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のんびりと家庭菜園を楽しむはずだったのだが、アレ?おかしいな
165:作業終了
しおりを挟む<は~い!>
<きゅ!>
<それ~!>
<きゅ!>
<よいしょ~!>
<きゅ!>
「列の端まで行ったら、隣の列な!」
<わかった~!>
<きゅ!>
休憩明けから畑に参戦しているテラとヨミとユズコである。
テラとヨミが前足を突っ込み一定間隔で穴をあけ、ユズコが種を落として土を被せて行く。
因みにユズコさんや、列じゃなくて畝な。
<我も穴あけをやりたいのだけど、ダメかい?>
リルがウズウズしながら言ってくるが、残念な事にリルの足では穴が大き過ぎる。
「リル、もっと小さくなれるならやっても良いぞ」
<成れなくはないが、いざという時に戦えるサイズはここまでなのだよ>
成れるのかい!
「ですが、リル。いざという時とは?ガルムも居ますが?」
レイの問い掛けに、リルが俺を見て、ガルムを見て、周りを見回す。
<ドラゴンが来ても、大丈夫だったね>
ドラゴンいるの!?あ、テラもドラゴンの一種か。
リルの姿が見る見る小さくなる。
普通の小狼が、ヨミと同じくらいの小狼になった。
可愛いな、おい。
思わず抱き上げて頬擦りしちゃったよ。
このサイズなら、肩に乗っても大丈夫なのに。
生まれたてのシベリアンハスキーって、このくらいなのだろうか?
「ヴィン、リルが固まってますよ」
俺の突然の行動に、リルが驚き過ぎたのか固まっている。
「あ、すまん。ついな」
リルを地面にそっと下ろした。
穴あけ隊の活躍により、予定よりだいぶ早く種蒔きが終わった。
俺は種を蒔き終わった畝に、魔法で水を撒く係だった。
「これで、明日には芽が出てるはず」
はれひめがわざとらしく腕で額の汗を拭うフリをし、ふぅ~を大きく息を吐き出す。
汗掻くほど動いてないよな?
「土の乾燥には注意してね。雑草は抜かないと、生育に影響でるからこまめに抜いて!後は、摘果とかもしなくて良いからね。食べ頃になったら収穫して!」
アバウトだな、本当に。
「しかしこの面積の野菜が実ったら、クランだけじゃ消費しきれないな」
更にここよりも広い面積の魔物野菜畑もある。
「クラン前に置いて、1個1,000F\で売るか」
農家の前に小さな掘っ建小屋があって、手書きの値段表とかと貯金箱みたいな料金箱があるアレ。
「死人が出るか、戦争が起きるのでやめてください」
綺羅?冗談にしても面白くないぞ。
あ、目が真剣でした。
あれ?綺羅は魔物野菜畑手伝ってなかったか?
「こちらは終わったんですね。魔物畑の事で聞きたい事があるとかで、はれひめ呼びに来たんですけど、連れてって良いですか?」
「あぁ、こっちは終わったからな。大丈夫だぞ」
俺に頭を下げて、綺羅とはれひめが走って行く。
しかし、魔物畑って……野菜を略しただけなのに、凄く不穏な畑に聞こえるな。
ゾンビとか植わってそうだ。
可愛い魔物じゃなくて、おどろおどろしいイメージなのはなぜだろう。
あ、でもアウラウネは畑で育つのか?
確か種を入手してたな。誰が持ってるのか覚えてないが。
ココアかミロか?
まぁ、どうでも良いか。
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