアウラウネは畑で育つのか?
 確か種を入手してたな。誰が持ってるのか覚えてないが。
 ココアかミロか?
 まぁ、どうでも良いか。


しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

転生王女は現代知識で無双する

紫苑
ファンタジー
普通に働き、生活していた28歳。 突然異世界に転生してしまった。 定番になった異世界転生のお話。 仲良し家族に愛されながら転生を隠しもせず前世で培ったアニメチート魔法や知識で色んな事に首を突っ込んでいく王女レイチェル。 見た目は子供、頭脳は大人。 現代日本ってあらゆる事が自由で、教育水準は高いし平和だったんだと実感しながら頑張って生きていくそんなお話です。 魔法、亜人、奴隷、農業、畜産業など色んな話が出てきます。 伏線回収は後の方になるので最初はわからない事が多いと思いますが、ぜひ最後まで読んでくださると嬉しいです。 読んでくれる皆さまに心から感謝です。

ーOnly Life Onlineーで生産職中心に遊んでたらトッププレイヤーの仲間入り

星月 ライド
ファンタジー
親友の勧めで遊び、マイペースに進めていたら何故かトッププレイヤーになっていた!? ーーーーーーーーーーーーーーーーーー 注意事項 ※主人公リアルチート 暴力・流血表現 VRMMO 一応ファンタジー もふもふにご注意ください。

VRMMOでチュートリアルを2回やった生産職のボクは最強になりました

鳥山正人
ファンタジー
フルダイブ型VRMMOゲームの『スペードのクイーン』のオープンベータ版が終わり、正式リリースされる事になったので早速やってみたら、いきなりのサーバーダウン。 だけどボクだけ知らずにそのままチュートリアルをやっていた。 チュートリアルが終わってさぁ冒険の始まり。と思ったらもう一度チュートリアルから開始。 2度目のチュートリアルでも同じようにクリアしたら隠し要素を発見。 そこから怒涛の快進撃で最強になりました。 鍛冶、錬金で主人公がまったり最強になるお話です。 ※この作品は「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過した【第1章完結】デスペナのないVRMMOで〜をブラッシュアップして、続きの物語を描いた作品です。 その事を理解していただきお読みいただければ幸いです。

モノ作りに没頭していたら、いつの間にかトッププレイヤーになっていた件

こばやん2号
ファンタジー
高校一年生の夏休み、既に宿題を終えた山田彰(やまだあきら)は、美人で巨乳な幼馴染の森杉保奈美(もりすぎほなみ)にとあるゲームを一緒にやらないかと誘われる。 だが、あるトラウマから彼女と一緒にゲームをすることを断った彰だったが、そのゲームが自分の好きなクラフト系のゲームであることに気付いた。 好きなジャンルのゲームという誘惑に勝てず、保奈美には内緒でゲームを始めてみると、あれよあれよという間にトッププレイヤーとして認知されてしまっていた。 これは、ずっと一人でプレイしてきたクラフト系ゲーマーが、多人数参加型のオンラインゲームに参加した結果どうなるのかと描いた無自覚系やらかしVRMMO物語である。 ※更新頻度は不定期ですが、よければどうぞ

運極ちゃんの珍道中!〜APの意味がわからなかったのでとりあえず運に極振りしました〜

斑鳩 鳰
ファンタジー
今話題のVRMMOゲーム"Another World Online"通称AWO。リアルをとことん追求した設計に、壮大なグラフィック。多種多様なスキルで戦闘方法は無限大。 ひょんなことからAWOの第二陣としてプレイすることになった女子高生天草大空は、チュートリアルの段階で、AP振り分けの意味が分からず困ってしまう。 「この中じゃあ、運が一番大切だよね。」 とりあえず運に極振りした大空は、既に有名人になってしまった双子の弟や幼馴染の誘いを断り、ソロプレーヤーとしてほのぼのAWOの世界を回ることにした。 それからレベルが上がってもAPを運に振り続ける大空のもとに個性の強い仲間ができて... どこか抜けている少女が道端で出会った仲間たちと旅をするほのぼの逆ハーコメディー 一次小説処女作です。ツッコミどころ満載のあまあま設定です。 作者はぐつぐつに煮たお豆腐よりもやわやわなメンタルなのでお手柔らかにお願いします。

僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?

闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。 しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。 幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。 お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。 しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。 『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』 さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。 〈念の為〉 稚拙→ちせつ 愚父→ぐふ ⚠︎注意⚠︎ 不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。

生産職から始まる初めてのVRMMO

結城楓
ファンタジー
最近流行りのVRMMO、興味がないわけではないが自分から手を出そうと思ってはいなかったふう。 そんな時、新しく発売された《アイディアル・オンライン》。 そしてその発売日、なぜかゲームに必要なハードとソフトを2つ抱えた高校の友達、彩華が家にいた。 そんなふうが彩華と半ば強制的にやることになったふうにとっては初めてのVRMMO。 最初のプレイヤー設定では『モンスターと戦うのが怖い』という理由から生産職などの能力を選択したところから物語は始まる。 最初はやらざるを得ない状況だったフウが、いつしか面白いと思うようになり自ら率先してゲームをするようになる。 そんなフウが贈るのんびりほのぼのと周りを巻き込み成長していく生産職から始まる初めてのVRMMOの物語。

現実逃避のために逃げ込んだVRMMOの世界で、私はかわいいテイムモンスターたちに囲まれてゲームの世界を堪能する

にがりの少なかった豆腐
ファンタジー
この作品は 旧題:金運に恵まれたが人運に恵まれなかった俺は、現実逃避するためにフルダイブVRゲームの世界に逃げ込んだ の内容を一部変更し修正加筆したものになります。  宝くじにより大金を手に入れた主人公だったが、それを皮切りに周囲の人間関係が悪化し、色々あった結果、現実の生活に見切りを付け、溜まっていた鬱憤をVRゲームの世界で好き勝手やって晴らすことを決めた。  そして、課金したりかわいいテイムモンスターといちゃいちゃしたり、なんて事をしている内にダンジョンを手に入れたりする主人公の物語。  ※ 異世界転移や転生、ログアウト不可物の話ではありません ※  ※修正前から主人公の性別が変わっているので注意。  ※男主人公バージョンはカクヨムにあります

処理中です...