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のんびりと家庭菜園を楽しむはずだったのだが、アレ?おかしいな

157:色々ドン引いた

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 フライング土下座した幼女は、立ち上がると甲冑男に向き直る。
「ペルセ、お友達と待ち合わせって言ったよね?」
「おっしゃいました」
「何で勝手に声掛けに行くの?何で勝手に怒ってるの?お友達は、初心者だってペルセちゃんと言ったよね?」
「しかし、知らない奴に近付くのは危険です」
「お友達って、言ってるじゃない!」

 うわぁ、色々な意味でドン引きだわ。
 どうやら同僚は、間違った方向に慕われているようだ。
 噴水の前にいた同僚ペルセポネを、甲冑集団が囲っていたらしい。
 自由に動けないなんて、全然楽しくないよな。

「友人と、この後遊ぶ約束なのだが」
 くだらない言い合いをしている二人に、割り込みしてみる。一応は助け舟のつもりだ。
 嘘は言っていない。
「花の女神様が久しぶりにいらっしゃったのに、貴様如きと過ごされるわけないだろう!」
 ペルセポネと言い合いしているのとは別の甲冑男が怒鳴ってきた。


<<毒霧吐く~?>>
 いつもより幾分低い声でテラが言う。
 パーカーのフードから、スポーンと飛び出して来た。
 テラの言葉は相手に聞こえないが、怒っている雰囲気は伝わったようだ。
 胸元のヨミも跳び出して、角を伸ばす。まだサイズは小さいままだ。

「な、何だよ、初心者が【cinq(サンク)】のお陰でドラゴネットをテイムしただけだろ?何だよ、やるのか?」
 どこのチンピラだよって台詞を吐かれた。
「それは、対人戦闘PvPの申し込みと取って良いのか?」
 俺の言葉に、甲冑男はフンッと鼻を鳴らす。
「言っとくが、【cinq(サンク)】とのチーム戦なら断るからな。俺とお前のPvPなら受けてやる」

「ちょっと!やめてよ!ペルセのお友達なんだからね!」
 ペルセポネが止める。
 凄いな、メガネ。キャラを忘れない。
 爺さんタカアシガニも見習うと良い。


「キャンセル無しだからな」
 今の俺は、かなり邪悪な笑みを浮かべているだろう。
 ウィンドウで確認すると、『対人戦闘PvP中』と出ている。
「ガルム、リル、召喚」
 相手の意表を突く為、念話無しでガルムとリルを召喚した。

<どうした?あるじ。いきなりの呼び出しとは珍しい>
 ガルムがぬぅっと出て来る。
<面白い、影から出られるのだね>
 どこか嬉しそうにリルも出て来た。ちゃんと目と口から炎を出した姿だ。

 ガルムとリルが揃うと、ヨミも中型犬サイズで角がドリドリして体に雷を纏う、あの凶悪な姿に変化した。


「ガルムとリルを後から呼ぶって、かなり卑怯よね」
「あの二匹がいたら~俺だって喧嘩売らな~い」
 うるさいよ、エルフ組。咲樹はハイエルフだけど。
「僕も勝てないので、絶対にやりませんね」
「リルのサイズでも問題なく、あの小さい影から出られるんだな」
 うるさいよ、双子。それからジルドはひとり、着眼点がおかしいからな。
「今度、『殺さず』のPvP申し込んでみっかな!」
 ユズコ?何言っちゃってるわけ?まぁ、殺さずなら良いけどさ。


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