146 / 506
のんびりと家庭菜園を楽しむはずだったのだが、アレ?おかしいな
146:性格悪い?知ってる
しおりを挟む転移屋に頼んで、『commerce(コマース)』の噴水広場まで戻って来た。
【従魔専門店】の爺さんから、希望通りのチェーンがあるので、取り置きしておくとのメッセージが届いたからだ。
ミロは、鳥兜達の座布団が問題ないと判ると、自分の方のクランハウスへと帰って行った。
スキル[料理]を取得し、俺直伝の炊飯器ホットケーキを練習するらしい。
練習が必要なほど難しくないのだが……
明日ログインしたら、また会おうと約束して別れた。
【従魔専門店】の前には、この間と変わらない位の長蛇の列。
並ぶとまた面倒な気がするので、さっさと爺さんへメッセージを送る。
まぁ一言『店の前に着いた』だけだが。
前回と同じようにズザザザザーと爺さんが飛び出して来て止まった。年齢設定忘れてないか?大丈夫か?
「どこじゃ!フェンリルはどこじゃ!」
あれ?俺、フェンリル用だとは書いてないはずだが。
「馬鹿もんが!既に掲示板で大騒ぎじゃ!」
爺さんの説明を聞くと、予想通りレイが飼い主にされてるようだけどな。
「リル、クラン証付けるぞ」
俺の言葉に、ガルムの上から小狼姿のリルが飛び降りた。
<主とお揃いのアレだね。我だけ無くて哀しかったのだよ!>
上機嫌で背筋を伸ばすリルに、思わず苦笑が漏れる。
その首に、ホワイト&チタンブルーのチェーンを掛けた。ついでにクラン証も装着する。
うん。完全にうちの子になったな。
「……小さいのう」
なぜかガッカリしている爺さん。
「パニックが起きても良いなら、素の姿に戻るよう言うぞ。言っとくが、ガルムよりデカイからな」
俺の言葉に、爺さんだけでなく、並んでいた客達の目が輝く。
おや?
「チェーンの動作確認もしたいから、ぜひ元の姿に戻ってくれんか!?」
「わかった。素の姿だな」
爺さん的には元の大きさに戻ってくれって意味だろうが、俺的には素の姿をぜひ見せたい。ふふふ、俺達が感じたあの恐怖を少しでも感じるが良い。
え?性格が悪い?
そんな事は自覚している。だから良いのだ!
恐怖、興味、驚愕、好奇心、畏敬、とにかく色々入り混じった視線が集まった。
その視線の中に、見知った顔が合って思わず手招きする。
自分の顔を指差して首を傾げる様子に頷いて見せ、肯定し、もう一度手招き。
まさかの再会、斗苫斗的である。
「何をしている?斗苫斗的」
「ログアウト前に恒例の掲示板チェックしたら、【従魔専門店】にフェンリル現わるってあったから、見に来てみました」
「予告があったって事か?」
「確定じゃなくて、現れるかも?位だったので、ここでの2時間だけ待とうと思ってました。いやぁ、ある意味予想通り?」
何が!?何が予想通りなのか、ちょっとそこの路地で聞かせてもらおうかな?うん。
応援ありがとうございます!
137
お気に入りに追加
1,000
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる