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のんびりと家庭菜園を楽しむはずだったのだが、アレ?おかしいな
143:今更ですが……
しおりを挟む中型犬が作れそうなくらい、リルの抜け毛がある。
巨大な象……マンモス?をブラッシングしたと思えば、納得の量か。
無造作に箱に入れてあるのかと思ったが、実は錬金術で作られた特殊な箱との事。
「こんなに魔力の強い素材を無造作に扱えないわよ」
と、一息に言い切られて少し引いた。
オタクのにおいがする。
好きな事を語らせたら、早口になり、息継ぎが減るパターンだ。
今更だが、オッサンと四兄弟と自己紹介をしあった。
オッサンこと工房主は、錬金術師兼鍛冶師の大宮さん。元ネタは本名なのか住所なのか悩んだら「出身地」と言われた。
この人も、俺と同じで名付けが苦手なタイプとみた。
年齢不詳だが、40歳位だと推定。
ちなみに、『大宮さん』が名前との事。
ちょっと口の軽い男子1が長男で、錬金術師。幻想世界では20歳。
わざわざ自分で「ここでは」と付けていた。
付けなければ、何の疑問も持たないくらい20歳だが、なぜ付けるのだろう?
名前は、目黒。由来はオッサンと一緒らしい。
双子姉妹は、長女が錬金術師、次女が鍛冶師。どっちがどっちだか、俺には見分けがつかない。すまん。
『燕』『三条』が名前。三条?と聞き直してしまった。産院の最寄駅から付けたらしい。
女性に年齢は聞いちゃいけない。
見た目だけなら、オッサンより下、目黒より上だ。
末っ子は、鍛冶師。1番ガタイが良いし、予想はしてた。
リアル大学生で、一人だけ歳が離れてるんだ!と言って、姉二人にまた正拳喰らってた。合掌。
名前は、名取。もう由来は聞かなくてもわかった。
お父さん、転勤族だったのか?
レイとミロが自己紹介して、何となく四兄弟が引いていた。
「え?嘘」「でも、ガルムってそうでしょ?」「蜘蛛の糸?」とか言ってたから、誰だかわかって焦っているのだろう。
今更かよ!?と、心の中でツッコんでおこう。
それから名取。いちいち訂正しないけど、ミロのパーティー名は蜘蛛の糸じゃない。蜘蛛の巣だぞ。
俺の自己紹介は、もう色々面倒なのでギルドカードを見せた。
錬金術でクッションを作るところを見せてくれると言われたので、遠慮なく見学する事にする。
スリッカーブラシは、材料を手に置いて魔力を流すだけだった。
いや、斗苫斗的は、材料に手をかざしていたな。
今、目の前には何やら派手な鍋が置いてある。猫足の付いた、周りに柄が彫り込んである蓋付きの鍋。キラキラ光る宝石は魔石か?
ちょっと、お香を炊く香炉にも見える。
サイズが全然違うが。
「錬金術には色々なやり方があるが、今回は素材が素材だからな。1番失敗しにくい錬金釜を使用する」
へぇ~。これが錬金釜なのか。
蓋を開けると中は真っ暗で、アイテムボックスと同じように見た目より容量が大きいそうだ。
この錬金釜も錬金術で作られてるそうで、卵鶏論争のようで、密かに笑った。
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