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のんびりと家庭菜園を楽しむはずだったのだが、アレ?おかしいな

163:しょうがない?納得できん!

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 リビングルームへ全員集合。
 勿論、全員俺の部屋を通った。
 マジでプライバシーなくない!?
 一応、俺がいない時には入らないらしく、ちゃんと玄関から出入りするらしい。
 もう1ヶ所庭からの出入口を作れば良いのでは?と思ったが、後からだと大変なのだろう。

「ん~?空間拡張して、出入口のキットを買って設置するだけだから、簡単だよ~」
 オーベの口から発せられた衝撃の事実。
 そう言われれば、従魔用のシャワーブースも、後から設置だった。
「それなら、速攻設置してください」
 思わず敬語になった。

「ヴィンの部屋へ行く口実が減るけど、実際畑に行くのに不便だもんね~。しょうがない、裏口増やそうか~」
 同じ不便を感じていたらしいジルドも、即座に賛成した。
 ユズコは、こういう時は自分に不利益がなければ賛成してくれる。

「ヴィンが居る時は、ヴィンの部屋を通って良いのですよね?」
 レイがおかしな事を聞いてくる。
 いやいやいや、裏口通れや。
「あ、私も!レイの意見に賛成!」
 はい!と手をあげる咲樹。
「……俺が居る時じゃなくて、俺と一緒に出入りする時な」
 二人がコクコクと頷いた。



 今日のお茶請けは、タコ焼きです。
 俺の顔を見るたびエセ関西人のお姉さんがくれるものだから、インベントリの中がタコ焼きだらけだ。
 毎回、最低でも5箱はくれるからな。
 まだ前のがあると言っても「インベントリだからいつでも出来たてやろ?」と、強引に渡される。
 その通りだし、美味しいから嬉しいけどな。

 あとは、屋台で適当に買った串物き。
 ヨミの好物のキラーバニーの甘辛タレの串焼き。因みに串ごと食べる。
 俺は、柚子塩味が好きだ。
 見た目はウズラの卵串だが、中身は別の鳥の卵だろうな。鳥……だよな?

 デザート系として、姫りんご飴。
 これは、テラが好きだったりする。
「テラ、毒の魔石と姫りんご飴、どっちか選んで良いよ」
 ちょっと意地悪して、目の前に差し出してみた。
 二つを何度も何度も見比べて、どうしよう?って悩んだ表情をする。
 俺の目の前にフワリと浮きながら、首を捻ったり、尻尾を振ったりしている。
 そのうち泣きそうな顔で俺を見つめてきた。

「ゴメン、ゴメン。決められないよな」
 テラの頭を撫でて、姫りんご飴をその手に渡す。
「後で毒の魔石もあげるからな」
 俺の言葉に嬉しそうな顔をしてから、テラは姫りんご飴に齧り付いた。


 ヨミは、安定の給餌機ジルドからキラーバニー串を貰っている。
 相変わらずバリボリといい音をさせていた。
 ヨミには雷の魔石をあげよう。
「ジルド、後でコレもあげておいて」
 ヨミ用給餌機に、雷の魔石を渡しておいた。
 これで間違いない。

 リルは、レイからタコ焼きを貰っている。
 畑に穴を掘るリルに指示を出していたのがレイだったので、妙な連帯感が生まれたのかもしれない。黙々と作業してたな。
 いや、その前から、銀狼のレイとは仲が良かったか。

「リルは魔石は何が好きだ?」
<我は全属性だから、好き嫌いは特には無いね>
 うぅん、優秀。
 それなら、ガルムに炎と風をあげて、リルには氷と水にしよう。
 レイにリル用の氷と水の魔石を渡す。

「個人的にあげても良いですか?」
 レイの持ってる魔石をあげるって事か?
「リルが欲しがったら、あげてやってくれ」
 こちらの会話が聞こえていたのだろう。
 ジルドも手をあげている。
 自分も良いか?の問いなのは理解した。
「ヨミの判断に任せる」
 手でOKと返事をするのは別に咎めないが、一度くらいは視線を向けろ。


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