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のんびりと家庭菜園を楽しむはずだったのだが、アレ?おかしいな
149:何それ、知らない
しおりを挟むガルムに埋もれながら、ヨミとテラと戯れていると、狼が一匹が増えていた。
小狼ではない。銀狼だ。
「ちょ、レイ!?何をしてるわけ?」
抱き着いてモッフーンとしてから、あれ?と気付いた。
この大きさのもふもふは、従魔にいないからな。
レ イ:気配はするのに連絡が来なかったので、自分から来てみました
銀狼の姿でか!
しかもこっそり混じってるっておかしいだろ!?
と、思ったら扉から入って来る白虎と目が合った。
ユズコ:あ、バレた
バレたじゃねぇわ!
今更だが、うちの悪友達おかしくないか?
いや、ホント。今更だけどな。
もふもふ組だけじゃなく、咲樹とかジルドとかもかなりおかしいと思うが、今回は置いておこう。
ユズコ:ヴィン、変な顔して俺の事見てるけどな、そういう顔はレイから離れてからじゃないと説得力ないぞ
おっと。レイにモフンと抱き着いたままだったか。
従魔達ともまた違う毛感触だから、しょうがない。因みに白虎も、独特の毛感触だ。
<おや、主。おかえり>
リルが庭から部屋に戻って来た。
「滑り台楽しかったか?」
<そうだね。クッションに乗って滑るのも楽しいけど、無いのもまた楽しい。ミスリルだから、小狼でなら爪で傷付ける心配もないから特にね>
ちょっと待て。今、何か不穏な単語を聞いた気がするぞ。
<きゅ!>
ヨミちゃんも、そうだ!みたいな顔しないの。
「ミスリル?」
俺の質問に、ガルムが首を傾げる。
<うむ。主は知らなかったのか?あの滑り台はミスリル製だぞ>
何その『今更何を?』みたいな表情。
全然知らなかったけど!?
<<ボクの硬化した鱗でも大丈夫なんだよ!硬化してから滑るとね、ツルツル~って凄い滑るの!>>
テラが鱗を硬化できるのも知らなかったよ。
いつから!?
「ミスリル製の滑り台は、僕から従魔達へのプレゼントです」
「……ありがとう」
耕耘機を頼んだあの日、工業ギルドを通して、正式な依頼として滑り台を頼んだそうだ。材料は用意しますので特急で、と目の前にミスリルを積んだらしい。
その場にいた他の工房関係者が「うちがやります!」と言ってきて鬱陶しかったとか。
そりゃそうだろうな。
どんだけ高額依頼にしたのか、マジで超特急で仕上げてくれたようだ。
しかもオマケでリルの毛入りのミスリルの滑り台って、ある意味国宝級?
そりゃ傷も付かないだろう。
設置に来た五人が自慢げに言ってたらしい。
レイに指名依頼されたオッサン達に感謝か謝罪のメールを……って、連絡先知らなかったわ。
説明中にガルムが<儂の毛も使って良かったのに>と言ってたのは、聞こえないフリをした。
「馬鹿なのかな?レイって、頭良いのに馬鹿なのかな?」
白虎の首元に抱き着いて顔を埋める。
あぁ、落ち着く。猫系の毛って、顔を埋める為にあるよな。
「……耕耘機はまだ先か。プチトマト育てたい」
もふもふに顔を埋めたまま呟く。
ユズコ:耕耘機なら届いてるぞ。オーベとジルドが既に魔物茄子と魔物蕃茄の苗植えてたな
は?魔物茄子と魔物蕃茄って何?
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